Vol.183 新日ドームで2011年がスタート


 まずは昨年末の格闘技から。30日にSRCが実に28試合という興行をやりましたが、知っている選手はほとんどおらず、テレビ中継もなく、あまり話題になりませんでした。
 大晦日はDynamite!!で、こちらはテレビ中継がありましたが、やはり話題になるようなカードはなく、視聴率は過去最低となりました。自演乙対青木の試合は何とも痛快でした。オーフレイムも凄さを見せましたが、それ以外はイマイチでした。猪木を引っ張り出しましたが、大した演出もなく、桜庭はドクターストップ負けで、試合の放映もありませんでした。格闘技ファンはいるのでしょうが、世間に響くようなパワーが今はありません。
 そして今年の初観戦は1月4日の新日ドーム大会でした。プロレスも格闘技と同様、世間に響くようなパワーがありません。ドームの席は半分も解放されていない状態で、その分、人が集まっているように見えて格好はついていました。それなりに盛り上がってもいるのですが、本当に小さくまとまってしまったという感じです。当日のテレビ中継もありましたが、夜中の1時過ぎでは、翌日は仕事という人も多いはずで、どれだけの人の目に止まるものでしょうか。
 こんなにコンパクトならば、ドームでやる必要なんてないのですが、それでも世間に響かせるという意味でも1.4ドームだけは無理をしてでもやってもらいたいところです。他団体、TNA、CMLLも参加し、カードは豪華でした。前日の会見も無料公開するなど盛り上げる努力もしていました。それでもまだまだ世間には届かないので、もっともっと努力しなければなりません。
 試合の方ですが、永田対鈴木は、高校時代からの因縁があり、20年の年月を経ての戦いで、4年前に完全決着しており、その後、永田が何か成し遂げたわけでもないのに、何となくもう一度ということになり、そしてそうなれば今度は永田が勝っちゃうんだろうなぁと思ったので、興味はありませんでした。結果、永田が勝ってしまったので、やっぱりという感じです。
 デヴィット対飯伏のIWGPジュニア戦は、ある意味最も期待出来る試合でした。2人とも期待通りの素晴らしい動きを見せてくれましたが、広すぎるドームだったことがマイナスだったと思います。やはりドームで名勝負は生まれません。いくら飯伏が凄いといってもIWGPジュニア王座奪取まではという思いもありました。
 内藤対ハーディーのTNA世界ヘビー級選手権は、面白い組み合わせだと思いました。内藤の将来性には期待しているので、王座を取ってしまえば面白いとも思ったのですが、内容的にはイマイチでしたし、王座奪取もなりませんでした。ハーディーの実力は疑問符でしたし、内藤にもまだそんな外人レスラーと好勝負をするほどの実力はなかったというところでしょう。それにしても何故、内藤はTシャツを着たまま戦うのでしょう?ハーディーも全身黒の衣装なので、すごく違和感を感じました。
 岡田かずちかには大いに期待しています。アメリカでの様子がまったく伝わってこなかったのですが、ガタイも良くなり、面構えも良くなりました。後藤も杉浦にはリベンジしなければならないところでしたが、杉浦&高山対後藤&岡田では、誰がやられるかは明らかでした。岡田は頑張ったと思いますが、まだまだ修行が足りません。こんな状況でも後藤は勝つことが必要だったと思うのですが、残念な結果でした。
 中邑にも期待しているのですが、昨年は負け過ぎました。だいぶ借りを作ってしまいましたが、少しづつ返していくしかありません。そういう意味では潮崎戦は絶対に負けられない試合でした。結果として勝利しましたし、受けきった上で、一気に仕留めるという内容も良かったと思います。
 真壁も田中にリベンジしなければならない試合でした。最後はきっちりと勝利しましたが、こちらはもっと圧倒的に勝って欲しかったので少し物足りない気がしました。
 メインは小島対棚橋のIWGPヘビー級選手権でした。IWGPは小島から早く奪回して欲しいと思いますが、それは棚橋ではないと思うので、どちらが勝ってもいいという感じでした。いい試合だったと思いますが、棚橋がよく頑張ったというよりも、何か小島が決めきれなかったというもどかしさを感じました。小島のラリアットが一撃必殺の魅力を蘇らせたのは評価していたのですが、この日は駄目でした。
 メインの勝敗に思い入れが持てなかったので、当然ながら、興行として個人的にはイマイチだったと思います。
 全日は恒例の正月2日&3日の後楽園連戦からスタートしました。ヘビーとジュニアの新春バトルロイヤルも健在で、武藤が連覇するという驚きの結末でした。武藤と鈴木がタッグを結成したり、KENSOがVMを追放になったり、稔がジュニアの新王者になったり、新しい動きがありました。征矢の弟もデビューしました。なかなかごっつくていいと思います。兄弟タッグも面白いと思います。
 10日には静岡で、諏訪魔がケアを相手に三冠ヘビー級王座を防衛しました。だいぶチャンピオンらしくなってきました。今年は飛躍の年だと思います。
 ゼロワンは後楽園で元旦興行がありました。3.6両国の10周年記念大会に向け、頑張って欲しいところです。そしてその両国で遂に橋本大地のデビューが決まりました。対戦相手は蝶野正洋です。サムライTVなどで見つ限りでは、体もできていないし、まだまだという印象ですが、将来のプロレス界を背負っていく逸材であることは間違いありません。頑張って欲しいです。
 ノアは15日に大阪でビッグマッチがありました。杉浦がバイソンに勝利してGHC王座V8を達成。三沢を越えて、歴代2位の保持記録となりました。丸藤&青木も大阪プロレスの小峠&原田に勝利してGHCジュニア王座を初防衛しました。負傷欠場していた秋山が4ケ月振りに復帰しました。小橋の不在は寂しいですが、だいぶ役者が揃ってきました。頑張って欲しいです。  昨年大晦日にNEOが解散してしまった女子プロレスですが、今年は明るい話題がありました。23日に新木場1stリングでスターダムが旗揚げしました。NEOに代わって新しい女子プロレス界の核になる可能性を秘めた団体だと思います。まずは後楽園ホール進出を目指して頑張って欲しいと思います。