Vol.114 女子プロレスの危機、男子も・・・


 4月17日の後楽園大会をもって、全女が遂に37年の歴史に終止符を打ちました。私はこの日は用事があって観に行けませんでしたが、超満員の観客、OGらが終結しました。結局、団体から正式な去就の発表はありませんでした。最後まで経営者のいいかげんな体質は変わりませんでした。そもそも会社としては倒産したのに活動は続いたという状況が訳が分からず、あの時点で解散すべきだったのではないかと思います。全女の凋落後、事実上の最大手団体だったGAEAも解散し、女子プロレスの危機が叫ばれますが、全女の全盛期を知る私にとってはGAEAの10年など何ほどのものでもなく、やはり全女の解散には大きな衝撃を受けました。
 確かに全女魂というものは存在します。憎らしいほどに強く、誇らしげな全女があったからこそ、あの対抗戦時代の大盛り上がりがあったのです。大量離脱後も、全女の試合は何度か観ていますが、決してクオリティーは落ちていませんでした。今更言っても仕方のないことですが、全女凋落のすべての責任は経営者のいいかげんな体質にあります。そして全女が求心力を失ったことにより、団体乱立を招き、女子プロレスは衰退しました。
 細分化した団体、フリーになった選手たちが再結集することが女子プロレス再建の道だと思います。それぞれの選手が考え方の違いを超えて集結するべきです。今の女子プロレス界は本当に危機的な状況なのですから。ただ、核となる選手がいるのかということを考えると、悲観的にならざるを得ません。
 男子の方も状況はあまり変わりません。こちらの最大手の新日にまったく興味を持てない状況です。春のG1とうたわれたトーナメントにも開催する意義がまったく感じられません。唯一、カシンの復帰は嬉しく思いますが、駄目世代の永田、中西とつるむのでは魅力も半減です。藤田も合流するという話しがありますが、藤田はまだ総合に借りが残っているはず。なぜ彼らが組むと最強と呼べるのか理解に苦しみます。
 希望の星と思われる中邑も、小島と引き分けたり、カシンに敗れたりと乗り切れていません。逆に無様に敗れた天山を救済しようという雰囲気が漂っています。ドームのメインが天山と小島の再戦では、興味が持てるはずがありません。天山が雪辱するのは分かりきっているのですから。IWGPと三冠の統一戦も最低の結末を迎えることになるでしょう。トーナメントでは中邑に敗れた棚橋も救済されました。
 新日は年に何度もドーム興行をやるべきではありません。定着した1.4のみに集中して、そこで最高の試合を提供できるよう1年間地道に努力を続けるべきです。でも新日は分かっていないんでしょうね。となれば離れて行くまでです。これまでドーム興行はすべて観てきましたが、5.14のドームは行きません。
 対して比較的好評価を受けているのが全日とノアです。全日は春恒例のチャンピオンカーニバルが開催されました。4.20代々木の最終戦を観に行きました。最近の全日は外人がいいという評判です。大きくて凄い外人が暴れまわるのはプロレス魅力の一つであり、近年は忘れられていたものです。この日もジャマールが決勝に進出し、小島、健介と迫力のある試合を展開しました。G・バーナードも噂通りの迫力を見せてくれました。それなりに内容のある興行だったと思います。ただ、応援している選手が勝つか負けるかというのは非常に重要な要素で、去年は応援していた武藤が優勝して大満足でしたが、今年は準決勝にも進出できなかったということで満足度は下がりました。
 4.20はノアの武道館に行きました。メインの力皇対斎藤は、王者も挑戦者も役不足、試合後の力皇のインタビューではブーイングが起きていましたが、それも無理のない内容でした。三沢と鈴木みのるのタッグ対決も、あまり魅力のあるものではありませんでした。良かったのは天龍と小橋のタッグ対決です。攻めた小橋も凄ければ、受けた天龍の凄かったです。
 それよりもこの日は川田の来場とリング上での三沢との握手でしょう。電光掲示板では小橋対健介の決定も発表され、7.18東京ドームに向けて、一気に盛り上がりました。ノアの「ドームありきではない」という姿勢には好感が持てます。ドームに恥じないカードが揃うことでしょう。対して新日は「ドームありき」で、両国の再戦を並べるお粗末さです。この姿勢の差がそのまま両団体の現状の差を現していると思います。
 それから4.15は大阪プロレスの後楽園に行きました。いつも通りの楽しい興行でしたが、最後の挨拶でいつもはえべっさんが馬鹿話しをするところで、退団の挨拶をし、マイクをドルフィンに譲ったことに寂しさを感じました。今や伝統芸能の域に達しているえべっさんとくいしんぼう仮面の試合が観れなくなるかと思うと、本当に残念です。
 7月にはWWEの来日が決定しました。今、一番興味が持てるのがWWEなんですよね・・・。