Vol.158 2008年末の興行


 全日最強タッグはテンコジが優勝し、新日G1タッグとの連覇を達成しました。それ以外の結果は考えられませんでしたが、まあ、めでたしめでたしというところでしょう。それでも最優秀タッグに選ばれなかったのがテンコジの現状でしょう。メンバーも小粒でしたし、武道館で最終戦が行われないのが寂しいです。
 全日のファン感謝デーは昔からいいイベントでしたが、今年の最終興行となった15日のファン感もいいイベントだったと思います。すっかり定着したF−1タッグ選手権に、諏訪魔対近藤の異色カードもあり充実していました。
 変わって年末の武道館が恒例になっているのがノアです。7日の大会では、健介が齋藤に勝利し、GHC王座を防衛しました。これでノアでも外様でベテランの王者で越年が決定しました。次期挑戦者決定戦では秋山が森嶋に勝利して、久し振りに表舞台に出て来る気配です。小橋の復活も待たれます。まだまだ旧世代に頑張ってもらいたい思いもあり、新世代のスターが出て来なければ、プロレス界の将来は暗いという思いもあり、複雑なところです。
 日テレのノア中継が3月で打ち切りという話しもあります。ワールドプロレスリング同様、深夜の30分枠という寂しい現状でしたが、打ち切りとなれば更に寂しい出来事です。
 新日は同日に恒例の大阪でのビッグマッチがありました。IWGP王者の武藤が観戦する中、棚橋が真壁に勝利し、ドームでの挑戦に弾みを着けました。
 そしてここで遂に新日1.4東京ドームに向けて大きく動き出しました。ノアの参戦が決まり、中邑&後藤対三沢&杉浦、中西対秋山が決定しました。低迷しているから対抗戦という考え方はよくないと思いますが、1.4の東京ドームは、プロレス界のために絶対に盛り上げなければならない大会です。裏では戦極の大会もあります。ここはこだわりを捨てて、プロレス界一丸となって頑張ってもらいたいと思います。
 こちらも年末恒例のK−1ワールドGP決勝が6日に横浜アリーナで行われました。メンバーが小粒になったなあと思いましたが、それなりに白熱した試合もありました。ただ、決勝戦でバダ・ハリが反則暴走で失格、ボンヤスキーの優勝という結果がすべてをぶち壊しました。新しいヒーローとしてもてはやされていたバダ・ハリですが、決勝に出るような器ではなかったということで、プロレス同様、K−1の今後も厳しいです。
 興行数だけは昔と比べて多くなり、まだまだ終わりません。12日にはみちのく後楽園で、今や年末の風物詩となった宇宙大戦争がありました。サスケの今年の活躍は評価出来ます。そして東北ジュニアヘビー級王座が義経からフジタJrハヤトに移動するという大きな出来事もありました。
 18日には昭和プロレスの後楽園大会を観に行きました。まったく期待はしていなかったのですが、思ったより客席も埋まり、客層がいつもと違い、盛り上がりました。皆、年が年だけに、太ってしまったり、筋肉が落ちてしまったり、試合もグダグダだったりしましたが、そんなことはどうでも良く、元気な姿をリングで見せてくれただけで大満足でした。切なくて楽しくて、でもいい興行でした。その辺の気持ちが分かり合える仲間と観に行ったので、試合後は、いい酒が飲めました。
 特にメインの藤原対初代スーパータイガーは、藤原が佐山に腹部を蹴りまくられて敗れるという凄惨な結果になりましたが、「昨年10月には死を覚悟しました。皆さんのおかげでリングに上がれて感謝しております」という藤原のマイクには本当に感動しました。
 21日は後楽園ホールで息吹がありました。女子の低迷振りは今年も男子以上でした。その中で比較的頑張っていたのが吉田万里子率いる息吹きでしたが、この日も松本浩代対中島亜里紗という若手の熱いライバル対決がありました。一方で吉田万里子は来年からプロデュース業に専念することを宣言しています。大晦日にはデビル雅美、元気美佐枝も引退します。Hilaruと前村さきも突然の引退宣言をしました。ますます寂しくなります。
 23日はJCBホールで久し振りのBAPESTAがありました。武藤と蝶野のタッグ対決など豪華なカードが並び、いい興行でした。菊タローと食いしん坊仮面の絡みはやっぱり素晴らしいです。今年オープンし、プロレスの新名所と言われたJCBホールですが、後楽園もなかなか満員にならない状況で、キャパが中途半端です。
 ハッスルは24日、25日に恒例の後楽園クリスマス興行がありました。24日には泰葉が来場し、アンジョー司令長官との因縁が深まり、マニアでの対戦が決まりました。25日にはムタが降臨し、マニアに向けてデモンストレーションを行いました。他には、第2のインリン様オーディションが行われ、全員不合格となり、ゼウスは川田と一騎打ちを行い、ハッスルから旅立つことを表明。力道山のライバルのDNAを持つXとしてシャープ兄弟が登場し、天龍&越中との因縁が生まれるといった出来事がありました。ただマニアに向けてインパクトはまだまだ足りないという感じです。大晦日の放映もあり、是非、頑張って欲しいのですが・・・。