Vol.128 ドラゲーと天龍、マスカラスとUD:FIESTA


 6月16日、ドラゲーの後楽園大会に行って来ました。実は翌週のウルティモ・ドラゴン興行のチケットを買うつもりが、間違って買ってしまったという情けない話しなのですが、プロレス情熱冷めまくりですね。ドラゲーはかなり前の闘龍門時代に観たことがあり、面白いと思いました。今も評判はいいので、ちょっと行ってみるかという感じでした。
 噂通りの盛況振りでした。若い女性も多かったですが、若者だけでなくサラリーマンの人たちもおり、満員の入りで、盛り上がっていました。そしてすごく面白かったです。
 最近参戦している天龍がセミの6人タッグに登場しました。一見合わなさそうなドラゲーのリングですが、まったく違和感なく溶け込んで、存在感を示していました。天龍は今、最もレスラーらしいレスラーといえるでしょう。本当に頑張っています。
 メインではCIMAとB×Bハルクがタッグを結成し、岸和田&Gammaと対戦しました。今話題のハルクはまだまだひ弱な感じはありますが、とにかく華やかです。CIMAは華やかさも力強さも持っています。この2人のタッグは魅力的でした。特に2人でダンスをしながらの入場シーンは素晴らしかったです。岸和田&Gammaのヒール振りも見事でした。レフェリーも交代させ、徹底的に汚い手を使い、CIMA&ハルクを痛ぶりました。いい試合でした。
 楽しさあり、激しさありで、大変満足のできる興行でした。観に行って良かったと思いました。ドラゲー人気も納得できました。
 さて、ウルティモ・ドラゴン興行の方は、盛り上がりも客入りもイマイチでした。私は子供の頃からマスカラスの大ファンで、とにかくもう最後になるかもしれないとマスカラスの姿を見たかっただけなのですが。スカイハイのテーマがかかった瞬間というのがやはりたまりませんね。マスカラスは年齢を考えれば立派すぎるからだなのですが、やはり全盛期に比べるとさすがに衰えは隠せません。それでもマスクマンなので顔はまったく変わりませんし、独特の佇まいもまったく変わりません。フライングボディーアタック、フライングクロスチョップも見せてくれました。
 この大会ではミクスチャースクランブルという新たな試みがありました。男子3人、女子1人がチームを作ってトーナメントを戦い、勝った選手が抜けていく。1回戦は8人タッグ準決勝は6人タッグ、決勝はタッグマッチになるというものでしたが、まあどうということはなかったです。インディーの選手が多数出ており、中にはとてもプロのレベルにない人もいました。みちのくの義経はなかなかいいなと思いました。
 もう一試合、注目を集めていたのが鈴木みのる対メカマミーです。まあただの茶番でした。この試合はともかく鈴木みのるも天龍と並んで、頑張っているレスラーの筆頭です。他は佐々木健介と、そしてようやく復帰する高山の4人のフリー選手が今、最もレスラーらしいレスラーといえるでしょう。7.16ノア武道館の高山&小橋対三沢&秋山は大変楽しみな試合ですが、高山の脳梗塞という病気を考えるとどこまで戻れるのか不安があります。とにかく無事に終わって欲しいというところです。
 6月はジュニアの季節というのもありますが、新日、全日、ノアでもジュニアの方が頑張っているという気がします。ジュニアにはジュニアの魅力がありますが、やはりプロレスの最大の魅力は規格外の大きな人たちの激しいぶつかり合いだと思います。もっとヘビー級も頑張ってくれないとプロレス人気の復活はないでしょう。
 世間ではフジテレビのPRIDE放映打ち切りが話題でした。いま一つ真相がはっきりしませんが、とにかくゴールデンタイムにテレビ放映されたことがPRIDEの発展に大きく貢献していたことは間違いありません。桜庭のHERO’S移籍という事件もありましたし、その他にも様々な総合格闘技イベントが開催されるようになっています。総合格闘技というものが本当に世間に根付くかどうかという時期に来ていると思いますので、PRIDEにとっては本当の正念場を迎えました。
 PRIDEをテレビで見れなくなるというのは凄く残念です。そして同じDSEが主催するハッスル・エイドも決まっていたテレビ中継が中止となってしまいました。本当に残念でした。
 芸能人がリングに上がるとか、辞めたレスラーが復帰するとか、総合格闘技で負けたレスラーが出ているとか、従来のプロレスなら許せないことですが、ハッスルでは何でもあり、面白ければ良しとしなければなりません。
 タマアゴからザ・エスペランサーが誕生したというのは最大のサプライズでした。小島とHGのタッグ夢結成、カイヤのデビュー、ニューリン様のマスクが剥がされる、有田のものまねMCと話題満載でした。
 ハッスルのエースは紛れもなくHGです。本来エースとなるべき小川にレスラーとしての魅力が乏しいのが最大の難点です。役者としては完全に高田総統の方が何枚も上です。TAJIRIの加入は大きいかもしれません。とにかく切り札である高田を投入したことで、ハッスルも新局面を迎えます。こちらも正念場を迎えているのではないでしょうか。
 最後に、ショッキングなニュースが飛び込んできました。小橋が腫瘍摘出手術のため長期欠場。がんの疑いもあるとのことです。あれだけ鍛え抜かれた小橋が病気になってしまったことがショックでした。そして正統派のレスラーの中で、絶対的な強さと凄さを持った最高のレスラーが長期欠場するというのが残念です。早く元気になって戻って来てくれることを信じるしかありません。