Vol.168 蝶野25周年


 10月12日、蝶野25周年両国大会を観戦しました。8月末の武藤25周年、9月の三沢メモリアルと続いたビッグマッチのトリとなりましたが、この一連の大会はどれも素晴らしくて、久し振りに満足納得の興行が続きました。蝶野の25周年大会も超満員となり、雰囲気も良く、試合内容も良かったです。やはり25年の歴史というものがそうさせているのだと思います。
 オープニングの若手、ベテラン、OBが入り混じった時間差バトルロイヤルはお祭りムードで良かったです。ヤングライオンの岡田かずちかが優勝したのも意義があります。曙対バーナード対吉江の3WAYボディスラムマッチは、KONISHIKIがレフェリーということで世間では注目を集めましたが、私にはまったく不要な試合でした。むしろKONISHIKIの不公平なレフェリングは不愉快でした。飯伏幸太、佐藤耕平、田中将斗らの参戦も意義がありました。
 蝶野は当初、最後のIWGP挑戦を表明していました。最近は一人のレスラーとしての活躍がなく、一歩引いた形になっているので、期待していましたが、結局はオールスター戦的なものへとシフトし、武藤&小橋と夢のトリオを結成し、中西&小島&秋山の第三世代トリオと対戦しました。結果的にはこれで良かったのかなと思います。三銃士&四天王タッグはやはり第三世代トリオと役者が違いましたが、意外にも中西の型破りなファイトが大きな存在感を示していました。つくづく不意義な男です。
 IWGP戦は、ダブルメインながら実質はセミで行われました。中邑は試合順と王座決定戦の前に蝶野が独断で挑戦者を決めたことに不満をもらしていました。中邑にしてみればもっともな言い分だと思いますが、大谷の挑戦は大正解だったと思います。蝶野の25周年、武藤もいるとなれば、やはり橋本真也の存在は欠かせません。
 中邑は新しいストロングスタイルを宣言し、ファイトスタイルも変わりましたが、いい試合だったと思います。猪木への挑戦発言も、よくぞ言ってくれたという思いです。私は中邑の言動を支持します。会場にも受け入れられていたと思います。試合後に出て来た棚橋にブーイングが起きたのがその証しです。まったく場違いという空気でしたが、「うっとうしいだろ」の一言で会場の雰囲気を変えた棚橋もなかなかのものです。11.8両国での挑戦も決まりました。早速チケットを買いました。ミステリオも来るということもありますが、中邑対棚橋に引かれたのも事実です。うっとうしい棚橋を追っ払って欲しいという気持ちですが。
 話しは変わって、ハッスルですが、両国でのハッスル・ジハードで新たなスタートを切りました。まだ密かに高田総統の復活に期待していたのですが、やはり本当に高田総統はいなくなってしまったようです。RIKIではとても高田総統の代役は務まりませんし、編成が変わったとはいえ、メンバーも変わり映えしません。年末にハッスル・マニアは決まっており、ムタも登場するよぷですが、その他の年内の興行はすべてキャンセルとなり、10.29後楽園など前日の開催中止という異常事態です。本当にこんな状態では先行きは危ないです。
 訃報もありました。プロレスバカこと剛竜馬が10月18日に敗血症のため亡くなりました。ひったくりで捕まったとか、ホモAVに出演したとかのニュースで騒がせたこともありましたが、最近は何をやっているのやらまったく分からない状態でした。まだ53歳でした。何だか哀しいです。
 女子プロレス界も相変わらず盛り上がらない中、紛れもないトップアイドルに成長した風香が突如、来春での引退を表明するというニュースもありました。とても残念なことです。最後まで女子プロレス界を盛り上げるよう頑張って欲しいと思います。
 最後に猪木の話題です。極秘入院していたということで驚かされましたが、若手時代にドロップキックを失敗して痛め、50年来の持病となっていた腰の手術をしたというのもびっくりでした。この夏、映画に初主演しましたが、それが東京国際映画祭で上映されたので、観に行って来ました。舞台挨拶に猪木も来る予定となっていたので楽しみにしていたのですが、ドタチャンとなったのは残念でした。でも映画はなかなか良かったです。「ACACIA」というタイトルで、原作・監督が辻仁成。石田えり、坂井真紀などが出演しています。来年の春に公開されるので是非、観て下さい。