Vol.187 ノア有明、女子プロ新団体、新日・ノア海外遠征


 5月3日に新日レスリングどんたくが開催されました。福岡ドームではなく、福岡国際センターですが、盛況で、ゴールデンウイークの恒例として定着してきました。
 メインは棚橋対中邑のIWGPヘビー級選手権ということで、中邑派の私としては興味がありましたし、王座奪取を期待していたのですが、結果は棚橋の防衛でした。中邑の停滞はまだ続くようです。早く王者に返り咲いて欲しいのですが。
 次期挑戦者には後藤が名乗りを上げました。後藤もこのところ停滞していて、メキシコ遠征から帰国して、ノアの杉浦とタッグで対戦しました。短期間のメキシコ遠征とパートナーの橋に勝ったくらいで復活出来るとは思えませんが。
 真壁対小島の決着戦では、新たな展開がありました。タイチとTAKAみちのくが小島に反旗を翻し、鈴木みのるまで登場し、新たに鈴木軍が結成されるようです。小島と真壁は握手を交わしました。小島はVMにいた頃もそうでしたが、ヒールが似合わないので、真壁と組むかはともかく、テンコジもありますし、外敵ではなく新日サイドで戦った方がいいと思います。
 IWGPタッグはバーナード&アンダーソンが7度目の防衛に成功しました。もういい加減に内藤&高橋が奪回すると思ったのでが、誰でもいいのでそろそろ日本人が取り返して欲しいと思います。
 G/Wには他にも様々な興行がありました。SMASHは後楽園大会があり、3WAYラダー&ダッシュtoベルトマッチという変わった形式で、TAJIRI&真琴、コバック&リン・バイロン、大原&ジェシカ・ラブという変わったチームの対決がメインで、女子では華名対セリーナの注目カードもありました。TAJIRIの独特な世界感でSMASHにはちょっと興味があります。
 ユニオンとDDTの後楽園昼夜興行もありました。金本やビッグ村上らのゲスト参戦もありましたが、石川修司が東郷からKO−D王座を奪取し、高木三四郎にも勝利して、主役を張りました。石川のデカさは魅力です。
 ドラゲーは愛知県体育館のビッグマッチで、望月がYAMATOに勝利し、ドリームゲート王座を初防衛しました。41歳ながら元気いっぱいの王者にはまだまだ頑張って欲しいと思います。
 ブシロードレスリングの後楽園大会ではK−1MAXに本王者の長島自演乙雄一郎がプロレスデビューしました。ブシロードはカードゲームなどの開発・販売を行う会社とのことですが、私にはまったく馴染みがありませんでした。長島はもともとプロレスが好きで格闘家になったということですが、その辺がまだよく伝わってこなかったので、だいぶ冷めた感じで捉えていました。プロレスをやるには体が小さ過ぎるというのもありました。サムライTVのニュース映像で見ただけですが、しっかり体重を増やしていましたし、練習を積んだのが伺えるいい動きをしていました。それなりに本気度は感じられました。それでもあれだけの対格差、キャリアの差があって、一瞬の丸め込みとはいえ、佐藤耕平負けるのはどうかと思いますが。IGFへのバンナの参戦といい、K−1は本当に噂されるようにヤバい状況なのかもしれません。今後もK−1の選手がプロレスに流れてくるのなら、本気でプロレスをやるというのが大前提ですが、うまく活かせるようにして欲しいと思います。
 みちのくの東北ツアーも再開しています。レスラーも被災地の方々も頑張って欲しいです。
 5月8日、ノア有明コロシアム大会を観戦しました。やはりガラガラでした。カードも悪くはなかったですし、内容も悪くはなかったのですが。
 メインは杉浦対鈴木みのるのGHCヘビー級選手権でした。やはり新日出身とノア出身ではベースが違うというのを感じました。何か噛み合っていなかった気がします。杉浦は本当に頑張っているし、素晴らしい王者だと思います。11度の防衛も立派な記録です。それでも観客動員に結びつきません。
 高山&佐野対秋山&斎藤のGHCタッグ選手権、鼓太郎対マルビンのGHCジュニア選手権もいい試合でしたが、内容も結果も予想通りでした。
 ヨネ対ノーマーシーのハンディキャップマッチもあまりにも予想通りの展開でした。もともとまともにシングルでやってもKENTAがヨネに勝つんじゃないかという状態ですから、むしろKENTAが出ずに金丸が勝ってしまうくらいのことがないと驚きません。
 KENTAが試合後、仲田龍に噛み付いていましたが、そうなればファンはフロントではなく、レスラーを支持するのは当然のことです。 大会場がガラガラで当たり前のようになっている現状では、確かに何かしなければいけないのでしょうが、何をしたいのかが今一つ見えてきません。
 女子では2団体が旗揚げしました。まずは井上京子のディアナ。京子は団体にこだわりがあり、借金をして道場兼常設会場を確保しました。その姿勢はいいと思いますし、新人ながらSareeeは非常にいい素材です。女子のメッカだった川崎市体育館でもビッグマッチを開催しました。アンドレアル・マザーという130キロの超巨漢レスラーが初来日し、これも面白そうです。
 もう一つはレイナです。今一つ良く分からない団体でしたが、堀田が選手兼スーパーバイザーで、CMLLとパイプがあるということです。栗原あゆみも出場していますが、こちらもやはり再デビュー組の新人が今後の鍵を握っていると思います。
 そんな中、野崎渚解雇のニュースは驚きでした。事情はよく分かりませんが、将来が期待される選手だったので残念です。春日萠花を脅迫していた男が逮捕されたというニュースもありました。女子プロが話題になるのはいいのですが、これらはあまりいい話題ではないですね。
 新日はアメリカ、ノアはヨーロッパ遠征がありました。新日では棚橋がチャーリー・ハースに勝利してIWGP王座を防衛するなどしました。新設されたIWGPインターコンチネンタル王座はトーナメントを制したMVPが初代王者となりましたが、乱立するベルトを統一するというIWGPの趣旨からしてインターコンチネンタルって何?という感じで。
 ノアでは杉浦が3日連続の防衛戦を行い、小橋の記録を超えるGHCヘビー級V14を達成しました。海外で、ちょっと落ちる選手を相手に記録を達成してしまったというのが、何かちょっとという気がします。
 新日6.18大阪で、バーナード&アンダーソン対高山&佐野のIWGP&GHCタッグ選手権が決まりました。初のタッグ統一戦で非常に面白いと思います。
 その間に全日は後楽園大会を行い、武藤とKENSOがタッグを組み、ムタが登場するという出来事や、KAI対カズの世界ジュニア挑戦者決定戦、諏訪魔と永田、征矢&真田と関本&岡林の前哨戦などがあって、6.19両国で、KENSO&ムタの世界タッグ挑戦、稔対KAIの世界ジュニア選手権、関本&岡林対征矢&真田のアジアタッグ選手権が決定しました。ビッグマッチに向けて盛り上げているという感じでいいです。