Vol.101 それでもビッグマッチは続く


 2月29日、ZERO−ONEの両国大会に行って来ました。ZERO−ONEは今、一番面白いプロレス団体だと思います。橋本というしっかりした柱があり、小川もいる。将来が有望な若手もいる。ひょうきんプロレスのドン荒川らベテランもいる。個性豊かな外国人も揃っている。うさんくささもあり、激しさもある。プロレスのいろいろな良い要素が詰まっています。3周年興行ということで、オーロラビジョンに写し出された映像を見ても、橋本&永田対三沢&小橋という超豪華な旗揚げ戦、三沢と小川のタッグ対決、小川の金網デスマッチ、全日との対抗戦、小川対川田、WJとの対抗戦など、数々の話題を提供して来ました。
 この日のメインは橋本対長州の因縁の決着戦でした。長州はもうとっくに終わっているレスラーです。橋本がはっきりと終わらせると宣言し、二人の長い因縁を考えれば、長州を終わらせるのは橋本がふさわしいと思いました。長州の方もようやく決着を着ける気になったものと思っていました。しかし、この試合は期待外れでした。
 途中は見どころはあったものの、最後は唐突に橋本の蹴り一発で、長州のフォール負け。敗れた長州はすぐに立ち上がり、スタスタと帰って行きました。長州の往生際の悪さにもあきれました。橋本の右肩の負傷のせいもあったでしょう。だからといって許されるものではありません。試合後、橋本は素直に謝っていましたが、謝ればいいというものではありません。橋本が謝って、いつもの締めをやったら、会場は収まってしまいましたが、私は納得がいきませんでした。プロなのですから、例えどんな事情があろうと謝って済むものではありません。まさに金返せという内容でした。こんな内容では、今後はZERO−ONEの観戦も条件を厳しくしていかざるを得ません。少なくとの橋本と長州の共闘など観に行く気はありません。
 ハッスル査定試合となった小川&プレデター対シルバ&ローデスJrは、試合の方はグダグダでした。これは予想通りで、注目はハッスル2に向けてのドラマ作りです。
 現在のZERO−ONEのメインテーマは良くも悪くも対ハッスルです。島田レフェリーがいい味の悪役となり、遂に高田総統が登場という流れで、3.7のハッスル2につながりました。個人的にはハッスルは全面否定ですし、高田の存在自体も全否定ですから、ハッスルは観に行く気はありませんし、ZERO−ONEが協力することにも反対ですが、一連のこてこてのプロレスチックなやりとりは、なかなか面白かったと思います。高田はいいヒールになっていました。これでハッスルで橋本なり小川なりが、プロレスの凄さを見せつけてくれるのならいいのですが、あの環境では無理だと思います。
 3月6日はノアの武道館大会に行って来ました。今、一番安定したプロレスを見せてくれると定評で、武道館は常にほぼ満員の入り、今年はドーム進出も噂されています。しかし、この日はGHC3大タイトル戦が行われましたが、内容の方はイマイチでした。
 ヘビーが力皇、タッグが池田&ヨネ、ジュニアが橋と、挑戦者がどれも役不足でした。ジュニアは外敵のライガーが王者ということもあり、それなりにいい試合でしたが、タッグはただダラダラと長いだけで何も見どころのない凡戦でした。ヘビーもそこそこという感じでした。
 むやみに他団体に頼らないのはいい姿勢だと思いますが、そろそろカード的に厳しくなってきているとい気がします。試合後のマイクのやり取りで、次回武道館では小橋対高山のGHCヘビー級戦が行われることになりそうで、これには期待できるかなと思います。
 翌日の7日は「ハッスル2」がありました。最初から観には行く気はありませんでしたが、小川が6人掛かりで負け、橋本が負傷している右肩を責められて負けという結果を聞くと観に行かなくて良かったなと思います。こんなもので失われたしまったプロレスの威厳が取り戻せるとはとても思えません。
 新日本もビッグマッチを連発しています。IWGPに返り咲いた天山が鈴木に勝利して初防衛に成功しました。永田が駄目、中西も駄目、残ったのが天山という感じです。むしろ鈴木や高山、天龍といった外敵の方が魅力的です。そして2度目の防衛戦では健介に敗れて王座転落。何と健介がチャンピオンになってしまいました。中西は意味のよく分からない反乱をし、蝶野も現場監督を辞任して反乱の動きを見せました。蝶野には反体制の方があっている気はしますが、いささか唐突な感じです。今の新日に魅力がないのは分かりますが、反乱者ばかりでどうするつもりなのでしょう。新日本体を守る、強くて格好いいヒーローが必要なのに、適任者が見当たりません。3.28両国大会でのボブ・サップのIWGP挑戦には興味がありましたが、相手が健介では、観に行こうという気にはなりませんでした。中邑も復帰しましたが、柱となるにはまだまだ課題が残っています。本隊の柱となるレスラーの育成が新日本の急務だと思います。
 こうして嘆いているうちにも、2月に続いて3月もビッグマッチの連発でした。超満員札止など昔のことで、会場には常に空席があります。カードを見て当日券でもOKなのはいいですが。 4月も全日チャンカン、ノアの武道館、そしてGWは新日のドームと続いていきます。心から満足できる興行を観てみたいです。