Vol.80 ワールドカップの裏のプロレス界


 6月は、世間はワールドカップで盛り上がっていたようですが、サッカーにまったく興味のない私には、どこもかしこもワールドカップで、つまらない1ケ月でした。さて、プロレス界はというと。
 7日に新日の武道館大会がありました。カードの出し惜しみはしていませんが、これといって見たいというカードはありませんでした。新日には本当に華のある選手がいなくなってしまいました。それでも、暇だったこともあり、DDTやアルシオンの提供試合に少し興味を引かれ、1番安い席で観に行ってきました。
 このカードでは予想した通りでしたが、客席はガラガラでした。新日のメールマガジンでは観衆9千人、ワールドカップ中なのに大勢集まってくれたということですが、実態は5千人ほどじゃないでしょうか。ドーム、ドームと騒ぐ前に武道館、両国を一杯にすることを目標にした方がいいと思います。
 IWGP戦が永田と健介では、どちらでもいいという感じです。状況から考えると永田かなという気はしていましたが、予想通りになりました。永田よりはまだ中西の方がエースの資質を持っていると思うのですが、セミで高山に敗れ、パッとしませんでした。蝶野&ノートン対棚橋&健想のマッチメークはないでしょう。ルッテンはいい選手だと思います。格闘プロレスとか純プロレスとか関係ないです。いいレスラーがいい試合を見せてくれればいいのです。安田は昨年末にせっかく大ブレークしたのに、今や遅刻キャラだかなんだか知りませんが、わずか半年ですっかり色あせてしまいました。もったいないと思います。
 少し期待していたDDTも、それほどのものではなく、DDTファンが多数来ていたようで、それなりに盛り上がっていましたが、私はついていけませんでした。アルシオンはドームの全女ほどではありませんでしたが、いい試合で、藤田愛やbaby−aの空中戦には驚かされました。最近は女子の方が面白く感じてしまいます。
 新日関連の話題では、夏の本場所G1の出場メンバーが決定しました。吉江、棚橋、健想がすんなり出てしまうなんて、何とも寂しいメンバーです。G1も十年以上が経ち、すっかり色あせてしまいました。噂されていたPRIDEとのバッティングはなくなったようですが、これではチケットも売れないんひゃないでしょうか。
 健介が棚橋、健想、ブルー・ウルフと新ユニットを結成しましたが、パッとしません。21日の後楽園大会の観衆は1257人でした。これは本当に危機的状況です。新日本にはもっと危機感を持って、しっかりしてもらわなければ困ります。
 全日は長いオフでした。それでもいくつか話題がありました。小島が人気ブランドAPEとコラボレートして興行をプロデュースし、大成功しました。企画自体が新しい試みでしたが、試合の方も宇野薫に、ニセ・カシンやAPEMAといったマスクマンなどが登場し、面白そうでした。
 武藤、小島、ケア、カズ・ハヤシ、カシンの海外遠征もありました。カシンはAAAでもやりたい放題でいい味を出していたようです。新しいムタもインパクトを残しました。是非観てみたいです。小島がハンセンにラリアートを伝授されたというのも興味深い話題でした。
 話しは変わりますが、12日には大阪プロレスの後楽園大会があり、観に行って来ました。かなりの盛況で、えべっさん、くいしんぼう仮面、タイガースマスクといった楽しいプロレスが満喫できました。逆にメインで登場したデルフィン&デメキンがシリアスと楽しさの中途半端という感じでした。ヒール軍団もマイクアピールなどして、悪という感じが中途半端でした。ベビーフェースとヒールはもっとはっきりさせた方が全体的に分かりやすくていいのではないかと思います。今後は東京興行を増やしていくということなので、期待したいと思います。
 7月に入ると全日のシリーズが再開します。7月20日にはファン投票によるカード決定で30周年記念第1弾の武道館大会があります。私としてはマスカラス・ブラザースの来日が非常に楽しみです。