Vol.52 新日両国、全日武道館


 今月は新日が20日に両国、全日が27日に武道館と、両メジャー団体がそれぞれホームグラウンドでビッグマッチを行いました。
 新日は、鈴木健三の試練5番勝負最終戦の対藤波戦以外は大会場としては異例のカード当日発表という形式でした。小川登場の噂や大仁田乱入予告などもあり、前人気は上々でした。実際のところはT2000と新日本隊の10対10シングル対決に落ち着きました。健介対蝶野、橋本対ノートンなど悪いカードではないのでしょうが、もっと別のものを期待していただけに、少し不満が残りました。カードを発表せずにチケットを売り出すのなら、期待してもらっていいと断言するのなら、誰もがあっと驚くようなカードを提供して欲しいと思います。試合には出なかったものの小川とそして猪木が登場し、大仁田も門前払いしたのは、私としては良かったと思いますが・・・。
 ともかく新日は相変わらずドラマ作りがうまいというのは感じました。蝶野と武藤の頂上対決に結果が出て、その後の動向が注目されていた黒い軍団ですが、武藤の復帰後の問題は残されていますが、T2000とnWoジャパン、犬軍団が合流し、両国の10対10に流れていきました。とりあえずT2000が勝利したわけですが、まだ本隊とT2000の抗争は続くでしょうし、武藤が今後どうするのかという謎も残されています。
 さらに猪木と小川が登場し、3.11力道山メモリアルでの小川と橋本のタッグ結成、4.7ドームでの決着戦へとつながる別のストーリーも示されました。金曜8時の生放送決定も明るい話題です。鈴木健三の負傷欠場は残念でしたが、ちょっと5番勝負の相手とまだ実力が違い過ぎるという気がします。体ができているだけで通用するほどプロレスは甘くはないので、もっとじっくり育てるべきではないでしょうか。急きょ代替カードとしてジュニアのタッグマッチが組まれましたが、もともと予定されていなかったのが残念なくらいの内容を見せてくれました。武藤が欠場していても穴が空いた気はしないし、新日の選手層の暑さを改めて感じました。
 新日とは違って一話完結型の全日ですが、今シリーズはそれなりのストーリーがありました。ベイダーとウイリアムスが強力タッグを結成し、世界タッグ王座を奪取。小橋&秋山はチーム解散問題を抱え、武道館の三冠戦は小橋対ウイリアムス、川田対ベイダーの結果待ちという状態で、結局、最後のクライマックスはベイダー対小橋の三冠戦ということになりました。
 さて、その武道館大会では、まず秋山がシングルマッチで三沢にフォール勝ちしました。続いて三冠ヘビー級選手権では小橋が遂に打倒ベイダーを果たし、新三冠王者となりました。試合後のインタビューでは、次の挑戦者に秋山を指名しました。
 相変わらず、2試合ともそこまでやるかという凄い試合でした。結果はバーニングの2人の勝利というハッピーエンドでした。ただあまりにハッピーエンド過ぎて、少し白けた感がありました。何せベイダーは強すぎますから、とてもまともに勝てる相手ではないような気がします。何か最近、強い者が無条件で勝つというのが見たいと思ってしまいます。