Vol.179 IGF、ノア武道館


 9月25日はIGFのJCBホール大会、26日はノア武道館大会を連戦で観戦しました。まずIGFですが、今回は小川の欠場、離脱騒動がありました。小川のブログから不透明な形で広まり、猪木が冷たい反応を見せたことで、結局よく分からないままですが、発表されたカードを見る限り、面白そうな対戦が並び、小川不在の寂しさはまったく感じませんでした。もともとIGFは、よくも悪くも猪木の団体で、カードなんてどうでもいいということもありますし、小川はこれまで期待に答える試合をまったく見せてこなかったということもあります。離れるなら離れるで、何をやりたいのかしっかりと主張し、しっかりとしたものを見せていかないと、存在自体を忘れられてしまいます。
 25日のJCBホール大会は、やはり小川不在の影響はまったくなく、満員の入りでした。この広さが丁度いいようです。12.3には両国で「INOKI BOM−BA−YE」の開催が決まりました。両国クラスも満員にして欲しいところです。試合数も、もう少し増やして欲しいです。でもそれには、試合内容がお粗末過ぎます。もっとレスラーが頑張ってくれないとというところです。
 元若麒麟こと鈴川真一ですが、デビュー戦で、マーク・コールマンに勝利するといういい結果は出したのですが、内容の方はお粗末でした。コールマンもまったく精彩を欠いたというのもあります。最後は怪我でもしたのか、しきりとタイムを要求していましたが、認められるはずもなく、TKO負けとなりました。鈴川は体もデカく、張り手はいい感じでした。キックも出していましたが、これはまだまだ。スター性も感じられませんでした。
 セミを任された澤田も、最近は小川より頑張っていましたし、小川と決別して新エースなんて声も聞かれていましたが、とんでもなかったです。対戦相手のエリック・ハマーは怪物ぶりをいかんなく発揮しました。それに対して澤田は何も出来ず、最後はゴング、ベルトを持ち出して攻撃し、反則負け。本当にひどいものでした。
 メインはバーネットとシルビアの元UFC王者対決ということで期待したのですが、シルビアはとにかくデカい。バーネットよりもデカかったです。しかし、UFC王者らしい迫力はまったくなく、木偶の坊系でした。まったく見せ場のないまま両者リングアウトに終わり、当然のことながら猪木に一喝されて延長戦に突入。もはやシルビアには何もすることがなく、あっさりとバーネットが勝ちました。
 猪木信者としては猪木のパフォーマンスに満足しましたが、プロレスの興行としてはお粗末の一言です。選手たちにはもっともっと頑張ってもらいたいです。
 GENOME13と同じ日、DREAM16愛知大会が開催されました。亀田のボクシングと合わせてTBSで放映されました。石井慧が電撃参戦し、ミノワマンに判定勝ちしました。桜庭もメイヘム・ミラーに惨敗でした。桜庭は見ていて痛々しいというか、何かもういいんじゃないかと思ってしまいます。総合格闘技もパッとしませんね。
 ノアは有明コロシアムでの10周年記念興行が終わり、久し振りの武道館でしたが、やはり客入りは寂しかったです。小橋、力皇、丸藤に加えて、秋山、森嶋の欠場も寂しいです。
 杉浦対潮崎のGHCヘビー級選手権、高山&佐野対健介&中島のGHCタッグ選手権、金丸対KENTAのGHCジュニア選手権と、対抗戦なしでは最高のカードだったと思います。 内容も悪くありませんでしが、予想通りのいつもの内容、結果も予想通りでした。すべて防衛という結果も面白みがなかったのかと思います。
 大技を乱発してもなかなか決まらず、雪崩式とか、花道から場外とか、かなり危険な技が出ていました。それすら普通のことに思えてしまうのは、よくないことだなと思います。
 試合後のインタビューはあまり好きではないのですが、杉浦はいつもなかなかいいコメントを出します。「この日は三沢さんがいない武道館は物足りないですか?」「小橋さん、秋山さんがいなくて物足りないですか?」と投げかけ、それと闘っていると言っていました。なかなか印象的でした。まったくその通りで、彼らの不在を感じさせないようにするのが杉浦らの役割です。もっともっと頑張るしかないです。
 ノア武道館と同じ日、新日は神戸でビッグマッチがありました。真壁と田中将斗のIWGPヘビー級選手権がありましたが、挑戦の仕方がやや唐突な感もあり、既に10.11両国で小島の挑戦が決まっていることもあり、あまり興味が持てませんでした。結果も予想通りでした。
 全日はビッグマッチはありませんでしたが、10日の後楽園では、武藤がヒザの手術から半年振りに復帰し、船木と30分フルタイムドローでした。シャイニングウイザードに、ムーンサルトプレスまでやりました。元気に戻って来てくれて本当に良かったです。決して万全の状態ではないのでしょうが、まだまだ頑張って欲しいです。
 事件もありました。三冠王者となった諏訪魔ですが、征矢と衝突し、新世代軍は解散となりました。客席のファンからの野次にキレて、マイクを投げつけるという行為に及び、厳重注意と減俸の処罰を受けました。かつての三沢ら超世代軍が大ブレイクしたときと諏訪魔の新世代軍を重ねてみていた人も多いと思います。そんなときに仲違いから解散というのは非常に残念です。マイクを投げつけるという行為も決して褒められたものではありません。それでもこうして波紋が起きるのはいいことだと思います。ただ、小川の欠場騒動もそうですが、こうした騒動が世間に届くほどのインパクトを持たないのが寂しいところです。
 20日の後楽園大会では、カズ・ハヤシが、渕の指名した菊地毅に勝利して世界ジュニア最多記録となる15度目の防衛に成功しました。そしてKAIに貫禄勝ちした武藤が、まさかのジュニア転向、王座挑戦を表明しました。そしてタッグマッチながら、船木が左ハイキックで諏訪魔をKOしました。これにより10.24横浜文体で諏訪魔対船木の三冠ヘビー級選手権、カズ対武藤の世界ジュニア選手権が決定しました。全日はいろいろと事件が起きて、次に繋がって、プロレス本来の魅力であるドラマ性があってよいと思います。
 女子では昨年の女子プロ大賞を受賞したさくらえみが頑張っています。JWPの米山と無差別級王座に髪の毛も賭けて対戦しました。新宿フェイスとはいえ、超満員札止めになったのは、さくらの体を張った暑い思いが伝わった結果だったと思います。自身のアイスリボンの後楽園大会では、仙女の里村明衣子と対戦。これも敗れはしましたが、リングもない状態からスタートして、後楽園にまでたどり着いたのは立派です。もっともっと女子プロを盛り上げて欲しいと思います。