Vol.357 本物のプロレスとは


 7月5日はマリーゴールド川越大会、今年も未来ちゃんの地元凱旋興行に行って来ました。去年の会場は駅から遠くて、とにかく暑かったことを思い出しました。今年のウェスタ川越は、駅から近く、新しくて綺麗で良い会場でした。去年のカードはジュリアとのシングルマッチで豪華でしたが、今年も麻優ちゃんとのタッグと注目のカードでした。時の流れを感じます。対戦相手は林下詩美と応援しているごちかのタッグで個人的には嬉しいカードでした。ごちかが敗れてしまったのは、花を持たせてあげたということにしておきましょう。
 新人がデビューしていますが、欠場者もいて、少し選手層が薄いかなと思います。新しい外人選手が2人出ていましたが、あまり感じるものはありませんでした。ダークネス・レボリューションは3人になってしまい、次の新木場で何かが起こると予告しました。今のヒールはマリーゴールドに限らず、中途半端で、なんちゃってヒールばかりだなと思います。ベビーフェイス対ヒールはプロレスの基本ですが、裏切りとか介入とか、姑息なことばかりで、ちょっと辟易としています。
 14日はSareeeISM新宿FACE大会を観戦しました。SareeeISMは、平日夜興行、会場が新宿FACE、チケットは即完売と行きづらい要素が多いのですが、なつぽい対叶ミクが観たくて、チケットも買えたので行ってきました。
 叶ミクはアクトレスで、かなみっくを名乗っていた時に観ていて、なつぽいに雰囲気が似ているなと思い、気になっていたのですが、アクトレスを退団して、プロレスで頑張っていて、前にもSareeeISMで、なつぽいとのシングルが決まり、この時はチケットが買えず、なつぽいの負傷欠場で対戦も流れてしまいましたが、また組まれたので今度こそはという思いでした。当然なつぽいの貫禄勝ちでしたが、期待通り良い試合でした。
 メインはSareee&彩羽匠のスパークラッシュ対上谷沙弥&刀羅ナツコの豪華カード。そして試合後にはクラッシュギャルズの2人が登場して、スパークラッシュにクラッシュを継承するというエンディングでした。来年3月にはSareee15周年とSareeeISM10回目の大会で横浜武道館進出も発表されました。頑張ってもらいたいです。
 Sareeeの言う本物のプロレスとは何なのか。そもそもプロレスとは何かと言われても、何十年も観続けていても、答えが分かりません。スポーツなのか、格闘技なのか、エンターテイメントなのか、ショーなのか。プロレスとはプロレスであるとしか言いようがありませんが、闘いであり、見せるものであるとは思います。つまり闘いを見せるもの、そして闘いを通じて思いを伝えるものだと。闘いであるからフィジカルの強さ、格闘技術が必要ですし、伝えるための表現力も必要だと思います。
 ただ一番大事なのは、何を伝えたいかという思いです。猪木は自分で言ったわけではありませんが、闘魂と言われます。引退セレモニーで「闘魂とは己に打ち勝つことそして闘いを通じて己の魂を磨いていくこと」と語りました。武藤敬司はプロレスLOVEと言い、試合のことは作品と呼びました。レスラーそれぞれの思いがあり、中にはお笑いというレスラーもいます。何でもよいのですが、確固たる信念が本物なのであり、本気で取り組むことが本物のプロレスなのだと思います。クラッシュギャルズは当時の女子プロレスを変えるという確固たる信念を持って闘いました。対する極悪同盟も賛同して、クラッシュを引き立てるために悪に徹したのではないかと思います。Sareeeは脈々と受け継がれてきたその思いを本物と感じ、今の女子プロレスは違うと感じ、行動しているのだと思います。
 ヒールは悪に徹するものという固定観念がある私たち古いプロレスファンからしてみても、上谷は中途半端、何がやりたいのか分からない、茶番ということになります。逆にメディアで上谷を観て、何の先入観もない人が、可愛い、面白いと感じて人気を博しているということではないでしょうか。
 なつぽいはSareeeと心友でもあります。アクトレスガールズでなつぽいのデビュー1周年記念試合としてSareeeとの対戦が計画されましたが、伊藤薫に受け身も取れないような選手と試合は組めないから道場に練習しに来いと言われました。同い年で気が合ったというのもあるでしょうが、厳しい練習に食らいついてくるなつぽいをSareeeも認めて、シングルが実現したのがきっかけでした。以降もアクトレスでの若手時代には、多くの全女レジェンドたちと接する機会があり、意外と全女イズムを継承しています。女優でアクトレスが原点でもあり、なつ&さおりー10周年記念興行では、目指す女子プロレス像がしっかりと伝わりました。
 昔から「道は違えど、目指すところは一つ」と言っていましたが、Sareeeの目指す本物のプロレスとは違うものの、なつぽいなりの本物のプロレスという確固たるものを持っています。おバカキャラですが、実はよく考えているし、頭の回転も早く表現力、発信力はピカイチです。10年以上応援し続けているので客観的な意見ではありませんが、上谷よりもなつぽいに断然賛同します。21日に札幌で、なつぽいが赤いベルトに挑戦しました。サオリンも逆指名を受けて初めは拒否していたものの白いベルトに挑戦しました。結果は2人とも残念な結果でしたが、ちょっとまだ機が熟していない気はしていました。2人とも前を向いているので、これからも頑張ってもらいたいです。変わらず応援しています。
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