増刊号 新日本はもう終わり、1.4ドームは最低


 新日1.4ドーム大会は最低でした。頭に来たとか、腹が立ったというより、もうあきれてしまいました。これで新日本には完全に愛想が尽きました。新世紀の幕開けからこんなことになってしまって本当に残念です。
 最近の新日本の姿勢には納得いかないものがありました。今回のドームにしても、目玉のIWGP王者決定トーナメントは、何か顔見せ的な感じがして、あまり興味が持てませんでした。そして何故、中西が出ないのだろうと思っていたら、復帰する長州とタッグ結成というのがもう1つの目玉となり、長州の復帰など認める気はありませんから、こちらも興味なし。毎年恒例だから取りあえず行っておこうかという程度でしたが、そこへ長州対橋本決定で俄然、注目が高まりました。この2人の闘いには意味があると思えました。しかし、その試合がまったくわけの分からない両者レフリーストップなどという決着では、あきれて物も言えません。結局、新日本は何も分かっていないんだなという感じです。
 それなりに見所はありました。第1試合の小島対健介戦は、小島の執拗な右腕攻撃で説得力のある試合でした。小島もその気になればできるじゃないかと思いました。川田と天山の初対決も新鮮で、魅力がありました。スキンヘッドで登場した武藤とヘビー級に変身した大谷のコンビは、中西とライガーをまったく寄せ付けず、インパクトを残しました。
 しかし、肝心の長州対橋本が不透明決着では、すべてがぶち壊しです。延々と真っ向からの殴り合い、蹴り合いをしていましたが、突然、タイガー服部が試合を止めるようなジェスチャーをし、藤波が「殺し合いをやっているわけじゃない」と叫び、わけが分からないうちに試合が終わってしまいました。全然、殺し合いをしているようには見えませんでした。本当に殺し合いをしろとは言いませんが、今の新日本には、殺し合うくらいの気持ちで闘うのを見せろと言いたいです。せっかく意味のある闘いが見れると思ったら、結局、またもわけの分からない茶番劇を見せられました。ブーイングの嵐の中、平然と次ぎの試合に進めようとする態度にはあきれ返りました。ファンをなめるのもいいかげんにしろと思います。
 メインのIWGP王者決定戦など、もう見る気はしませんでした。川田が勝っちゃえばいいのにと思いましたが、結局、健介が雪辱してめでたしめでたしというお粗末ぶり。新日本はもう終わりです。
Vol.62 PRIDE12とNOAH有明、そして21世紀のプロレスは

 12月9日に武道館で全日最強タッグ優勝戦が行われました。馬場さんも、鶴田もいない。三沢も小橋もいない。そしてハンセンもいない。客席も空席が目立ちました。寂しいです。いつもは全日の最強タッグが終わると今年も1年終わったなあとしみじみとした感じになるのですが、今回は何だかものすごく寂しくなりました。このところプロレスが面白くないし、このページでもぼやいてばかりいるような気がします。時代は変わっていくのについていけないという感じです。
 しかし、ぼやいてばかりもいられません。最強タッグの後にもビッグマッチがありました。23日のPRIDE12とノアの有明大会です。PRIDEがプロレスか格闘技かというのは意見が分かれるところでしょうが、私はそもそもプロレスこそが総合格闘技だと思っていますから、プロレスだ格闘技だと分けて考えるのがおかしいと思っています。少なくとも最近の真の闘いがないプロレスと比べて、PRIDEは私が求めているプロレスに一番近い気がします。桜庭が東スポのプロレス大賞MVPを取りましたが、当然の結果だと思います。
 その桜庭はハイアン・グレイシーと対戦。ハイアンの負傷で試合時間が短縮されたこともあり、判定決着となりましたが、勝利しました。藤田も判定ながらアイブルに勝利し、プロレスを1年間プロレスを守ってきた2人が最後も結果を出してくれました。
 しかし、判定決着はやはり面白くありません。膠着状態のつまらなさや、進行の悪さなどPRIDEシリーズにはまだまだ問題点もあるようです。
 ノアの有明大会はノア初のビックマッチ、旗揚げ半年間の集大成ということで小橋対秋山、三沢対ベイダーという最高のカードで勝負しました。しかし、やはり注目は橋本の参戦に集まってしまいました。
 個人的には橋本がノアに出るのは違うんじゃないかという気がします。橋本は小川に負けて引退を宣言した男です。決して三沢や小橋と同格どころではなく、嘘つきで弱い男です。理想のプロレスとか夢の対決とか言う前にもっとやるべきことがあるのではないかと思います。
 橋本は大森に勝利しました。まあ当然の結果でしょう。ノアに出た以上は小橋、三沢とやってもらいたいと思います。小橋は秋山に勝利。秋山のこの1年の充実ぶりには目を見張るものがありましたが、やはりまだ小橋の牙城は崩せませんでした。
 そして年末年始にかけてビッグマッチは続きます。大晦日には大阪ドームで猪木イベントが行われます。PRIDEの選手がプロレス・ルールで試合をする。橋本や新日本の選手も参加するという画期的なイベントです。猪木の最近のプロレスに対する批判には私もまったく同感で、このイベントにはとても期待しています。
 年明けには新日、全日の東京ドーム2連戦があります。1.4新日のドームは川田も参加するIWGP王座決定トーナメントが目玉でした。確かに一夜で豪華カードが何試合も見れるかもしれませんが、6人という半端な人数でのトーナメントでは、試合に臨む各選手のコンディションに差が出て、つまり結果に言い訳ができてしまうということで、あまり興味をそそられませんでした。中西が参加しないのも絶対におかしいと思います。その中西が正式に復帰する長州とタッグを組むというのがもう1つの目玉でしたが、長州の復帰は認めてませんから、私にはまったく興味なしでした。
 ところが、長州対橋本が決まってしまいました。1度やめた人間と、やめると宣言してやめなかった人間の闘いなどどうでもいいと言いたいところですが、この試合には正直言って引かれました。少なくとも長州が大仁田とやるより、橋本がノアに出るより、意義のある闘いだと思います。最近の新日本がつまらないのは長州−永島というレスラーでない男たちが牛耳っているからです。対するレスラーもそれに甘んじているし、中には長州の復帰を歓迎するようなコメントを出しているレスラーもいるという状況です。橋本の新日批判は納得できます。リングの上でお互いの主張をぶつけ合うのは大いに結構です。橋本が長州体制をぶち破り、今後の新日本がいい方向に向かってくれればと思います。
 1.28全日ドームは天龍対川田の三冠戦がメインです。新日との対抗戦ではなく、全日本同志の三冠戦というのは全日の意地でしょう。意地を張るのはいいことだと思います。そして、スタン・ハンセンの引退セレモニーがあります。近年のハンセンには衰えを感じていましたが、あんなに強かったハンセンが引退してしまうというのは本当にショックですし、残念です。とにかく最後のハンセンをしかっり見届けたいと思います。レスラーの引退ほど信用できないものはありませんが、ハンセンに限っては信用しています。他にも大仁田の参戦が話題を集めていますが、私は反対です。この試合は喫煙タイムにしようと思っています。
 20世紀末から21世紀に向けて、プロレス界も大きく変わりつつあるという気がします。最近の変わり方は、私には良くなっているとは思えませんでした。新しい年とともにプロレスがいい方向に向かってくれることを期待したいし、そうなるように応援していきたいと思います。