Vol.146 小橋復帰、IGF


 12月2日、ノア武道館大会で、腎臓がんから1年7ヶ月振りに小橋が復帰しました。チケットは即完売。最近のノアの武道館の不入りで油断していた私はチケットを買えませんでした。CSで生中継があったのですが、これもタイマー録画を失敗するという大失態で、結局、日テレの中継で見ました。敗れはしましたが、素晴らしい試合でした。でも、病気でこれだけ長く休んでいて、すぐに元通りというわけにはいかないのは当然のことです。結果も内容も実はどうでもよくて、とにかく再びリングに立ってくれたことだけで大満足です。小橋ありがとうという思いで1万7千人が1つになれる。久しぶりにプロレスの素晴らしさを再認識しました。あの場にいられなかったことが本当に残念です。
 K−1GPはシュルトが3連覇しました。何かデカい奴が勝つという感じで盛り上がりませんね。1日でのトーナメントという形式にも限界が見えてきたような気がします。格闘技も失速しているのに、プロレスも浮上しませんね。残念です。
 全日最強タッグは、武藤&ドーリング組の優勝という意外な結果でした。健介&川田に期待していたのですが、やはり強い者が組めば強いタッグチームになるということではないのでしょう。優勝戦が大阪だったので観に行けなかったのも寂しかったです。
 新日は恒例の大阪、名古屋興行などで、ドームに向けての動きがありました。超満員は2Fスタンド席を販売していませんから観客動員には期待できないですが、少しでも席を埋めて欲しいと思います。それなりに興味の持てる動きがあり、いいカードが揃ったと思います。中邑が真壁に雪辱し、棚橋のIWGPへの挑戦が決まりました。中邑の肩の負傷の回復具合が気になるところですが、やはりこの2人のIWGP戦が今の新日ではベストカードでしょうから、TNAとの対抗戦も興味が持てますが、別枠でこの一戦が必要だと思います。ムタ対後藤も興味あるカードですし、ゼロワンMAX、無我からの参戦も歓迎です。出て行った者を出すことに反対意見もあるでしょうが、そんなことにこだわっている場合ではないと思います。何とかドームを盛り上げて欲しいと思います。
 蝶野の呼びかけにDRADiTION、ゼロワンMAXが呼応し、協力路線を取っていくことになったというのも良いことだと思います。もとは同じく新日本だったわけですから1枚のチケットで観れたものが今は3枚のチケットがいるようになっています。ファンにとっては過去のいきさつへのこだわりよりも、また1枚のチケットで観られるようになればいいという思いの方が強いです。
 20日はIGF第3弾有明コロシアムに行って来ました。良くも悪くも猪木らしい興行でした。旗揚げ戦の両国はすべてがいい方に転びましたが、今回はすべて悪い方に行ってしまったという感じです。客席は見事なほどにガラガラでした。買ったチケットの席がつぶされており、代わりのチケットを渡されたのですが、別ブロックの遥か後ろの席に追いやられたという運営上の不手際もあり、気持ちはまったく盛り上がりませんでした。それでも炎のファイターが流れ、サンタ姿の猪木が出てくれば、猪木信者としては満足なのですが。
 第1試合のAJスタイルズ対センシはいいカードでしたし、内容も良かったです。IBMの巨人2人もインパクトはありました。初参戦にしては健闘したと思います。小原対人喰い義生もいいカードでした。小原が負けてしんまったのが、新日がパンクラスに負けたようで個人的には納得いきませんでしたが、内容も悪くはなかったです。そしてジョシュ・バーネット対モンターニャ・シウバは素晴らしい試合でした。シウバの怪物ぶり、ヒールぶりが良かったです。バーネットはそれを受け止めて、ジャーマンで投げてみせ、ゴッチスペシャルできっちりと勝利しました。
 しかし、そこから後がいただけませんでした。セミはカート・アングル対ブッカーTの予定だったようですが、ブッカーTがやはり来日不能となりました。サイモンがリングに上がって、訳の分からない説明で謝ったところで、納得できるはずもなく、秋山成勲に負けたカシンでは代役が務まるわけもなく、アングルがまったく生かされませんでした。非常に残念です。
 メインは結局、巴戦となりました。例によってのすったもんだで、どう収集をつけるのか不安はありました。まず安田が場外でのイス攻撃でレネ・ロ−ゼをノックアウトしてしまうという最低の結末。続いて小川がSTOと蹴りで安田を痛めつけ、蹴りで痛ぶり続けるところに猪木が乱入して小川を締め落とし、息を吹く返した小川とひと悶着あって、強引にダーで締めるという結末でした。過去2戦ではリングに上がらなかった猪木がリング上から挨拶し、立会人としてリングサイドに座った時点で何が起きるかはある程度予想ができました。実際、試合が収集不能状 態になったとき、猪木コールが起きましたし。
 猪木信者としては、猪木の数ある失敗作の一つと思えばどうということもないですし、大暴れが見れて嬉しくもあるのですが、一プロレスファンの目から見れば、ひどい興行でした。昔だったら暴動が起きても不思議ではないような内容でした。安田にも小川にもメインを締める力はなかったということです。猪木にも名参謀が必要です。
 大晦日は、Dynamaiteとやれんのか?で格闘技大連立という大きな動きがありました。団体乱立で敵対することなく、協力体制を引いたのはいいと思いますが、カードのインパクトが今イチで盛り上りも今イチのような気がします。ヒョードルの相手がホンマンはないよなと思いますし、サップ対ボビー・オロゴンももういいんじゃないという感じです。ハッスルがプロレスとして初の大晦日放映という快挙を達成したので、格闘技に負けず頑張って欲しいと思います。