Vol.130 LLPW後楽園、全日両国大会


 7月30日、K−1の北海道大会がありました。暴力事件でタレントとして価値も下がったボビー・オロゴンに出場資格はないでしょう。武蔵もフェイトーザに判定ながら惨敗で、K−1も苦しい状態だと思います。1年振りのK−1となった曙はホンマンに3度目の惨敗、もうK−1には出場資格はないでしょう。同時にとっくの昔にプロレスにも出場資格もないはずなのに、プロレスには出続けるのでしょうね。このことだけでプロレスがK−1より下に見られることが分からないのでしょうか。
 HERO’Sの有明大会もありました。電撃移籍した桜庭が初出場しまし、何とか勝ったものの一方的にパンチを浴びて、大ダメージを負うという情けない内容でした。シンデレラボーイとなった所も連敗し、パッとしませんでした。
 今、格闘界で元気があるのはボクシングの亀田三兄弟です。世界戦の判定勝ちはお粗末でした。作られたヒーローというのを露呈してしまいました。プロレス界にもスーパースターが必要ですが、あんな真似は絶対にしてはいけません。落日の某メジャー団体は平気でやりそうですが、まあそれは置いておくとして、ああいうハチャメチャなキャラクターで若く才能のあるニューヒーローがプロレス界には必要です。
 亀田の裏で、無我ワールドが旗揚げしました。藤波が7ヶ月振りに復帰し、エースの西村がヒロ斎藤のジャーマンに敗れました。コンセプトには賛同できます。ただこれがプロレス界を動かすほどの大きなムーブメントになるとは思えません。超満員札止めは旗揚げ戦のご祝儀でしょう。これからどこまで頑張れるか見守っていきたいと思います。
 8月6日は久しぶりに女子プロレスを観ようと思い、LLPWの後楽園大会に行って来ました。予想通り空席が目立ちましたが、地道に頑張っているようです。
 噂には聞いていたL−FIGHTですが、どんなものか分からなかったのですが、実際に観てみてもよく分かりませんでした。今回が4回目で遠藤美月のデビュー15周年がテーマということでしたが、試合の前後にちょっと寸劇っぽいことをやっていましたが、まったく笑えるものではなく、あとは場内放送される実況と解説があったくらいで、普通の試合でした。新しいことにチャレンジする姿勢は良いと思いますが、何か中途半端な気がします。11月には神取、イーグル、ハーレーのデビュー20周年記念興行で両国国技館に進出するとの発表もありました。女子プロでは本当に久しぶりのビッグマッチです。頑張って欲しいものです。
 夏といえば新日のG1だったのは遠い昔のことです。今年もまったく興味がそそられず、観戦はしませんでした。今更のテンコジ対決、せっかく出場してくれた高山がやはり復帰となる蝶野と組んだのはいいとしても、相手が長州&曙、おまけに6人タッグでは・・・いつになったら新日の会場に足を運ぼうという気にさせてくれるのでしょうか。
 テレビで観た限りでは、決勝の天山対小島はいい試合だったと思います。ただ以前にIWGPと三冠のダブルタイトルマッチで天山が60分闘えずに敗れたことは、その後の再戦でIWGPは奪回しているものの、そして今回勝っても決して取り戻せない決定的な負けでした。そもそも全日本の小島にG1に出場をオファーした時点で新日本の負けです。
 8月27日には全日の両国大会に行ってきました。全ての試合が興味深く、久しぶりの両国復帰、サンリオとのコラボ、プロレスLOVEの特番中継など話題も満載でした。それでも超満員とはいかなかったところがプロレス界の現実なのでしょう。
 馳の引退試合は愛弟子の小島、負傷欠場の健介の代役である中嶋と組み、スカウトしデビュー戦の相手も務めた諏訪魔とTARU、YASHHIのVMとの6人タッグでした。じん帯が断裂したままとのことでしたが、全盛期の黄色いショートタイツ姿で、体もまったく衰えを感じさせない馳でした。悪党のVMとの対戦も異色でしたが、セコンドについた健介も介入し、最後は北斗原爆固めで勝利し、爽快に最後を飾ってくれました。馳らしくて、いい引退試合だったと思います。YASSHIは大嫌いなキャラクターですが、来場していた森前首相に向かってクソ野郎と言い放ち、唾を吐き、場外乱闘にも巻き込んだ悪振りは大したものでした。さんざん悪事を働き、最後はきっちり負けるVMのヒールっぷりは素晴らしかったです。馳の引退試合が全日本のリングで行なわれたということが、新日低迷の第一歩だったような気がします。また一人、思い入れのある名レスラーが現役を退いたことはとても寂しい気分です。彼のような人材がプロレス界から政界に流出してしまったことは大きな損失だと思いますが、政治の世界でも頑張ってトップを取ってもらいたいと思います。
 三冠ヘビー級戦は、ケアが川田を破り、初防衛を果たしました。そうだろうとは思っていたのですが、希望としては川田が三冠を取って、このまま全日に出続けてくれれば面白いと思っていたのですが、これからの全日はケアに任せたみたいなことになり、川田の参戦もとりあえず一区切りという感じになってしまいました。残念な気がします。
 ムタ対TAJIRIは確かに夢のカードです。ただムタはペイントもファイトスタイルも進化し過ぎて、もはやムタではありません。TAJIRIもWWEでは活躍しましたが、ムタの相手としてはまだまだ役不足でした。
 全日ジュニアの集大成となった世界ジュニア戦はいい試合でした。この日一番の試合内容だったと思います。カズが王座を奪回し、大団円と思っていましたが、予想以上に近藤の強さが際立ちました。新日のG1での金本や、ノアの丸藤、KENTAの活躍など、どの団体もジュニアの頑張りが目立ちますが、あまりいい傾向には思えません。ジュニアが頑張っているというよりヘビー級がだらしなさ過ぎだと思います。やはりプロレスラーはでかくて強くなくてはと思います。
 サンリオとのコラボで実現した謎のマスクマンAHIIの動きもかなり高度でした。菊タローがいつものように笑わせてくれ、ロージーはでかくて強い外人レスラーをきっちり見せてくれました。NOZAWA論外の鈴木みのるへの弟子入りもいい味を出していました。無駄な試合は1試合もありませんでした。それでも8試合で4時間超は長過ぎる気はしましたが。