Vol.68 真撃!


 新日&全日の武道館2連戦は、久し振りにプロレスを楽しめました。やはりメインというのは重要なもので武藤対天龍の三冠戦が素晴らしかったことで、全体的な印象が良くなったのだと思います。
 もう1つのメインである藤田対永田のIWGP戦も良かったです。純プロレスだろうが、格闘プロレスだろうが、そんなことはどうでもいいことです。スタイルにとらわれないのがプロレスの良さですから。心と心の闘いがあって、見せるべきものがあれば、面白いのです。
 前座からメインに向けて、徐々に期待と雰囲気が盛り上がっていく感じもプロレスの良さです。最近はメインの前にあきれてしまって観る気をなくすというようなひどい興行も多々あったのですが、今回はこのプロレスの良さを堪能出来るいい興行でした。
 新日本という会社にはいまだに不信感がありますが、やはり新日本のレスラーたちはいいレスラーだなというのを改めて感じました。だから新日本の選手が出場する全日の武道館が今、一番面白いと思います。7.14に全日武道館が楽しみです。
 武道館2連戦から1週間後、真撃の大阪城ホール大会がありました。真撃というのはZERO−ONEの格闘技部門ということでしたが、実際のところは通常のZERO−ONEの興行との違いがよく分かりません。 内部的な話しでは、真撃はZERO−ONEの自主興行ではなく、イベント会社がしきっており、売り興行となっているという違いがあります。そのイベント会社は大阪ドームでの猪木祭りをしきった会社だそうで、PRIDEのプロレス版のような感じを目指しているのかも知れません。ただ、ファンにとっては、そんなことはどうでもいいことで、試合が面白ければいいのです。
 さて、真撃には、ノア勢の参戦がなく、目玉である小川の相手も二転三転してなかなか決まらず、結局、藤原というあまりインパクトのない選手に決まりました。無名のアメリカ人レスラーを発掘してきたものの当初発表した選手の来日がキャンセルされるなど、前途多難な感じでした。
 蓋を開けてみれば、客席それなりに埋まり、内容の方も良かったと伝え聞きます。橋本の対戦相手は、元グリーンベレーという大変怪しい経歴の持ち主でしたが、このトム・ハワードの評価が高く、試合も良かったと伝えられています。最近、あっと驚くような外人レスラーがなかなか現れませんから、ハワードが本当に噂通りの力を持っているのなら、期待したいと思います。
 山本の乱入も痛快な出来事でした。一時は小川対山本戦が決まるかという雰囲気になったものの、結局は流れてしまったという状況で、まさか山本の乱入などということになるとは思いもしませんでした。してやられたという感じです。こうした乱入、乱闘はプロレスの胡散臭さであると同時にプロレスに魅力でもあります。ZERO−ONEの乱入、乱闘は昔の熱かった頃の新日本のようで、賛否両論あるかもしれませんが、私は好きです。
 橋本が目指しているのはスキャンダラスで、胡散臭くて、面白くて、強い、昔の新日本、つまり猪木プロレスなのではないでしょうか。新日本を離れ、橋本がこれまでやってきた手腕は高く評価します。あとはレスラーとして、しっかりと結果を出してくれれば、引退撤回を認めてやってもいいかなと思っています。まだ認めてまでんけど。
 今後は新日本と距離を置き、再びノアとの交流を目指すということでしたが、その姿勢には賛成です。いつまでも首になった新日本と関わるのはおかしいし、ノアとの対戦は予告編だけ見せられて期待が膨らんでいる状態ですから、何としても完結してもらわなければ困ります。8.30武道館の真撃第2勝に期待したいと思います。
 ノアはGHCのヘビーとジュニアの王者が決まり、着実に体制を整えてきました。7.27遂に武道館に初進出します。これも楽しみです。
 新日本は札幌ドームでのビッグマッチ、夏の本場所G1が控えています。これまでG1は欠かさず観てきましたが、最近の新日本の体たらくぶりに、今年は観に行くのを止めようかとも思いましたが、この間の武道館で、とりあえず観てみようという気になりました。
 最近、つまらなくてしょうがなかったプロレスに少し光が見えてきました。この夏のビッグマッチで期待通りの闘いを見せてくれることを願います。