Vol.170 12.6ノア武道館、2009年のプロレス界


 昨年は12月6日のノア武道館大会が最終観戦でした。メインの潮崎対杉浦のGHCヘビー級戦は素晴らしい試合でした。杉浦の王座奪取は意外な感じでしたが、結果的には良かったと思います。
 金丸&鼓太郎対石森&マルビンのGHCジュニアタッグ戦、丸藤復帰戦の青木戦のジュニア2試合も素晴らしかったです。
 内容としては良かったのですが、秋山、KENTA、齋藤彰俊が欠場し、特に小橋&秋山のGHCタッグ挑戦が流れてしまったのは残念でした。そんな中、予想はされましたが、客入りは寂しいものがありました。
 三沢が亡くなって、ニュースを見たり、お別れ会に行き、追悼興行にも行きましたが、まったく実感がありませんでした。この日は誰の欠場よりも三沢の不在を感じてしまいました。
 同じ日に全日は岐阜で最強タッグの優勝決定戦がありました。開幕は台湾という新しい試みがありましたが、メンバーも最強タッグと呼ぶには寂しく、最終戦が武道館でなくなって、もう何年になることか。それでもやはりオリンピアを聞かなければということで12月1日の後楽園大会を観戦しました。内容も良かったですし、盛況でした。
 武藤&船木の優勝は妥当なところでしたが、小嶋、ドーリング、真田がインフルエンザで、3チームが途中で脱落というのはお粗末でした。
 前日には恒例の名古屋での新日の年内最後のビッグマッチがありました。中邑が永田に勝利してIWGP王座を防衛。棚橋はTAJIRIに、後藤は田中魔裟斗に雪辱し、真壁は因縁の飯塚に2度目のチェーンデスマッチで勝利して完全決着で1年を締めくくりました。一時は本当にひどい状態の新日でしたが、最近は少し盛り返しています。
 その後も話題はいろいろとありました。12日にはみちのく後楽園大会で、宇宙大戦争再・再・最終決戦が行われました。サスケと佐藤兄弟のハチャメタ振りが爆発し、とても面白いもので、今や年末の風物詩ともいえます。今回も囚われたウルトラマンロビンの救出をテーマに、遂にライガーをも巻き込んで、サスケともどもウルトラマン風のコスチュームで大暴れしました。一方でメインでは拳王対フジタJrハヤトの東北Jrヘビー級選手権も行われました。みちのくはサスケがまだまだ健在で、らしさを忘れずいい感じの1年だったと思います。
 13日には全日ファン感謝デー後楽園大会で、武藤&神奈月が越中&ケンコバに勝利し、F−1タッグ選手権V8を達成。小島が下田美馬とミックスドタッグを結成するなど、楽しい一面を見せました。全日も武藤を中心にすっかりスタイルを確立し、いい感じの1年でした。
 ドラゲーは名古屋で、土井がマグニチュード岸和田に勝利して、ドリームゲート選手権8度目の防衛に成功しました。9月の後楽園大会を初めて観戦しましたが、とても面白くて、大盛況でした。両国初進出も大成功し、ドラゲーは今や最優良団体という感じです。
 23日&24日は新日が後楽園でスーパーJCUP、ノアがディファ有明で丸藤プロデュース興行等2連戦を行いました。丸藤は大忙しの2日間でしたが、スーパーJCUP2連覇を達成しました。注目の飯伏は1回戦で負けてしまいましたが、男色ディーノがいい味出してましたし、やっぱりこの大会はいいですね。
 ノアの方では、松永光弘が盟友の齋藤彰俊と引退試合を行い、禁止されているデスマッチをやるのか注目されましたが、多少の凶器攻撃以外は封印し、堂々と敗れました。スーパーSマシンなるマスクマンは、お前は杉浦だろと言われるなんてこともありました。
 ハッスルは25日のハッスルマニアが中止となり、主要メンバーがスマッシュなる新団体を旗揚げしてしまったことで、事実上消滅状態となりました。ゼロワンの協力を得て存続の道を模索しているとの話しもありますが、もはや以前のハッスルの再現は望めません。スマッシュも別の形になるでしょう。一時は対世間への影響力の大きさ、エンタメ路線には抵抗もありましたが、その徹底振りは認めていたのですが、今思えばインリン様が抜けたあたりから下降線でした。ここが限界だったということでしょう。
 女子も相変わらずパッとしませんでした。1月にLLPWの後楽園大会を観戦しましたが、今やLLは次回大会も発表されていません。NEOが定期的に後楽園大会をやるのがやっとという状態で、久し振りにアイドルレスラーとしてブレイクしかけた風香も来年には引退と明るい話題がありませんでした。
 全体的には2009年もプロレス界、そして格闘技界も低迷期を脱したとはいえない1年でした。来年こそは明るい1年であって欲しいと思います。