Vol.88 全日vsZERO−ONE開戦


 武藤が全日の選手スタッフを引き連れ、総勢47名でZERO−ONEのディファ有明大会に乗り込みました。残念ながら観に行きませんでしたから新聞、雑誌で知りましたが、ひさしぶりにプロレスらしい、面白い、ワクワクする出来事でした。Wー1ではすっかり株を下げてしまった武藤でしたが、今回のパフォーマンスはさすがでした。これがプロレスの演出です。これを待っていました。
 対する橋本ですが、負けたら引退を撤回してZERO−ONEを旗揚げして以来、小川と三沢の対決を実現させるなど最初はプロデューサーとして力は発揮しましたが、その後はノアにそっぽを向かれ、引退撤回を納得させるような活躍は示していませんでした。しかし、ZERO−ONEは着実に力をつけていました。そして橋本自身もレスラーとしての存在感を示すようになってきました。2度のW−1で圧倒的な存在感を放っていたのが橋本でした。最近の活躍は十分に認められます。
 こうして2.23全日武道館でのムタ対橋本の三冠戦へとつながっていったわけですが、その前に別の話題に触れておきます。大阪プロレスの大阪城ホール大会です。こちらも観には行っていませんが、「本当のファンタジーは大阪プロレスにある」など大成功、大絶賛の大会でした。大阪プロレスは東京興行や大阪の小会場では何度か観ているので、その楽しさ素晴らしさは十分に分かっています。楽しいけれど真剣で、本当にこれがファンタジー・プロレスだと思います。
 もう1つ別の話題です。カードもパッとせず、あまり話題にもなりませんでしたが、2.16新日両国大会は一応ビッグマッチでした。暇だったので観に行きましたが、そこそこ面白かったです。安心してプロレスを見られたという感じです。客入りもまあまあでした。新日はそんな団体ではなかったはずではありますが・・・。
 復帰の棚橋対中西。西村とカレーマンの超異色対決。飯塚と魔界5号こと長井との遺恨タッグ戦。村上対話題のルーキー中邑。エンセンが加入して星野総裁を犬小屋に押し込めたクレイジー・ドックス。再編成されたジュニアのイルミネーションマッチ。ドルゴスレン3兄弟の揃い踏みとすべての試合がそれなりに面白くいい試合でした。セミのIWGPタッグ戦は、天山の負傷もあって王座組が苦戦ましたが、満足できる内容でした。結局メインとなったNWF戦は、やはり柳澤の役不足で凡戦でした。IWGP王者の永田はブルーウルフと組み、セミ前でバーネット&サタンと対戦しましたが、エアポケットになったような感じでまったく盛り上がりませんでした。これが新日の現状でしょう。
 さて、本題の2.23全日武道館です。昨年末の最強タッグ最終戦は本当に寂しい入りでしたが、この日はほぼ満員でした。爆発的とまではいきませんでしたが、対抗戦効果で盛り上がっていました。
 まずはセミファイナルの全日対ZERO−ONEの8人タッグですが、いきなりカシンが別方向から登場し、乱戦のスタート。最後は小島がラリアートで雀をフォールするという順当な結果でしたが、それぞれが持ち味を出して、対抗戦らしい緊張感もあり、いい試合でした。
 メインの三冠戦は、ムタというキャラクターが対抗戦にはまったく向かないですし、そもそもムタとしてはほとんど名勝負がないという現実もありますが、なかなかいい試合だったと思います。橋本を流血させて、ムタの残忍さも出ていましたし、ムタのシャイニングウイザードに対抗して橋本の逆シャイニングウイザード、ムタのムーンサルト、橋本の垂直落下DDTと技も出ていました。橋本が三冠を取ったことで対抗戦も盛り上がっていくと思います。やはり最後は川田と小川にも絡んで欲しいと思います。
 3月はビッグマッチが目白押しです。1日にはWJの旗揚げ戦とノアの武道館がバッティングです。WJは豪華な顔ぶれ、豪華なカードが並びましたが、同時に今さらな顔ぶれ、カードでもあります。何の驚きも、期待もありません。むしろ三沢対小橋一本で勝負するノアに興味が引かれます。ノアの方を観に行きます。ちなみにK−1MAXもバッティングしています。
 2日にはZERO−ONEの2周年両国大会があります。武藤&嵐組というのがちょっとという気はしますが、高山に小川が参戦。ノアと全日が同時に出場。ガファリ、プレデターら外人レスラーも注目で、チケットも売れているようです。私が2月中旬に買いに行ったときは4千円のチケットは売り切れていましたが、やはり観たいと思わせる興行だったので6千円の席を買いました。
 16日には森下社長の自殺で危機説が流れているPRIDE25があります。ノゲイラとヒョードルのヘビー級タイトルマッチの楽しみですし、復帰する桜庭にも期待します。
 30日にはK−1のさいたまスーパーアリーナ大会です。サップ対ミルコで大人気になっているようです。石井館長の脱税で危機感を持っているのかもしれませんが、最高のカードを発表してチケットを発売するというやり方は非常に好感が持てます。プロレス界も是非、見習って欲しいと思います。プロレスも非常に危機的な状態にあるのですから。