Vol.188 みちのく後楽園、スーパージュニア


 6月5日のみちのく後楽園大会を観戦しました。東郷のみちのくラストマッチでサスケとのシングル戦が、セミでしたが、目玉です。それが九龍の乱入でノーコンテストになってしまったのですが、そこにデルフィンが登場。東郷&サスケと3人で急きょタッグを組んで、九龍のウルティモ&野橋&ラッセに勝利するというサプライズでした。3人の因縁を知る者にとっては何ともドラマチックな展開でした。20年のドラマの最終回といったところです。これがプロレスの素晴らしいところです。
 メインは正規軍対九龍の5対5イルミネーネーションマッチでした。席が2列目ということもあり、場外乱闘に巻き込まれつつ、とても楽しめました。沼二郎の歌謡ショーに始まり、ツボ原人の捨て身のお笑いもあり、FUNAKIも登場し、とてもいい興行でした。
 10日も後楽園で新日ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア決勝戦を観戦しました。大盛況、大盛り上がりでした。準決勝でアポロ55対決がありましたが、これはやはりお互いに遠慮があったのか、イマイチの内容でした。結局丸め込みで田口が勝って、飯伏との決勝となりました。飯伏は確かに素晴らしいですが、それでもここは田口が勝たないとというところだったと思うのですが、結果は飯伏の勝利でした。いい試合でしたし、いい興行ではありました。今年で18回目のスーパージュニア、やはりしっかりブランドとして定着しています。
 そして18日には大阪府立でビッグマッチがありました。客入りも良く、盛り上がったようです。だいぶ勢いを取り戻してきました。その中でも一番乗っているのがIWGP王者の棚橋です。後藤がちょっとメキシコ遠征いったくらいでは勢いを止められなかったのも当然だったと思います。
 史上初となるIWGPとGHCタッグのW選手権もありました。外人のバーナード&アンダーソンが王者だったのでどうかと思いましたが、見事に2冠統一に成功しました。立派です。IWGPジュニア選手権は、王者のデヴィットも絶好調だったので、まさかと思っていましたが、飯伏が王座を奪取しました。飯伏は確かに素晴らしい選手ですが、インディー団体に流出というのはいただけません。どちらの王座もこれからどうなっていくのかが大事です。注目したいと思います。
 他にも新しい動きとして、真壁と小島のタッグ結成。鈴木みのるの新日侵攻開始がありました。この動きの今後にも注目です。
 全日では、大変な不祥事がありました。5月29日の神戸大会の試合後にスーパー・ヘイトこと平井伸和選手が体調不良を訴え、嘔吐、意識を失ったため神戸市内の病院に緊急搬送され、急性硬膜下血腫で緊急開頭手術を受けました。その後、TARUが試合前に控え室でヘイトを殴打したことが明らかになり、直接の因果関係は分からないものの、TARUは出場を無期限に自粛。VMは解散となり、控え室にいた稔、KONO、MAZADAの3選手も無期限出場停止となりました。さらには武藤が社長を引責辞任するという事態に発展してしまいました。
 19日の両国大会もカード変更などの影響を受けました。メインは変わらず、諏訪魔対永田の三冠ヘビー級選手権でした。今こそ諏訪魔が全日を守らねばなりませんが、チャンピオンカーニバルを制した永田にリベンジを果たし、王座を防衛しました。
 世界タッグ王座決定戦は、KENSO&ムタが危うさを見せつつも新王者となり、アジアタッグ選手権は、真田&征矢が大日本の関本&岡林から王座を奪回。世界ジュニア王座決定戦は、若いKAIが近藤超えで新王者となりました。船木はK−1王者の京太郎のプロレスデビュー戦を退けました。全体的に様々なドラマがハッピーエンドという大会でした。鈴木みのるが契約を満了、和田京平レフェリーが退団するなど変化の時でもあります。厳しい状況に変わりはありませんが、今後に注目していきたいと思います。
 三沢の三回忌に当る13日にはノアが大阪で三沢光晴メモリアルナイトを開催しました。個人的には、自分の年齢が三沢の享年に追いついてしまったというのが複雑な気持ちです。
 そのリングに小橋健太が上がり、7月23日の大阪府立大会で復帰することを発表しました。09年の12月23日以来、両ヒジの負傷のため長期欠場中でしたが、まったく復帰の声が聞こえてこなかったのですが、突然のニュースでした。両ヒジは万全の状態ではないとのことですが、無理はして欲しくありませんが、やはり復帰は嬉しいですし、頑張って欲しいと思います。
 メモリアルマッチも3試合行われ、潮崎対バイソン、秋山対小川、斎藤対鼓太郎という三沢にゆかりのある顔合わせで熱戦が繰り広げられました。三沢の勇姿は忘れようがありません。