Vol.122 2005年総括


 年末といえば全日最強タッグ。優勝戦の大田区体育館に行ってきました。一時は最強タッグも昔と比べて、ずいぶんと寂しいものになってしまいましたが、今年もメンバー的には全盛期にはとても及ばないものの、だいぶ華やかさを取り戻し、とにかく今の全日は武藤カラーが定着して、とてもいい雰囲気です。曙はやはり少しもいいとは思いませんが、チーム3Dは良かったです。VMも好きにはなれませんが、嫌われ役としてはよくやっていると思います。全試合終了後のノーサイドのリングも最強タッグならではのいい雰囲気でした。
 そんな中、ジャマールとバーナードの離脱はとても残念です。ジャマールはWWEに復帰すると見られていて、そうだとすれば、まあ仕方ないだろうと思いますし、WWEで頑張って欲しいと思います。バーナードは新日で活躍できるかどうか疑問ですが、新日と全日はやはり仲良く交流するべきではなく、競い合って欲しいと思うので、昔のようなピリピリした関係に戻るのもいいかもしれません。
 2005年もいろいろなニュースがありましたが、明るい話しはあまりなく、プロレスは衰退する一方でした。プロレス界を引っ張る存在でなければならない新日の低迷は留まるところを知らず、遂にゲームソフト会社の子会社化というニュースがありました。とはいえ、経営者が誰だとか、株がどうしたとか、まったく関係はありません。新日が駄目なのはリングの中の闘いが駄目だからです。長州が現場監督に復帰したことも私は歓迎できませんでしたが、複雑で分かりにくい軍団を解散したのはいいことだと思いますし、1.4ドームのカードもここ数年ではもっともまともだと思います。藤田のドタキャンでまたも直前のカード変更を余儀なくされましたが、藤田は新日の代表でもないし、プロレスラーなんだか総合格闘家なんだかはっきりしませんし、どちらの実績も中途半端で、外敵から王座を奪回するに相応しい選手とは思えませんでした。中邑は今の新日で唯一期待の持てる選手で、こちらの方が応援する気になりましたし、勝敗も気になります。
 藤田はプロとして絶対に許せないことをしました。二度とリングに上げるべきではありません。毅然とした態度で対処し、ゴタゴタをこれ以上引きずってはいけません。今の新日が絶対にしてはいけないことはリング外のゴタゴタをリングに持ち込むことですし、しなければいけないことは、リングの中でちゃんとした闘いを見せることです。今度のドームがラストチャンスです。で今までのようなくだらない試合をしたら本当に終わりです。ぜひとも頑張って欲しいと思います。
 全女が事実上の解散をし、女子プロレス界も更に細分化し、低迷が続いています。一方で再編成の動きもあり、若い選手も独自に頑張っています。新日と違って、試合を見る限りでは、いい試合をしていると思うので、なんとか頑張ってもらいたいと思います。
 訃報も続きました。橋本真也は本当に残念でした。追悼番組などを見て、本当に素晴らしいレスラーだったというのを再認識しました。その生き様がストレートに試合に出て、思い入れの持てるレスラーでした。もうこんなレスラーは出てこないのではないかと思ってしまいます。彼のようなレスラーが出てくれば、プロレス界も再興できるはずなのですが。エディー・ゲレロの急死、未来の事故死にも驚かされました。
 逆にWWEやハッスルが好調で、プロレスの形もだいぶ変わっているのかもしれません。プロレスは見せるものですが、やはりお笑いやショーを見せるものではなくて、闘いを見せるものです。それは絶対に変わらないことだと思います。それを忘れないで、頑張って欲しいです。