Vol.81 夏だ!プロレスだ!


 ワールドカップも終わり、夏がやって来ました。プロレス界も動き出しました。ワールドカップに負けないくらいの話題を集めてもらいたいものです。
 7月7日にはZERO−ONEの両国大会がありました。ZERO−ONEは新日、ノアと交流せず、独自路線で、面白そうなことをやっており、そして、やはり小川が、存在感と資質で今、ナンバーワンのプロレスラーだと思うので、観に行きたかったのですが、残念ながら都合がつきませんでした。メインはその小川がプレデターに金網デスマッチで勝利しました。プレデターのチェーン攻撃に小川が苦しめられ、一度はプレデターが正統派ファイトを宣言するも裏切られ、またも小川がチェーンの餌食になるという因縁ストーリーの完結編でした。試合後は橋本と外人軍団が加わり乱闘となり、OH砲が再結束、外人軍団狩りを宣言しました。一方、橋本は元極真の小笠原と対戦。小笠原は星川、高岩らを撃破してようやく辿り着いた橋本戦で、結局、橋本が勝利しましたが、お互いを認め合い握手で終わるという結末でした。どちらのプロレスも最近にはないドラマ性がありました。昔の新日のような連続ドラマがZERO−ONEの魅力です。旗揚げの当初、真撃などをやっていた頃は、橋本は引退宣言を撤回し、新日を辞めて、何をやりたいのか分かりませんでしたが、ようやくZERO−ONEの方向性が見えて来ました。橋本が一ファンとして憧れていた頃のプロレス、それがZERO−ONEだと思います。私にとっても輝いていた頃のプロレスで、今のZERO−ONEの方向性は大歓迎です。そしてZERO−ONEには大谷という熱い男もいます。火祭りリーグ戦は新日のG1よりも魅力があります。ZERO−ONEの今後に注目です。
 ZERO−ONE両国大会の前日には、全女の大田区大会を観に行って来ました。半年振りの観戦で、前半でジュニア王座決定リーグ戦が行われましたが、ほとんどの選手を知りませんでした。それでもジュニアのリーグ戦3試合は、フレッシュでどれもいい試合でした。一方で、アルシオンとの対抗戦で阿部四郎レフリーが復活するという懐かしすぎる試合もありました。阿部四郎はアルシオンに味方し、高速カウントで一度は試合を終わらせたものの、堀田に連れ戻されると何故か再試合を認め、今度は全女に味方し、高速カウントで納見に勝利をもたらしました。全体的にドタバタしすぎで、訳が分からず、イマイチでした。久しぶりに観た納見は随分たくましくなったなと感じました。セミは貴子&風間対ナナモモのWWWAタッグ戦でした。BJの反則で試合が荒れすぎ、中西も負傷で、万全の状態ではなく、熱戦ではありましたが、長すぎる感じがしてイマイチでした。メインの豊田対伊藤のWWWAシングル戦も、熱戦ではありましたが、イマイチの感じがしました。それは試合後の豊田の突然の全女退団宣言で納得させられることとなりました。新日のドームでのタッグマッチで、全女のクオリティーの高さを再認識しましたが、今回は全体的にイマイチでした。まだまだ豊田や貴子に頑張って欲しかったのに結果は逆になってしまったというのも影響しているかもしれなせんが。
 20日には全日の30周年第1弾、武道館大会がありました。 川田が不在なのが寂しいですが、武藤が1日3変化で話題を独占しました。まず黒師無双で登場し、小さな武藤といった面もちのカズ・ハヤシを一蹴しました。 この試合は良かったと思いますが、ハヤシは武藤の真似ばかりしていないで、もっとオリジナリティーを出した方がいいと思います。素顔の武藤はマスカラス兄弟と夢のトリオを結成しました。マスカラス兄弟の来日が今回のもう一つの楽しみでした。入場テーマの「スカイハイ」が流れただけで感動ものでした。マスカラスはもう60歳くらいだと思うのですが、さすがに肉体に衰えはあるものの何とか逆三角形の体型を維持しており、マスクで素顔が見えないこともあり、相変わらず格好良かったです。Wフライング・クロス・アタックは、ドス・カラスとだけでなく、武藤との連携も見せてくれました。対戦相手となったブッチャーがベビーフェイス志向なのにはがっかりします。いつまでもヒールを貫いて欲しかったです。最後はムタとして愚零斗狐士と対戦しました。アメリカ・マットに登場した新生ムタのニュースを聞いて、是非見たいと思っていましたが、ムタの名勝負ってまったくないんですよね。ましてや相手が何の意義もない小島の化身では内容は期待できないと思っていました。予想通り、前半、狐士が攻めていた場面では失笑が漏れるほどでした。ムタがラフで攻めに転じてからは少しましになりましたが、ムタが狐士の顔面をかきむしりペイントをはがしてしまったこともあって、もはや狐士ではなく、まるきりの小島になってしまいました。その時点でもう結果は明かでした。まったく役者が違うという感じでした。メインでは太陽ケアが天龍にフォール勝ちするという波乱もありました。
 話しは変わりますが、先日、亡くなられた荒井昌一さんの「倒産!FMW」を読みました。復帰後の大仁田はもともと認められないし、大嫌いでしたが、この本を読んで感じたのは、FMWは大仁田が潰したようなもの、荒井三は大仁田が殺したようなものということでした。今だに大仁田を応援している人はこの本を読んでどう感じたのか訊いてみたい気がします。
 さて、8月もビッグイベントが続きます。ZERO−ONEの火祭りと新日のG1の2つのリーグ戦。メンバー的にも火祭りの方が楽しみです。G1は本当に魅力が色あせてしまいました。安田が出るのはいいと思いますが、入れ替え戦とか、UFOとのかけ持ちとか、ゴタゴタを抱えているのが気に入りません。
 格闘技もUFOの東京ドーム大会に、国立競技場でのDinamaiteという2大決戦があります。UFOはカード的に苦戦するのではないかと思います。無理に格闘技にこだわりすぎな気もします。何とか成功して欲しいとは思いますが。桜庭は何としてもミルコを止めてもらいたいし、吉田とホイスもどんな試合になるのか興味があります。
 新日と全日の武道館戦争もあります。新日が藤田プロデュース、全日が武藤&天龍プロデュースの2連戦です。今の状況では新日は惨敗するのではないかと思います。私も国立と全日の連戦はチケットを買っていますが、さらに続けて新日までというのは今のところ考えていません。なにも維持を張って興行戦争をしなくてもいいのではないかと思うのですが。とにかくどの興行も素晴らしい試合をして、プロレス界を盛り上げて欲しいと思います。