Vol.151 王座交代ラッシュ、ハッスルエイド


 遅ればせながら大阪での中邑対武藤のIWGP選手権をテレビ観戦しました。中邑がタックルにいったところにカウンターで決まった武藤の低空ドロップキックは強烈でした。そこから首へのドラゴンスクリュー(ネックブリーカーとも言いますが)、そしてシャイニングウイザードの連発、フィニッシュのムーンサルトプレスという畳み込む流れは説得力十分でした。そして何より武藤の存在感は中邑を圧倒していました。個人的には武藤ら三銃士世代とは同世代ですし、思い入れは特別なものがありますから、この王座交代劇はとても嬉しく、一方で早く中邑に真のエースになってもらいたいという思いもありますから複雑な心境です。中邑は大変な試練を抱えてしまいました。早速、後藤、真壁、中西が挑戦の意思を示していますが、絶対に中邑が取り返さなければいけないと思います。
 全日の三冠も王座交代がありました。こちらは全日生え抜きの若きエースに急成長した諏訪魔が健介から王座を奪回するというものでした。チャンピオンカーニバルの優勝から一気に勢いに乗っての王座奪取でしたが、ここからが本当の実力の見せ所です。頑張って欲しいと思いますが、まだまだ試練が待っていると思います。いずれにしても全日にIWGPと三冠の2大タイトルが揃うことになりました。武藤と諏訪魔の四冠タッグ対電撃合体した鈴木&ケアの豪華カードも実現し、武藤が敗れるという事件がありました。今後の展開がとても楽しみです。
 大日本のデスマッチ王座も、シャドウWXが伊藤を破り、8年5ヶ月振りに王座を奪回しました。大ベテランの復活で感動的な王座交代劇となりました。DDTでは5WAY戦でKO−D王座がHARASHIMAからディック東郷に移動しました。女子でもJWPでは絶対王者の日向から新世代の春山が王座を奪取。NEOでは妊娠と子宮筋腫から復活した京子が若い松尾から王座を奪回しました。韓国で西村とカート・アングルと力拔山が3WAY戦という意外な対戦で、西村がNKPWA世界王座を奪取するということもありました。WWEでは、トリプルHが、オートン、シナ、JBLと4WAYマッチで12度目の世界王座奪取もありました。大ベテランの復活、世代交代と形は様々ですが、ドラマチックな王座交代劇が続きました。
 5月24日にはファイティングオペラ上期の総決算、ハッスル・エイド有明大会がありました。最近のハッスルは、ボノが独立し、ハッスル軍対モンスター軍という単純明快な図式が壊れてしまったことで、面白さがイマイチな気がします。川田対崔のオープニング歌対決も引っぱり過ぎという感じですし、芸能人も池谷くらいでインパクトがありません。とりあえずエイドで一連のドラマに一区切りがつき、新たな流れが見えてくるはずです。
 インリン様とボノちゃんの親子愛憎ストーリーはボノちゃんの勝利、インリン様の引退で決着しました。インリン様が敢えてボノの技を受け切って、試合後には仲直り、ボノが力尽きたインリン様を抱えて退場という展開は予想通りでした。川田に秒殺され、一方的にハッスル追放を宣告されたHGは自らマスクを脱ぐという行動で謎を残しました。坂田はサップに勝利して、居酒屋の権利を守り、高田総統の新キャラとの対戦が見えてきました。高田総統がNO1ハッスラーを決めるトーナメント、ハッスル2008の開催、ベルトの新設を宣言しました。このプロレスチックな展開はハッスルとしてはどうなんでしょう?とりあえず下半期はトーナメントを中心に進んでいくようです。成り行きを見守りたいと思います。