Vol.89 3月のビッグマッチ


 3月はビッグマッチの連発でした。まず興行合戦となった1日ですが、私は迷わずノアの武道館を選びました。何といっても三沢対小橋の一本で勝負したところが素晴らしいです。客入り、盛り上がりともに最高でした。今、同団体内の対戦の一枚看板で武道館クラスを満杯にできるのは、このカードしかないのではないでしょうか。その分、他の試合は、まあまあといレベルでしたが、三沢対小橋は、ただ凄いの一言でした。花道から場外に投げ捨てたタイガースープレックス、タイガードライバー、フルネルソンスープレックス、垂直落下ブレーンバスター、大技の数々をことごとく返し、エルボー、ラリアートも何発打ったことか。30分を超える攻防の末、小橋がバーニングハンマーで勝ち、GHCヘビー級王座を奪取しました。「今日はたくさんの試合がある中、ノアの試合に足を運んでくれてありがとう」という小橋の言葉に起こったノア・コール。私もノアを選択したことは正解だったと思いました。
 K−1MAXはテレビで観戦しましたが、判定ばかりで、まったく面白くありませんでした。個人的に魔裟斗は好きではないので、結果にも不満でした。
 WJの旗揚げ戦は、新聞、雑誌の報道で見ただけですが、これといって真新しいものはなかったようで、実際に観た人の評判もあまり良くまいようです。天龍、長州が続けて欠場し、6連戦は途中で打ち切りという前途多難な出発でした。
 続く2日はZERO−ONEの2周年記念国技館大会でした。ZERO−ONEには興味を引かれており、ずっと観に行きたいと思っていたのですが、なかなか都合が合わず、1年振りの観戦になってしまいました。チケットが売れているようだったので、もっと入るかと思いましたが、そこそこの入りでした。盛り上がりは良かったです。
 ZERO−ONEは、三冠王座も奪取し、橋本が確固たるエースとして君臨しているのがいいです。複数のスターなどいりません。1人のスーパースターがいればいいのです。橋本は猪木や馬場のようなスーパースターと呼べる域には達していませんが、最近の充実ぶりは認められます。若手も大型で個性的で魅力のある選手が揃っていました。外人レスラーもいいです。日本人対外人が面白いのもいいところです。
 対抗戦は、まずジュニアの6人タッグですが、カシンが本当にいい味を出していました。メインの橋本&大谷対武藤&嵐は、いい試合でしたが、やはり嵐というのが、全日の武道館での頑張りなどで大分認められてはいましたが、このメンバーではちょっとという気がしました。
 セミの小川対ハワードも良かったですが、やはり小川にはそろそろ大舞台に立って欲しいところです。高山とプレデターの絡みもなかなか良かったです。ガファリもいい味を出してました。ノアとの対抗戦もあり、全日とノアが同じリングに立ったというのはZERO−ONEならではです。テングカイザーはイマイチでした。
 そしてこの日のハイライトはメイン終了後の乱闘でした。旗揚げ戦の乱闘を思わせるような面白い乱闘でした。まず小島が乱入し、大谷は橋本を襲撃。次々と選手がリングに上がり、小川と高山が、小川と小島がやり合いました。小川はマイクで小島を名指しし、またも次の展開に期待させるエンディングとなりました。一度、絡んだ以上は是非、小川にも全日との対抗戦に入ってきてもらいたいものです。小川対高山なんてカードも実に魅力的です。
 16日にはPRIDE横浜アリーナ大会がありました。これも観に行けませんでしたが、超満員、最高の盛り上がりだったようです。テレビで見ましたが、ノゲイラ対ヒョードルは凄かったです。予想外でしたが、ノゲイラがヒョードルに圧倒されました。普段なら判定決着は面白くないと思いますが、今回は何とか耐えたノゲイラが立派だと思います。もちろんヒョードルも素晴らしかったです。逆に桜庭は完全にエース脱落でした。内容で圧倒していようと、不運なバッティングだろうと、関係ありません。負けたという結果がすべてです。もう過去の栄光の貯金は使い果たしてしまいました。桜庭をはじめ日本人選手がだらしないという問題はありますが、森下社長の自殺で存続の危機が噂されたPRIDEですが、この大会を見た限りでは大丈夫な気がします。
 30日にはK−1の大一番、サップ対ミルコがあります。これも大注目です。そして4月もビッグマッチが続きます。全日の武道館では遂に川田が復帰します。ノアの有明コロシアムもあります。そんな中、開催が予定されていたW−1が延期されました。あんなものをテレビ中継されて、またプロレスが誤解されるのは悲しいですから、このまま中止になって欲しいと思います。武藤がやるべきなのはあんなものではありません。そして5月の新日ドーム大会です。生まれ変わるといっていますが、中途半端なカードを見た限りでは、あまり期待できそうにありません。