Vol.156 W井上20周年、至宝奪回成らず、丸藤対KENTA


 久し振りに女子の話題から。10月4日にNEOの川崎市体育館大会がありました。本当に久し振りの女子ビッグマッチです。結局、今やNEOが女子で一番の団体になりました。その大黒柱である井上京子の20周年記念興行でした。結婚、子宮筋腫と出産を経て、王者に返り咲きましたが、この日は高橋奈苗に敗れて王座転落し、20周年を飾れませんでした。セミではNEOマシンガンズと松尾&風香のアイドルタッグとのタッグ選手権で、スーパー恥ずかし固めが話題となりました。デイリースポーツ認定タッグ戦では、元気&田村がハルクラに挑戦し、復活のラスカチョがアマンドラに快勝と盛り沢山でした。厳しい状況の続くプロレス界ですが、女子は尚更です。もっともっと頑張って欲しいです。
 翌5日にはLLPW後楽園大会で井上貴子20周年記念興行がありました。悪くて美しい貴子は今だ健在で、ファンとしては非常に嬉しく思います。チケットは買っていたのですが、都合が悪くなって観に行けなかったのは残念でした。
 13日は新日の両国大会を観戦しました。G1は札止めになりましたし、後楽園を観に行ったら雰囲気も良かったので、そして今度こそIWGPを奪回してくれると思い、期待して行ったのですが、大スクリーンの設置は要は客が入らないので一面を潰していただけのことでした。そして第1試合のIWGPジュニアタッグで、ノアに敗れた裕次郎&内藤が王座を奪取してしまい、テンションはがた落ちで、ダラダラと試合が進んで行きました。後藤対バーナードも、天山対飯塚も、しょーもなかったです。新日はちっとも良くなっていないと思いましたが、セミとメインはすごく良かったです。セミの世界ヘビー級選手権は、永田が田中に勝った結果にも満足ですし、試合内容も良かったです。メインのIWGPヘビー級選手権は、武藤が王座を防衛するとは、まったくの予想外でしたが、いい試合でした。最後のフランケンシュタイナーはさすが百戦錬磨の武藤という感じでした。全日の社長とはいえ、武藤はプロレスファンとしては敵ではなく、あまり悔しくはないのですが、唯一のエース候補と思っている中邑の連敗は致命的で、複雑な思いです。
 結果としてドームへの弾みをつけるという流れにはなりませんでした。このままでは成功は望めません。だからオールスター戦という話しが出てくるのでしょう。新日とノアは基本的には交わるべきではないと思いますが、年に1度の1.4東京ドーム大会は何としてでも成功して欲しいですし、まして今回は総合格闘技の戦極との興行戦争もあり、プロレス界が一致団結してというのならいいと思うのですが、今の状態では、ただノア頼みになってしまいますから、止めた方がいいと思います。まだまだ新日は根本から鍛え直す必要があります。
 16日はハッスル後楽園大会に行って来ました。この日の目玉はダンプ松本でしょうか。極悪同盟の入場テーマ曲が懐かしかったです。それなりに盛況でしたし、面白くもありましたが、GPという企画もあり、最近のハッスルはプロレスっぽい展開になっています。川田に負けたゼウスがタッグ結成を申し入れたり、天龍&越中はさすがに堂々としたプロレスの試合を見せてくれました。ハッスルにプロレスらしさは求めていないので、徹底したエンターテイメントを貫いて欲しいと思います。スーパーHG劇場は、ドラマの中の喫茶店の女の子が実際にリングに上がり、空手技を披露したり、新たな展開もありましたが、レギュラー出場を続けるHG&RGだけではインパクトに欠けます。やはりインリン様の抜けた穴は大きいという気がします。新たな女神の降臨が待たれます。
 26日は栃木でGPの決勝が行われました。新しい試みではありますが、スケールダウンの感は否めません。坂田対川田というカードも順当過ぎるほど順当なところです。観戦していた川田の父親が倒れ、優勝した川田はCDデビューの夢を取り下げ、父親を治すことを願い、総統の力で完治するというエピソードもありましたが、試合自体はかなり本格的な内容でした。年末にはハッスルマニアの開催が決まりましたが、ここでは思い切りエンターテイメントに徹して欲しいと思います。
 プロレス・エキスポというイベントもありました。24日、25日に3部構成で両国国技館での開催という大規模なものでしたが、やはり観客動員は悲惨な結果でした。世間でも大きな話題とはなりませんでした。今のプロレス界は、こうした企画が成功するような状況にはありません。それでも企画自体は悪いことではなかったと思いますし、面白いメンバーが集まり、試合内容も良かったと思います。
 25日はノアの武道館大会を観戦しました。丸藤対KENTAという最高のカードにGHCジュニア&世界ジュニア選手権というプレミアが付きました。それでも空席が目立ちました。もう武道館は満員にはなりませんね。試合の方も60分時間切れ引き分けでした。間延びしたところはあったし、KENTAが明らかに場外カウントアウトの場面も、丸藤が3カウント取られていた場面もあり、フルタイム前提の試合だったのが見え見えで、興ざめでした。GHCタッグは、負傷しているバイソンが劣勢を跳ね返して、秋山&力皇に勝利し、いい試合でした。三沢と飯伏の絡みも面白かったです。