Vol.96 相変わらずビッグマッチはあるけれど


 10月もビッグマッチはいろいろとありました。しかし、プロレス界の盛り上がりは、やはりイマイチだったと思います。何といってもプロレス界を引っ張るべき新日本が何をやりたいのかさっぱり分からない状況で、10.13東京ドームも史上最低の観客動員、まったく盛り上がらなかったことが最大の原因でしょう。
 PRIDEでは統括本部長の高田が張り切っているようですが、ミルコ対ドス・カラスJrという異色のカードがあり、ほんの少しだけドスに期待したのですが、結果は秒殺のKO負けで、またもプロレスラーがミルコに敗れました。ミルコはノゲイラとの対戦が決まり、これは非常に楽しみなカードですが、プロレスラーがリベンジする気配はまったくありません。
 悲しいニュースもありました。暴走戦士ロード・ウォリアーズとして大旋風を巻き起こしたホークが急逝しました。筋骨隆々で、見るからに凄くて強いプロレスラーだったホークが45歳という若さで亡くなったことは非常にショックな出来事でした。古き良き時代のプロレスがどんどんなくなっていくようです。
 ノアは安定したプロレスを見せてはいますが、11.1武道館大会は小橋対小川のGHCヘビー級選手権では注目度もイマイチです。11.2にはサスケ対デルフィンという信じられない大一番があります。試合として成立するのだろうかという不安はありますが、すべての因縁を乗り越えて、今後のプロレス界のためになるような試合をして欲しいと思います。
 格闘技界も、K−1のグランプリも開幕しましたが、ホースト、バンナが負傷で欠場。注目のサップとボタはともに反則負け、残ったベスト8のメンバーは、世代交代なのかもしれませんが、何だか寂しい気がします。PRIDEのミドル級GPが迫っていますが、吉田対シウバでは、どちらにも感情移入できません。
 独自路線で頑張っているのが、橋本率いるZERO−ONEと武藤率いる全日です。ZERO−ONEの方は橋本の負傷もあり、停滞気味でしたが、10.26全日の武道館大会がありました。
 脱王道を目指して、いろいろと試行錯誤しているようですが、何でも変ればいいというものではありません。第1試合で平井がクラッシャー・バンバン・ヒライとして登場し、奥村が阪神の帽子を被って六甲おろしに乗って登場することが、新しいことなら、古いままの方が余程いいと思います。
 カシン対ワグナーJr、シルバーキング対Low−kiはそれなりにいい試合でしたが、世界タッグ戦はとても選手権レベルの試合ではありませんでした。評判の良かったはずの新外国人コンビはまったく駄目で、それ以上に嵐が駄目でした。武藤がムーンサルトを出し、何とか締めましたが、グダグダの凡戦で、すっかりだれてしまいました。
 佐山タイガーが見れるというのは本当に夢のようなことですが、あの体にあの動きであれば、むしろ見せないで欲しかったという感じです。
 そうなると王道を守るというメインの三冠王者、川田の方に期待しますが、相手はオープンフィンガーグローブを着けたドン・フライとここにも変化が見られました。試合内容の方もイマイチでした。試合後に橋本が登場し、ようやく決着戦ムードとなってきましたが、川田のマイクは多様し過ぎで、もうすっかりインパクトがなくなってしまいました。
 11.3新日の横浜アリーナにも、まったく魅力を感じません。何かプロレス界が盛り上がるような画期的なことはないものでしょうか?