Vol.134 2006年のプロレス界、格闘技界


 12月15日、全日後楽園のファン感謝デーに行ってきました。2006年のラスト観戦でした。注目は武藤&神無月対天山&原口のモノマネタッグでした。盛り上がりましたし、楽しかったです。こういうのもありかなと思います。
 この日はほとんどがお笑いという感じでした。プライベートウエアマッチといいながら、中嶋が学生服、論外がトナカイの着ぐるみ、土方がセーラー服といった感じでコスプレで、宙の吊るされたスーツ仕立て権を取り合うバトルロイヤル、ショー仕立てのAHIIの試合が前半戦で、この2つはあまり面白くなく、開始が10分遅れた上に、ここで早くも休憩でグタグタになりました。
 鈴木みのるはMVPを取っただけのことはあり、最近の存在感は素晴らしいものがあります。菊タローと組んで、お笑いモードでしたが、やはり異彩を放っていました。小島とYASSHIのシングルもまともな試合にはなりませんが、YASSHIの散々大口、憎まれ口を叩いて、最後は完璧に玉砕するヘナチョコ・ヒール振りはやはり見事です。
 モノマネタッグはセミで、メインはカズ対諏訪魔のヴードゥーロープマッチで、両者の左腕をロープで結んでの試合でした。この流れで、1試合だけまともな試合というのも無理があったと思いますが、ロープマッチとなる因縁がなかったですし、最後はカズがロープを絡めて丸め込みで勝ちました。諏訪魔もカズを首つりにしたりしていましたが、驚くようなロープの使い方もありませんでした。
 最後は全選手がリングに上がり、武藤の誕生日を祝って、ハッピーエンド。今の全日らしい明るい1年の締めくくりでした。
 さて、2006年のプロレス界はまたしても決して明るいとはいえない1年でした。新日の低迷がすべてだと思いますが、さらに小橋や健介といった数少ない頑張ってりうレスラーが欠場してしまったのも大きかったと思います。馳の引退も悲しいニュースでした。60歳になった永源も引退しました。ブラックキャット、ジョン・テンタ、大木金太郎の訃報もありました。高山の復帰は嬉しいニュースでしたが、まだまだ万全の状態とはいえないようです。
 そんな中、年末には嬉しいニュースもありました。12.10ノア武道館では、三沢が丸藤に勝利し、GHCヘビー級王座を奪回しました。私にとっては当然の結果なのですが、最近の流れからいって丸藤が勝ってしまうのではないかと思っていたし、そうなれば完全に三沢の時代は終わってしまいますから、この結果は本当に嬉しかったです。そして欠場中の小橋が会場を訪れ、復帰を宣言しました。これも本当に嬉しいニュースです。さらに健介の復帰も決まりました。健介オフィスの自主興行も決まり、来年の活躍が期待されます。
 新日のドーム大会開催決定も嬉しいニュースです。新日はまだまだドーム興行など開催できる状態ではないと思いますが、やはり1.4だけはプロレスの日として続けて欲しいです。全日の全面協力を得たことも、何の策もなくただ開催するよりいいことだと思います。そしてやる以上は何としても成功させて、来年のプロレス界の浮上の起爆剤にして欲しいところです。
 流行のエンターテイメント路線では、WWEが2度の日本公演を開催しました。それなりに面白かったとは思いますが、一時の爆発的な人気はもうありません。ハッスルもそれなりに楽しみましたが、ハッスル・マニアは昨年に比べるとだいぶトーンダウンしていました。やはりエンタテイメント路線はブームであって、いつまでも続くものではないのでしょう。本道のプロレスにしっかりしてもらわないといけません。
 女子の壊滅状態も続いています。とにかく細分化し過ぎました。決して試合の質は落ちていないし、素質のある選手もいると思います。全女の流れをくむSUN、GAEAの流れをくむ仙女、この2団体が求心力を持って統合に向かって欲しいと思います。
 一方、格闘技界も決して明るくはありませんでした。PRIDEの地上波テレビ中継がなくなり、HERO’Sというライバル団対もできました。K−1もスター不在で、観ていて面白くありません。ブームは去ったという感じです。今後が正念場になるでしょう。