Vol.144 全日35周年代々木大会と西村の入団


 10月はショッキングなニュースで幕を開けました。PRIDEの解散が発表されました。UFCに身売りされ、結局、選手が移籍した以外何もなく、事実上の消滅となりました。高田対ヒクソン戦からちょうど10年というのも何か暗示的です。総合格闘技というものの分岐点にきていると思います。新しく格闘技協会の設立も発表され、そうそうたる顔ぶれが名を連ねていますが、実態の方はまったく分かりません。HERO’Sという大舞台があるので、もっとレフェリングやルールの問題をしっかりして、HERO’Sのリングを核としてやっていけばいいと思うのですが、先行きは不透明です。
 安田の自殺未遂もありました。借金王とか言われていましたが、何処まで本当なのか分かりませんでしたが、本当にそれ程困っていたのでしょうか。幸い、命に別状はなく、後遺症もなさそうで、元気を回復しているということなので、もう一度リングに上がって、元気な姿を見せて欲しいと思います。数年前、大晦日のバンナ戦であれだけの感動を与えてくれた選手ですから、これをバネに是非とも頑張って欲しいと思います。
 嬉しいニュースとしては、小橋の12.2武道館での復帰が正式に発表されました。何処まで戻っているのか分かりませんが、とにかくリングに上がれるくらいに元気になったということは喜ばしい限りです。ノアも最近は、はっきり言って低迷しています。これを機に上昇してくれればと思います。
 ビッグマッチでは、8日に新日の両国がありました。永田と棚橋の戦いには興味が持てず、レジェンド軍にも共鳴できず、観に行きませんでした。熱気はあったものの観客動員は苦戦だったということです。後藤対天山はいい試合だったと思います。後藤の存在はかなりインパクトがあります。こうした新しい力が出てきたことはいいことです。TNAとの全面対抗戦で1.4東京ドームの開催も決まりました。対TNAだけではドームには弱い気はしますが、やはり新日が大きなことに挑んでいかないとプロレス界の発展はありません。年に1度のドーム大会は必要だと 思います。全力を挙げて成功させて欲しいと思います。
 18日の全日35周年代々木大会は観に行きました。今の全日はパッケージプロレスと呼ばれ、様々な要素があり、興味が持てます。シリーズを通じてビッグマッチへの因縁が深まり、ビッグマッチでは次のシリーズへの新たな展開が示されるというプロレスのいい部分であるドラマ性があります。ただこの日は詰め込み過ぎでした。10時30分終了は長かったです。客入りも大変寂しかったです。
 メインの三冠戦、健介対川田は素晴らしい試合でした。この2人ならという期待に応えてくれました。期待をいい意味で裏切るような驚きはありませんでした。危険な大技の出し過ぎという気もします。それでも素晴らしい試合だったことは間違いありません。武藤とザックも、シリーズを通じてVMにさんざんいたぶられ、最後に勝つということで、2人連続でのシャイニングウイザード、ムーンサルトプレスの競演もあり、良かったと思います。鈴木みのるが対戦したブッチャーとタッグを結成して最強タッグ出場をアピールするという次のシリーズへの展開もありました。VMが投入する新兵器として連れてきたゾディアックはまったくの無名だったので、誰それ?という感じになってしまったのは残念でしたが。
 ただ、この日の興行をぶち壊したのは中嶋対シルバー・キングの世界ジュニア戦でした。中嶋が右手を骨折したと聞いた時点で嫌な予感はありましたが、疑惑のスリーカウント、再開して両者KO、近藤が乱入してノーコンテストという結果は最低でした。中嶋はよく頑張っていましたが、プロなのですから、ただ頑張ったでは済みません。このタイトルマッチは組んではいけなかったと思います。
 武藤の試合後、西村が登場し、暴れるVMを蹴散らしました。武藤と握手を交わしたので、最強タッグ出場かと思いましたが、翌日、西村と新弟子の征矢の無我退団、全日入団が発表され、驚かされました。誰にも断りなくという辞め方に道義的な問題は感じるものの、西村にとっても、全日とってもいいことではないかと思います。細分化し過ぎてしまったプロレス界なので、統合・再編成の動きがあってもいいと思います。
 27日はノア武道館を観に行きました。三沢対サモア・ジョーのGHC戦などカード的には期待度は低かったです。小橋の来場が何よりも楽しみでした。
 小橋はスーツ姿で登場し、ゆっくりとした足取りでリングに上がり、四方を見回し、礼をしました。復帰戦で高山と組み、三沢&秋山と対戦することを発表しました。3選手も次々にリングに上がり、小橋と握手を交わしました。良かったです。やはり客入りは悪かったです。試合もやはりそこそこでした。
 HERO’S韓国大会は夜中に放送していましたね。偶然チャンネルを合わせて気がつきました。殴り合いばかりで面白くなかったです。柴田もミノワマンも負けてしましましたし。