Vol.154 夏の祭典、火祭り&G1そして全日8.31両国


 夏といえばG1です。今年で17回目を迎えますが、当初の輝きが失われてしまっているのは寂しいです。蝶野が出場しないというのも物足りません。それでも夏の祭典として定着しているのは間違いないところです。そのG1に、新日を辞めた大谷が対抗する形で立ち上げたのがゼロワンMAXの火祭りです。こちらもだいぶ定着してきました。今年は両団体の対抗戦が行われていることで、火祭りに新日から中西と真壁が、G1にはゼロワンMAXから大谷が参戦し、2つの大会が連動して興味深かったです。
 まず火祭りですが、真壁と中西には頑張って欲しいと思いましたし、活躍もできるだろうと思っていました。あとは連覇中で、1年以上負けがなく、抜群の安定感を誇る田中将斗の3連覇が成るかというところでした。結果は真壁がAブロックを圧倒的な強さで制し、中西もBブロック同点首位になりました。田中は大森に土をつけられましたが、3WAY戦を制して決勝に進出、3連覇を達成したのは立派でした。新日勢が出場したことだけで、プロデューサーといての大谷は勝ったともいえるのですが、まだまだ第一線で活躍できるはずです。レスラーとしてはもっと頑張って欲しかったです。他にも関本の参戦も注目でしたし、全体的に熱い戦いが多く、良かったと思います。
 対するG1は、優勝者が全日の両国大会で武藤のIWGPに挑戦することが決まり、興味が湧きました。ゼロワンの大谷以外にも小島や川田ら他団体の選手が参加し、メンバーも豪華になりました。それでも絶対に中邑が優勝して、自らの手でIWGPを奪回して欲しいと思っていました。となるともう一方は他団体の選手が決勝に上がる公算が高いと思い、ならば大谷に頑張って欲しいと思いました。結果は後藤対真壁の決勝で、後藤が史上初の初出場初優勝となりました。誰もが予想しなかった意外な結果だったと思いますが、欠場開けの棚橋は順当に敗れ、期待の出来ない第三世代でもなく、期待が持てる新しい世代の優勝で良かったと思います。全体的に盛況だったようで、私は観に行くまでの気持ちにはなりませんでしたが、スカパーの中継で見た感じでは内容も良かったと思います。10.13両国、来年1.4ドームの開催も決まりました。だいぶ良くなっていると思います。あと一息頑張って欲しいと思います。
 私は、偶然か、敢えてか、G1とぶつかった15日のIGF両国大会の方を観戦しました。もはや興行戦争として騒がれるような時代ではなくなりましたが。ハプニングは当たり前のIGFですが、今回は安田が小川の入場を襲撃したくらいで大きな波乱はなく、いい流れで、客入りは寂しかったですが、会場が暖かい雰囲気ですごく良かったです。小川はセミ前でシウバに雪辱勝利しましたが、内容はお粗末で、この位置で適当と思います。セミは注目していたカシン対RVD対ネクロ・ブッチャーの3WAY戦でしたが、これは面白かったです。実はIGFは1試合行われるアメプロがかなり盛り上がります。ネクロ・ブッチャーは本当に面白い存在です。メインはジョシュがアボットに勝利し、きっちりと締めました。IGFのエースはジョシュです。
 新日は26日の後楽園大会を観に行きました。海野レフェリーの20周年記念興行でした。特に彼に思い入れがあるわけではなかったのですが、たまたまです。新日の後楽園大会を観戦するのはずいぶんと久し振りでしたが、いいカードが揃い、期待が持てました。客入りも良く、盛り上がって、いい雰囲気でした。タイガーマスクは年齢と体重を考えれば、あれだけ動ければ凄いことだと思いますが、やはり痩せて欲しいです。平成維震軍も小林邦昭のフィッシャーマンまで飛び出し、良かったです。健吾の稲妻が出なかったのが残念です。メインを締めた中邑&棚橋のタッグも魅力がありました。客席から入場して、たまたま凄く近くを通りました。レスラーの大きさが実感できてよかったです。こういう演出もいいと思います。
 そして8.31全日両国大会です。こちらもいいカードが揃ったと思います。史上初となる全日マットでのIWGP戦もあったことを考えると、客入りは少し寂しかったです。それでも熱気はありました。IWGPヘビー級選手権はセミファイナルでしたが、武藤コール、後藤コールが半ばするいい雰囲気でした。後藤が勢いでいけるかと思ったのですが、武藤の牙城は崩せませんでした。真壁の挑戦アピールもあり、G1を経てのIWGP奪回のストーリーはまだ続きます。やはり中邑が自らの手で取り戻して欲しいという思いもあり、もうしばらく我慢というところです。メインの三冠ヘビー級選手権は、武藤体制の新しい全日本のチャンピオンである諏訪魔とジャイアント馬場時代の王道全日本最後の1人である太陽ケアの戦いというテーマはあったのですが、まさか60分フルタイムドローになるとは思いませんでした。個人的にはセミのIWGPが大一番中の大一番であり、思い入れもあったので、ここで60分はないだろうというのが率直な思いでした。素晴らしい熱戦を観たというより、決着が着かなかった歯痒さが残りました。試合が終わるとすぐに席を立つ人も多かったですし、ブーイングも起きたので、そう感じたのは私だけではなかったと思います。