Vol.150 チャンカン&GHCタッグリーグ戦、大阪&名古屋の大一番


 春といえば全日のチャンピオン・カーニバルです。今年は豪華なメンバーが揃い、春の祭典に相応しい大会になったと思います。昨年に続いて後楽園ホールでの連戦だったので、短期決戦で規模縮小の感はありましたが、試合内容も良かったです。全日生え抜きの大器である諏訪魔が、決勝で新日から参戦した棚橋を破り、優勝という結末も素晴らしかったと思います。
 諏訪魔はヒール軍団のVMに所属していたのが海外遠征の代わりといった感じです。新しいパターンでエースに成長しました。新日の棚橋も完全にキャラを確立させていて、全日マットでもいい味を出していました。好き嫌いは別にして、見事な活躍だったと思います。その棚橋と全日の小島も負傷により長期欠場というのはちょっと心配なニュースです。
 対象的にまったくいいところがなかった太陽ケアは、TARUに勧誘されていて、VM入りもちらついていましたが、突如として鈴木みのるが割って入り、電撃合体しました。東京愚連隊の3人を加えて、新軍団GURENTAIが結成されました。チャンカン後も新しい展開があり、いい感じで29日の名古屋のビッグマッチにつながりました。そしてその流れは27日の新日大阪府立にも、武藤がIWGP王者の中邑に挑戦という形でつながっていきます。
 さて、新日4.27大阪です。中邑対武藤のIWGPヘビー級選手権は、本当に久しぶりの夢のカード実現という感じでした。東京だったら絶対に観に行ったのにと思います。結果は武藤が勝利し、8年4ヶ月振りの王座奪取となりました。いい試合で、盛り上がったようです。個人的には三銃士世代への思い入れはもの凄く強いので武藤の勝利は嬉しいです。ただせっかく権威を取り戻したIWGP王座を全日に流出させた中邑の責任は重大で、早く中邑に真のエースになって欲しいという思いもあるので複雑な気持ちです。いずれにしても早くテレビで試合が見たいです。GBHと友情タッグのIWGPタッグ戦も、飯塚が天山を裏切ってGBH入りという結末には驚かされました。
 そして全日4.29名古屋です。こちらの三冠ヘビー級戦は、諏訪魔が健介に勝利して一気に頂点に昇り詰めました。まだ健介だろうと思っていたのですが、若きエースが全日にベルトを取り戻すことになり、最高の形になったと思います。武藤は世界タッグを初防衛と続けざまの大活躍でした。土方がシルバーキングから世界ジュニア王座を奪取したのも良かったです。鈴木とケアの初タッグ結成。西村と東京愚連隊の1対3マッチも興味深かったです。
 ノアはタッグリーグ戦が開催されました。27日の武道館大会を観戦しました。大規模なリーグ戦でしたが、盛り上がりはイマイチでした。空席の目立つ客席がそれを物語っていました。もう武道館、両国クラスを満員にできる団体は1つもないのですね。寂しいです。8試合すべてがタッグマッチというのは少し考えて欲しかったです。リーグ戦はまず丸藤&杉浦対森嶋&ヨネで、いい試合でしたし、杉浦が森嶋に勝つという意外な結果でしたが、チャンピオンの森嶋があれだけの体格ながら、小さな相手に負けてしまうのは歯がゆかったです。セミでは健介&中嶋が秋山&力皇に勝ちました。いい試合でした。メインは齋藤&バイソン対三沢&小川でしたが、この2試合を差し置いてのメインは役不足でした。齋藤組が勝って優勝という結果でしたが、なんだよという感じで、まったく説得力のない内容でした。小橋組隊高山組の6人タッグが良かったです。小橋と高山のやり合いになるかと思いきや、小橋と潮崎が激しくやり合い、小橋と高山の絡みも熱かったです。佐野、本田、KENTAもそれぞれ存在感を示し、いい試合でした。あとは石森太二の動きが目を見張るものがありました。
 16日のハッスルハウスも観戦しました。ナンバーシリーズと連動して月2回の開催が定着しています。代々木大会を含め、4月シリーズでは、よしえちゃんや東京愚連隊の参戦、モンスタ℃の思わぬ活躍などがありましたが、オープニングは川田対さいの歌対決をまだ引っ張るかという感じで、ややインパクトに欠けた気がします。ハッスル軍のエースである坂田が負傷欠場というのもあると思いますが、今の主役はモンスター軍にもハッスル軍にも所属していないボノちゃんで、ハ軍対モ軍という分かりやすい構図が崩れてしまったのも焦点をぼやかせていると思います。
 それでも上半期の大一番であるハッスルエイドに向けての煽りはさすがという感じで、インリン様対ボノちゃんの親子因縁対決決着戦と坂田対サップが発表されました。インリン様はその後、引退も発表されました。いい時ではないかと思います。いずれにしてもハッスルエイドで、この親子ドラマには終止符が打たれ、新たな展開が生まれることは間違いありません。楽しみです。