Vol.97 ビッグマッチ3連発、格闘技大攻勢


 11月もいきなりビッグマッチの3連戦でした。入院していたという個人的な事情で、どれも観に行けず、すべてテレビや雑誌の情報しかありませんが・・・。
 まず1日のノア武道館ですが、4大タイトルマッチとはいえ、カード的には少し寂しかったかなという気がします。GHCヘビー級戦の小橋の相手は小川で、それなりに興味深い相手ではありましたが、三沢や秋山に比べたら劣る相手です。GHCジュニアタッグの丸藤&KENTAの相手はフービー&マルビンの外人コンビでしたが、実力はなかなかのものだったようです。GHCジュニアの杉浦は、新日の外道と対戦。大荒れの試合でした。WLM世界ヘビー級選手権は森嶋対ヨネでしたが、予想以上の好勝負だったようです。ノアの武道館ですから、質の高いプロレスの試合を見せてくれたことでしょう。
 2日は有明コロシアムでみちのくの10周年記念興行でした。サスケ対デルフィンという過去の因縁を思えば考えられないカードが実現しました。両者の感情からして、まともに試合になるのかという不安もありましたが、しっかりとプロレスをやってくれたようです。デルフィンが勝ち、サスケは引退をほのめかす発言をするという結果になりました。海援隊の再結成、特に獅龍の復活も嬉しい驚きでした。ヨネ原人対ウエリントンの両者リングアウトも何とも懐かしかったですし、ボブ・サップも参戦のおまけつきで、素晴らしい10周年だったと思います。
 3日は新日の横浜アリーナ大会。なぜかテレビ放映は2時間20分の超拡大版で、観に行けなかった私にはありがたかったです。それなりに客も入り、いい試合もあったようですが、やはりまだまだ物足りない感じがしました。柴田はまだ若手だから、K−1ルールだからというのは関係なく、やる以上は勝たなければなりません。善戦したから、いい試合だったからよしという雰囲気が納得いきません。せっかく、今やプロレスの大きな脅威となっているK−1を自分のリングに上げて対抗戦をしたというのに、まったく緊張感がありませんでした。今の新日本の選手は闘いがないと言うと、そんなことはないと反論しますが、彼等にとっての闘いは、いい試合をすることなのでしょう。メインのIWGP戦にしても、天山が勝って嬉しいというよりも、これまで高山がよく頑張って新日本を守ってくれたという気持ちの方が強かったです。この1年、駄目な新日本を何とか引っ張って来たのは、間違いなく外様の高山でした。新日との契約は切れるという話しもあり、今後、高山は次のステップに進んでいくのだと思いますが、プロレス界のために頑張って欲しいと思います。
 話しは変わって、WJが末期的状態です。大森はXとしてZERO−ONEのリングに上がり、小川とやり合いました。この後楽園大会はテレビ東京で放映されましたが、実に面白かったです。Xとはこうあるべきという登場の仕方でした。橋本対田中も格の違い、破壊王の圧倒的な強さをまざまざと見せつました。ひさびさに素晴らしいプロレスの興行を見たという感じでした。越中もノアの武道館に登場し、三沢との18年越しの対戦をアピールしました。彼等がWJではなくZERO−ONE、ノアに出た方が余程面白い展開になっています。そして長州自身もZERO−ONEの両国大会で橋本と対戦というムードになってきました。遺恨をリングに持ち込んで闘う、これぞプロレスです。復活した橋本がプロレス界を面白くしているという感じです。
 総合格闘技も大一番、PRIDEミドル級GPがありました。こちらは東京ドームが超満員、内容も素晴らしかったようです。シウバ対吉田は、どちらにも感情移入の出来ない試合でしたが、結果はシウバの判定勝ちで、判定というのがちょっとすっきりしませんでしたが、吉田よりもシウバに土が着かなかったのは良かったかなと思います。ヘビー級では、ノゲイラが遂にミルコを止めました。ミルコには寝技系は通じないみたいな雰囲気がありましたが、一流の寝技技術であれば勝てるというのが証明されて嬉しい気がしました。ただミルコを止めたのがプロレスラーでなかったことが残念で、悔しくて、情けなくて仕方がありません。
 曙がK−1に参戦というニュースもあり、格闘技は非常に活発です。大晦日には猪木と日テレ、曙対サップでK−1&TBS、さらにPRIDE&フジテレビと三つ巴の格闘技戦争となりました。ここには是非、プロレスラーが絡んで存在を示して欲しいところです。猪木祭りではミルコ対高山が決定しました。高山には何としてもプロレスラーの借りを返して欲しいと思います。藤田の参戦も決まっていますが、もっと多くのレスラーに挑戦して、そして結果を残して欲しいと思います。
 来年の1.4も注目です。DSEとZERO−ONEが組んでW−0(仮称)を開催するという噂もあり、新日はドーム大会が本当の勝負どころです。プロレスオールスター戦が計画されているとの噂もありますが、プロレス界が集結してドーム大会を成功させなければ、ますますプロレスは格闘技に押されてしまうでしょう。頑張って欲しいと思います。