増刊号 Forever ”J”


 ジャンボ鶴田さんが亡くなりました。肝炎で引退はしたものの、引退セレモニーで挨拶した通りにアメリカで元気にスポーツ医学を学んでいるものとばかり思っていたので、突然の知らせに驚きました。結局、あの引退セレモニーで見た姿が最後になってしまいました。あの時は元気そうだったのに、病気の方は全快していなかったのですね。
 病気の後は体もすっかり細くなり、まったく全盛期の面影はなくなってしまいましたが、全盛期の鶴田は本当に強かったです。菊地を拷問コブラや超高角度のボディースラムでいじめていた姿が印象に残っています。あの勇姿は決して忘れることはないでしょう。
 鶴田こそ史上最強のレスラーという説がありますが、私もナチュラルな強さならジャンボ鶴田が文句なしにナンバー1だと思います。日本人離れした体格に人間離れしたスタミナとパワーを合わせ持ち、レスリングの実績も申し分ありませんでした。病気さえしなければ今でも現役だったかもしれませんし、全日本も今とは違う体制になっていたことでしょう。
 昨年の馬場さんに続き、本当に悲しい出来事が重なってしまいました。藤波も引退ロードがスタートし、馴染みのレスラーがどんどんリングから去って行きます。私たち昭和世代のファンにとっては寂しい限りです。 時代が違うといわれればそれまでですが、どうも今のプロレスは昔と比べて、面白くありません。鶴田らが見せてくれた良きプロレスを次の世代にも伝えて欲しいと思います。
 最後になりますが、ジャンボ鶴田さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
Vol.54 橋本引退問題、J−CUP、全日Cカーニバル

 引退を賭けた小川戦に敗れたことで引退問題が取りざたされている橋本ですが、その後の動きは、橋本が猪木と会談し、猪木は橋本の引退撤回を求め、UFO入りを進めました。その後、橋本は藤波とも対談。藤波も引退撤回を求めましたが、橋本は態度を保留しました。
 藤波は、新日の選手が打倒小川に名乗りを上げることを望む。そして誰もいなければ自分が対戦するとも発言しました。これで新日のレスラーが誰も小川に対戦要求をしなかったら、新日本も本当に終わりだなと思っていたので、ひとまず藤波の発言にはホッとしました。早速、福岡ドームで永田&中西組対小川&村上組が決まりました。楽しみなカードです。
 ファンとしてみれば橋本には引退して欲しくないと思います。しかし、引退を賭けると公言して負けたのですから、引退しなければ明らかにおかしいし、引退するべきです。
 橋本対小川戦はいい試合でした。橋本にしてみれば、すべてを賭けて再戦に臨むという気持ちだったのでしょうが、本当に引退することが責任を取ることになるのでしょうか。ファンはたとえ何年かかっても小川にリベンジすることを望んでいるはずです。もちろん、そう簡単にまた再戦を持ち出すべきではありませんが、プロレスファンはあの試合を見れば、引退を撤回したとしても多くの人が納得するでしょう。しかし、あれだけ公に負けたら引退と宣言したのですからプロレスファンの中で引退撤回反対の意見を持つ人やプロレスファンでない人も納得できるだけのことをして欲しいと思います。
 橋本の引退撤回に賛成しているのか反対しているのか分からない意見になってしまいましたが、この辺は本当に複雑な気持ちです。
 せっかくの素晴らしい闘いだった橋本対小川戦ですが、橋本が引退を持ち出したこと、そしてマスコミがそれをあおりたてたことで後味の悪いものになってしまったのが残念でなりません。藤波や坂口が橋本の引退を認めないというならば、試合前にもっとはっきり断言すべきです。テレビ朝日は橋本の引退を賭けた試合を目玉に生放送をしました。そんなものを認めるべきではなかった。試合の後でとやかく言うのは間違っています。猪木の橋本を引き留める発言にしても、次は長州という発言にしても、本当にレスラーは引退という言葉をもっと厳格に取り扱って欲しいです。プロレス・ファンもレスラーの甘えをこれ以上認めるべきではないと思います。
 話しは変わりますが、第3回のスーパーJ−CUPを見に行って来ました。このイベントは本当に素晴らしいです。全日本と大阪プロレスが出なかったのが残念ですが、夢のカードが満載でした。ジュニアは難しいことを何も考えずに楽しめるのが魅力です。
 結局、ライガーが優勝して底力を見せたわけですが、準優勝となったCIMAの活躍も素晴らしかったし、浜田や佐野のベテラン。怨霊などのインディーの選手、外人レスラーも頑張りました。このイベントは是非またやってもらいたいと思います。
 早速、CIMAらクレイジーMAXの新日福岡ドーム大会出場が決まりました。この後、恒例のトップ・オブ・ザ・スーパージュニアもあるので、ここにも参戦という流れが予想出来ます。さすが新日はおいしいものは見逃さないという感じですが、楽しみであることに変わりはありません。
 話しはまた変わって、全日チャンピオン・カーニバルについてです。今年はトーナメント形式となりました。全日の試合を見ていると、確かに総当たりでは相当な負担がかかってしまうのは分かりますが、やはりチャンピオン・カーニバルは総当たりでやってもらいたいという気がします。
 大森が秋山を秒殺し、さらにはウイリアムスにも勝利して決勝進出。そしてもう一方では、川田、ベイダーを連覇した三沢を破った小橋が決勝に進出しました。三沢は組み合わせがあまりのもきつかったと思います。
 いつの間にか四天王時代は終わり、三沢、川田、田上の旧四天王と小橋、秋山に大森らを加えた新世代のレスラーたちのせめぎ合いといった趣になっています。先シリーズの秋山に続き、小橋も三沢に勝利し、今は新世代が旧世代を押している感じですが、三沢や川田はこのままでは終わらないでしょうし、しばらく両世代間の戦いが続くのではないかと思います。
 そして迎えた武道館ですが、どうも個人的には大森はまだまだ任せられないという気がして、大森が決勝まで進出した時点で興味が半減しいぇいました。試合でも、どんなに大森が責めていても、まったく小橋が危ないとは感じませんでした。しかし、場内の大森に対する声援は凄かったし、盛り上がりも凄かったです。確実に時代は変わっているのだなあという感じです。