Vol.189 GENOME16、スターダム後楽園


 7月3日の後楽園ホールはゼロワンと新日の昼夜興行がありました。ゼロワンは破壊王7周忌興行で、メーンは橋本大地対高山善廣の一騎打ちでした。新人ながら大物との対戦が続きくのは、いいことなのか悪いことなのか分かりませんが、いずれにしても橋本真也ジュニアとしての宿命であるわけで、実力はまだまだですが、いいものも持っていると思います。プロレス界を引っ張っていく存在になって欲しいと思います。
 新日はバーナード&アンダーソン対棚橋&後藤のIWGPタッグ選手権に、メキシコから帰国した中邑の復帰戦、平澤光秀改めヒデオ・サイトーの凱旋マッチ、真壁&小島のタッグ結成、鈴木みのるの新日侵攻本格開戦と見所の多い大会でした。サイトーは永田を標的にし、狂気のファイトも徹底していていいと思います。試合が終わると平澤に戻り、試合中のことは覚えていないというのも面白いと思います。
 ともに夏の本場所を控えており、出場メンバーの発表がありました。新日のG1は20選手が出場で、鈴木、高山の出場もあり、豪華ではありますが、少数精鋭の真のトップ選手のぶつかり合いの方が私は観たいと思います。ゼロワンの火祭りは10選手、曙とか澤田とかはどうかと思いますが、関本やゼウスは面白いと思います。
 7月10日はTDCホールで行われたIGFのGENOME16を観戦しました。以前はテンポの良さが心地よかったのですが最近は進行が悪く、今日は9試合と試合数も多かったのですが、開始が20分以上遅れ、いちいち煽りVも入り、3時間半もかかりました。冗長でした。リングの板がずれるというアクシデントもあり、そこは猪木がトークで間をつないでいたのはさすがでした。
 驚異のパワーで無敗の快進撃を続けるエリック・ハマーとK−1のレイ・セフォーの対戦には興味がありました。ハマーがパワーで圧倒し、セフォーは何も出来ず、再三ロープに逃げられましたが、逆十字固めで仕留めました。プロレス強しという結果に大満足でした。
 タッグマッチながら、藤波と橋本大地の対戦も感慨深いものがあります。大谷もいることで安心して観られるプロレスらしい試合になりました。マスクドゲノムJrはやはりイマイチなんですが。それにしても実際にリングで対峙してみると、藤波と大地は体の圧さ、経験、貫禄、すべてが違い過ぎました。大地はまだまだ経験を積まなければなりません。
 セミの鈴川対鈴木にも期待していたのですが、とてもプロの試合とは呼べないし、喧嘩というほどの迫力もない小競り合いに終始し、ノーコンテストとなりました。蝶野が登場しても収拾は着かず、訳の分からないうちに再試合となりましたが、またも同じ展開でノーコンテストとなりました。もはや続けろという声はなく、早く帰れという状態でした。鈴川は前回のバンナ戦の負けっぷりを評価していましたし、鈴木の体格の良さには将来性を感じていたのですが、こんな試合をしているようではまったくの期待外れでした。澤田がもうまったく駄目なので、日本人ファイターは全然駄目で、その辺がIGFの課題です。第1試合に出た定アキラも素材はいいと思いますが、まだまだでした。
 久し振りに登場したジョシュはラシュリーをまずまずの内容で下しました。メインではバンナがハマーをKOしました。ハマーの突進をうまく裁いていましたし、ローキックとボディーブローが効いていました。この2人でIGFチャンピオンシップの決勝が行われることになったわけですが、これはどんな試合になるか興味深いです。
 猪木に挑戦状を送りつけたミスターTは東スポ仮面でした。8.27オールスター戦を主催するのが東スポで、猪木も同日に興行戦争を仕掛けているということで、そのネタでした。やはりオールスター戦と聞くと心躍りましたし、IGFが発表された時にはもうオールスター戦の方のチケットを購入済みでした。順番が違っていればIGFを選んだかもしれません。どちらも観たいので、出来れば別の日にして欲しかったのですが、確かに興行合戦でどちらも更に盛り上がって、どちらも満員になればいいのですが。
 バッティングしたノアの有コロ大会は観に行きませんでしたが、やはり客入りは悪かったようです。潮崎が杉浦に勝利してGHC王座を奪取したのは予想外の結果でした。杉浦は本当に立派な王者でしたが、観客動員には結びつきませんでした。潮崎になってどう変わっていくのか、期待したいと思います
 ジュニアの鼓太郎も予想外に長期政権となっています。ノーマーシーは高山が加入したことで、活動の場が広がりました。活気づいてきた新日と比べると低迷しているノアですが、頑張って欲しいと思います。
 23日には大阪で小橋が577日振りに復帰しました。まったく復帰の気配がなくて心配していたのですが、唐突に復帰が決まりました。もう全盛期には戻れないでしょうが、やはり小橋がリングにいるといないとでは大きく違います。少しでもコンディションを上げて、また素晴らしいファイトを見せて欲しいと思います。
 24日はスターダムの後楽園大会を観戦しました。低迷する女子プロレス界ですが、スターダムは女子プロの核になれる団体だと思います。客入りもまあまあで内容も良かったと思います。エースで15周年を迎えた高橋奈苗は、全女直系最後の選手で、長与の弟子である仙女の里村と並ぶ現在の女子プロのトップ双璧と言っていいでしょう。赤いベルトと白いベルトの新設もいいと思います。オープニングの15周年セレモニーで中西、納見、脇澤が登場したのは懐かしかったです。
 第1試合は星輝&岩谷と須佐&鹿島のティーンズによるフレッシュなタッグマッチでした。星輝と岩谷のタッグチームはアイドル性もあり、なかなかいいです。期待の美少女レスラー鹿島沙希もルックスだけでなく、レスラーとしていい素質が感じられました。
 白いベルトは愛川ゆず季と世IV虎で争われましたが、この2人はグラドル、新人とは思えないセンス、実力を見せており、いいライバルだと思いますが、この日もとてもいい試合をやりました。
 赤いベルトは4人によるトーナメントで、美闘陽子もルックスが良く、体格もよくて、空手の実績があり、期待の選手なのですが、蹴りの精度が悪く、力強さもあまり感じられず、まだまだです。まあ愛川ゆず季と世IV虎が驚異的なので、美闘もキャリアを考えれば、頑張ってはいると思います。長野美香はたたずまいが美しく、関節技のキレの良さに加えて、プロレスの投げ技もこなし、とても良かったです。マルチネスもなかなかいい選手でした。マルチネス、美闘を連覇した高橋奈苗が赤いベルトを獲得しましたが、納得の結果でした。最後には柴雷イオが登場し、奈苗とのタッグ結成、スターダム参戦を直訴するサプライズもありましたが、大歓迎です。いい興行だったと思います。
 同じく24日はDDT両国大会がありました。こちらはサムライTVで観戦でした。3年連続の成功、そして来年の15周年には武道館に進出と大健闘しています。メインは石川対KUDOのKO−D無差別級選手権でしたが、もともと弱いと言われていたカードで、私には両選手に対する思い入れがまったくありませんでしたが、内容的には両国のメインに恥じないもので、メジャーと遜色ありませんでした。
 飯伏はデヴィット相手にIWGPジュニア王座を初防衛しました。デヴィットの2連敗はいただけません。サップ対ディーノは完全なお笑いで、サップももうこれしか生き残る道はないのかという感じでした。インディーでも頑張れるというのはいいことですが、メジャーの実力が落ちているのではないかと感じられることもあり、どうなんだろうなあと思います。