Vol.137 ノア武道館などなど


 3月4日、ノア武道館大会に行ってきました。開幕戦の後楽園がかなりお粗末な内容でしたし、5大シングルもあまり魅力的なものがなく、まったく期待感はありませんでした。空席も目立ちました。それでもそれなりの内容で、それなりに盛り上がってはいましたが。
 試合順はファン投票で決められ、メインは森嶋対KENTAのROH選手権になりました。私はどうしてもヘビー対ジュニアは受け入れられません。前半は互角以上にKENTAが攻め込んでいたので、あり得ないという思いでしたが、最後は森嶋が圧倒的なパワーの波状攻撃で、体格差、力差を見せつけてくれたので納得しました。
 セミは三沢対杉浦でした。三沢の受けは本当に凄いと思います。受け過ぎと思えるくらい受けきったあと、反撃に出て、最後は倒れている杉浦の上から三沢がエルボーを連打し、TKOとなりました。レフリーの制止を振り切っていたので一瞬、反則負けかと思ったほどで、分かりにくくて結末がすっきりしませんでした。
 秋山対ヨネは、ヨネが開始前に奇襲攻撃したことで、最初から秋山の怒りに火がつき、ヨネもひるまず応戦したので、短期決戦にすべてが凝縮されたいい試合でした。小川対ウイリアムスは、お互いにテクニシャン振りを発揮し、見たことのないような動きを連発して、意外といい試合でした。ムシキングテリーは子供向けのキャラクターなのであまり興味はありません。子供の声援が聞こえていたので、悪いことではないでしょう。ただ相手のロッキー・ロメロの方が上に見えてしまったのは、ヒーローとしての最低条件を満たしていないのではないでしょうか。
 実はこの日、一番期待していたのが、佐野&高山組でした。田上&丸藤との対戦でしたが、田上のグダグダ振りに失笑がもれるような試合でした。最後に佐野が顔面へのソバットを完璧に決め、田上を叩きのめした結末は痛快でした。
 話しは少しそれますが、春一番の「元気です!!!」を読みました。芸人としての半生記ですが、全編に猪木への思い、エピソードがちりばめられています。中でも大病を患い、死にかけていたときに猪木が見舞いに来て、全快したという話しがクライマックスになっています。猪木に不思議な力があるとかいうことではなくて、春一番にとって猪木はそろほどのスーパーヒーローだということだと思います。素敵な話しでした。
 その猪木ですが、新団体の設立をぶち上げました。サイモン社長が新日プロの社長を辞任して猪木のもとに行くとか、新日の猪木担当のフロントは既に猪木と行動を共にしているとか、新日プロが所有している猪木の肖像権が問題になるとも言われています。脱猪木の必要性は分かるものの、やはり猪木なくして新日はあり得ないわけですから、最近の新日の猪木に対する扱いは確かに失礼だと思います。かといって最近の猪木のやることを見ていると、ファンの感覚とかなりのズレがあるのも確かなことで、どっちもどっちという感じです。もう少しお互いうまくやってくれればいいだけの話しなのですが。
 また話しは少しずれますが、フレッツ光にして、スカパー光に入りました。インターネットも快適です。そしてスカパーではプロレス番組が充実していて、寝る暇がないほどです。会場に行くまでではないけど、テレビで見れるなら見たいというような試合が見れますし、それよりも嬉しいのは過去の名勝負が見れることです。こんな状態なら、会場から足が遠のくのも分かる気がしました。
 スカパーのせいというわけではありませんが、3月の観戦はノアの武道館のみでした。たまたま2月にビッグマッチが連発して、プロレス界も小休止に入ったという気がします。大きな動きとしては新日のニュージャパンカップと全日のチャンピオンカーニバルでしょうか。
 新日のNJCは3年目にしてようやく根付いてきたという気がします。優勝者がIWGPに挑戦するということで意図も明確です。決勝戦が後楽園なのも新日の現状では妥当なところです。まず後楽園を満員にしなければ始まりません。永田が本命みたいな雰囲気になり、優勝したのが私にはまったく納得がいきませんでした。中邑が途中で負傷欠場となったのが残念でしたし、真壁は面白い存在になったと思います。反則もいいと思いますが、天山との反則決着はいただけませんでした。
 全日のCCは平日の後楽園で5連戦という初の試みでした。豪華なメンバーが揃い、中身も濃かったと思いますし、2月の両国で思いきりあおられたので、観に行きたかったのですが、3月最終週の平日というのはサラリーマンにとっては厳しいです。そうなるとスカパーのGAORAで全戦放映してくれるのがありがたかったです。開幕戦は当日すぐに放送がありました。なかなかいい内容でしたが、空席が目立ったのが悲しいです。武藤と川田の決勝となり、武藤が優勝という結果は最高でした。GAORAで見れるのは嬉しいですが、生で観に行きたかったです。
 高田総統の買収により新体制となった。ハッスルも久し振りに後楽園のハウスと愛知県体育館大会を行ないました。小川が金に目がくらみ、TAJIRIはインリン様のイン乳で洗脳され、ともにモンスター軍入りしました。さすがにストーリーの作り方は、見え見えではないし、そうなってみれば、なるほどと思えるもので、うまいなと思います。小川やTAJIRIがハッスル軍に戻ってくるのか、新たな大物が登場するのか、それとも・・・今後の展開が楽しみです。
 高田総統の買収というのはストーリーでしょうが、ハッスルが運営母体のDSEから独立したのは事実で、同じく運営していたPRIDEからも撤退しました。UFCのオーナーでもあるロレンゾ氏が新オーナーとなり、UFCとの対抗戦も行なっていくとのことです。総合格闘技も難しい局面に来ています。こんなときこそプロレスに元気を出して欲しいのですが。