Vol.184 安田引退、IGF福岡大会、ノア後楽園大会


 2月4日、後楽園ホールで安田忠夫の引退興行がありました。平成の借金王と呼ばれ、新日を首になり、猪木祭りでジェロム・レ・バンナに軌跡の勝利を納め、IWGP王座も奪取しました。しかし、またもギャンブルを辞められず、自殺騒動も起こしました。最近は試合から遠ざかっていましたが、駄目だけど憎めないキャラで、この日も満員の観客が集まりました。第1試合で曙と、セミでは大谷と組んで鈴木&高山と、メインでは天龍と、3試合を行い、3連敗で17年のプロレス人生の幕を降ろしました。愛娘のAYAMIさんの肩車も再現しました。今後はブラジルで相撲普及に励む予定とのことです。こうして華やかに引退し合いが出来て本当に良かったと思います。
 6日にはIGF福岡大会がありました。興味深いカードが並び、福岡でなければ観に行ったのですが、サムライTVで中継してくれるのは本当にありがたいです。
 デビュー戦のマスクドゲノムJrは全身タイツでスパイダーマンのような風貌でした。格好も良くないですし、実力もたいしたことはありませんでした。初代タイガーマスクと対戦したブラックタイガーは例の5代目でしたから、やはりパッとしませんでした。この辺はご愛嬌でしょう。
 蝶野も登場して2億円ベルトを披露。猪木劇場は、ランドセルネタからタイガーマスクがリングに上がり、マスクを取ったら福岡市長だったというものでしたが、残念ながら福岡市長を知りませんので、イマイチでした。
 最も観たかったのが、藤波辰爾40周年記念試合として実現したマスカラスとの一騎打ちです。もちろん試合内容には期待していませんが、とにかくマスカラスを観る機会はもう残り僅かでしょうし、相手が藤波となれば更に貴重です。10分1本勝負で引き分けは妥当なところです。フライングクロスチョップをやってくれただけで満足ですが、ダイビングボディーアタックまでやったのは驚きでした。2人が同じリングに立ったというだけで夢のようです。
 ハンソン対プレデターは、両国でド迫力の好試合を展開し、再戦となったのですが、今回は何故か凡戦となり、猪木が怒り狂うという一幕がありました。猪木劇場がパッとしなかったので、もうひと暴れというところでしょうか。
 ベルト争奪トーナメント1回戦はジョシュ・バーネットがモンターニャ・シウバに順当勝ちでした。そしてキンボ・スライスも見てみたかったのですが、負傷欠場ということで、大晦日に流れた鈴川対サップがメインで実現いました。余談ですが、サップは突然ギャラを半額にされたのが欠場の理由と話しています。K−1は経営危機も噂されています。真相はどうなのでしょうか。試合は鈴川が圧勝。サップは本当にもう駄目ですね。
 遂にベルトが創設されたIGFですが、年間スケジュールも発表されていますが、5大会のみで、やはり試合数が少ないです。澤田、鈴川の日本人はどう好きになれないキャラなのですが、定アキラのような若い選手にはとにかく試合数を増やしてあげたいところです。
 16日はノア後楽園大会を観戦しました。ノア後楽園は久し振りでしたが、前回の平日はガラガラでしたし、最近の武道館や有明コロシアムの入りを見ると、今回もと思ったのですが、1ケ月前にチケットを買ったときに残りわずかで、実際満員の入りでした。何故かは分かりませんが、これがプロレス復興の兆しであってくれればと思います。
 新日のバーナードのGHC挑戦が決定しており、前哨戦のタッグマッチがありました。以前の新日と全日でも外人レスラーの貸し借りがありましたが、こういう交流は良いと思います。ジュニア、タッグでも前哨戦的な試合があり、タイトルマッチが決まりました。後楽園らしくて良かったと思います。
 新日は20日に仙台でビッグマッチがありました。次期挑戦者決定戦で勝利した小島がタイチ、TAKA、論外の外敵軍と結託し、王者の棚橋、デヴィット、因縁が生まれた真壁と前哨戦を繰り広げました。小島は外敵としての立場が明確になりましたが、他はジュニアの選手ばかりなので軍団としてはイマイチな気がします。新日所属レスラーの軍団もぼやけていて、もっとはっきりさせた方がいいと思います。
 棚橋が小島を破り、IWGPヘビー初防衛に成功。バーナード&アンダーソンも中西&ストロングマンを破り、IWGPタッグ6度目の防衛に成功。デヴィットはTAKAみちのくを破り、IWGPジュニア5度目の防衛に成功しました。どのチャンピオンも頑張っていますが、個人的にはどうもしっくり来ないのですが。
 最後に海外の話題です。メキシコの英雄ミスティコのWWE移籍が発表されました。かなり好きな選手なので、CMLLのまま新日にも来日して欲しかったところですが、WWEでどんな活躍をするのかも見てみたいところです。新リングネームはシン・カラ、顔なしという意味です。マスクはあまりイメージが変わらず、ホッとしています。あの嫌味なキャラのデル・リオがドスカラスJrだと知って驚きましたが、シン・カラにはこれまで通りの華麗なルチャを見せて欲しいと思います。