Vol.125 ノア、新日、全日、そして西口プロレス


 3月5日はノアの武道館大会に行ってきました。今回は新たな展開がありました。ヘビーとジュニアの枠を越えた世代闘争です。4大シングルが並び、GHCヘビーとジュニアタッグもラインナップされました。ほぼ満員で盛り上がっていて、新しい試みがあったにも関わらずノアの安定感は抜群です。きっちり予定時間に始まったこと、休憩時間がなかったことは進行上、良かったと思います。それでも9試合で3時間半は長過ぎです。メインの秋山対鈴木のGHCヘビー、セミの金丸&杉浦対日高&藤田の両選手権はどちらもいい試合でしたが、4大シングルの後の30分の長丁場で、冗長な感じがしました。
 プロレスの最大の魅力はレスラーの大きさだと思います。規格外れの大きさのレスラー同士がぶつかり合うのがプロレスの最大の醍醐味だと思います。三沢対森嶋はそんないい試合でした。ジュニアにはジュニアの良さがあるとは思いますが、ヘビーとジュニアには一線を惹くべきだと思います。田上が丸藤に負けてしまうのはどうかと思いますし、小橋はKENTAの攻撃を受け過ぎでした。
 世代闘争にしても、森嶋、力皇はまだまだで、三沢、小橋の世代に頑張って欲しいと思う私なので、第1試合の永源の武道館ラストマッチには感慨深いものがありました。後楽園や石川での試合は観戦しないので、これが最後の生観戦となります。長年見続けた楽しいプロレスもこれで見納めです。
 若手中心の興行という新しい試みであるセムも順調にスタートしました。ノアの安定感は抜群です。
 10日は全日大田区大会に行く予定でしたが、急用が出きて行けませんでした。小島がムタに勝って三冠ヘビー級王座V7を達成しました。今だに小島が王者というのはしっくりこないのですが、他にいるかというと、ちょっと見当たりません。ムタは当初とだいぶ変わってしまいましたが、進化という感じはしません。昔のように単純明快に悪いムタがいいと思うし、小島のラリアートでフォールされてはいけないと思うのですが。
 鈴木みのるが乱入し、チャンピオンカーニバルの参戦が決まりました。鈴木のキャラクターは武藤の全日には合わないでしょうが、その合わないところがどうなるのか興味があります。ジュニアタッグリーグは予想に反して、東京愚連隊が優勝しました。論外はかなりいいキャラクターで、活躍してもらいたいと思います。菊タローも非常にいいキャラクターです。王道とはかけ離れましたが、武藤ワールドの全日が着実に育っています。21日のファン感謝デーでは、武藤、三沢のモノマネ芸人、神無月とイジリー岡田がリングに上がり、大盛況でした。武藤のキャラクターがそうしたことも許しているのです。チャンピオンカーニバルでは真剣な闘いを見せてくれるでしょう。
 新日も19日に両国大会がありましたが、観に行く気にはなりませんでした。観客動員も低調だったようです。レスナーと曙は規格外れの大きさという意味では大変魅力のある存在ですが、外様の2人に頼りきっているようでは駄目です。棚橋対柴田が中止になるというまたもゴタゴタがありました。何があったか知りませんが、そもそも新日を出て行ったBMLを頼りにしているからこういうことになるのです。春のG1としてスタートしたNJCトーナメントにもまったく魅力は感じません。当分、新日の再浮上はないようです。
 若手の山本が抜てきされ、頑張っていますが、雀との再戦には絶対に勝たなければなりません。中邑の海外遠征はいい事だと思います。彼を真のエースに育てるしか、新日再建の道はないと思います。
 女子プロレスは相変わらず、明るい話題がありません。AtoZとJDの提携は快勝され、期待していた新生の華名は体調不良で引退となってしまいました。それでもまだいい選手はいますし、実際に試合を見れば、いい試合をしているので頑張って欲しいものです。
 総合格闘技ではHERO’Sの武道館大会がありました。ケンドー・カシンこと石澤常光が柔道の秋山に負けました。カシンは総合格闘技でも実績を残していた数少ないレスラーでしたが、最近はプロレスの試合からも遠ざかり、あまりにも急に決まった参戦、試合に臨む姿にも気力と準備がまったく感じられず、まったく勝てる気がしませんでした。本当にレスラーは総合格闘技で負ける意味の大きさを認識して欲しいです。今更遅いですが、あんな状態で出て欲しくはなかったです。
 そんな状態で、プロレスはエンターテイメント路線に走っています。決していい状態だとは思いませんが、レスラーがプロレスの強さ、凄さを見せてくれないので、ファンは割り切って、エンターテイメントとして楽しむしかなくなっています。ハッスルは大盛況のようでした。
 私も仕方なくエンターテイメント路線に走っています。28日には西口プロレスを観に行って来ました。大人気でチケットも即完売の状態が続いています。4月には遂に後楽園ホールに進出しますが、もうチケットは売り切れています。
 そこそこ体のいい人、動ける人もいますが、レベルとしては学生プロレス以下です。お笑いとして見ればすごく楽しめます。大きさがレスラーの魅力ですが、小猪木の小ささは見るに値します。