Vol.191 INOKI GENOME&ALL TOGETHERの後


 9月3日にGENOME17愛知大会が開催されました。両国での裏オールスター戦から1週間後でしたが、それなりのカードが揃いました。選手が揃ってきたということなのでしょう。今やK−1のバンナがエースで成り立ってしまうというのは他のプロレス団体では考えられないことです。
 そのバンナはメインでノンタイトル戦ながら大巨人モンターニャ・シウバと対戦しました。2人とも暴走癖があり、危ない感じがしましたが、最後のロープに足を引っかけさせてのパンチラッシュは反則ではないかと思います。シウバも試合後レフェリーを突き飛ばすなど暴れて、一歩間違えばというやはり危ない試合でした。
 セミには藤田、カシンがタッグで出場しました。2人ともブランクが長いので、特に藤田の体はポテッとしていてコンディションがイマイチのようでしたが、続けて出場すれば、もっとやれるのではないかと思います。対戦相手はボビー・ラシュリーとハリー・スミスでした。ラシュリーは既に実績のあるいい選手ですが、ハリーはデイビーボーイ・スミスの息子で、体格があり、見栄えも良く、いい選手です。今はまだ物足りないところがありますが、今後が期待できます。エリック・ハマーも強靭な肉体とパワーで強烈な存在感を示しており、外人選手は充実しています。
 対する日本人ですが、鈴木秀樹はピーター・アーツと対戦しました。とにかく体がでかくて将来性が期待される選手ですが、鈴川戦ではお互いに未熟さを露呈してしまいました。今回は序盤はアーツをレスリングで押しており、善戦したと思います。ただ極めきれず、最後はラッシュを受けてしまうというパターンでした。
 鈴川は澤田と一騎打ちでした。試合内容は意外に良かったと思います。澤田は小川との師弟対決も意外にいい内容でしたし、少しはましになったかなと思います。ただレフェリーストップで負けた後に、うだうだとやり合う場面があり、こういうところが駄目なのだと思います。日本人選手がもっとレベルアップしないと外人勢に対抗できません。
 次は12月2日に再び両国でINOKI BOM−BA−YEの開催が決まっています。3カ月も空いてしまうので、もっと興行をやって欲しいところです。
 AT後の3団体もそれぞれの動きに戻っています。来年仙台で第2弾が予定されているとはいえ、そこまで3団体が線でつながっていくことはないようです。
 新日は神戸で棚橋対中邑のIWGP戦がありました。中邑のG1優勝を受けてのものです。やっと期待通りに中邑が優勝して、今年のG1は大満足でした。今度はIWGPも取ってくれると思っていたので、結果には非常にがっかりでした。G1準優勝の内藤が高橋にも勝利して台頭してきましたが、まだまだというところで、棚橋時代がまだ続くのでしょうか。個人的にはとにかく中邑時代の到来を待っているのですが、またしても遠のいてしまいました。
 飯伏の負傷欠場も残念でした。デヴィットが新王者になりましたが、飯伏から取り返さないと格好がつきません。復帰再戦が待たれます。
 小島の再入団というニュースもありました。フリーでやっているよりは入団した方が良いのでしょうが、そうなると一体何のために全日に行ったのか分かりません。
 全日にはノアの秋山が参戦し、諏訪魔との三冠戦が決定しました。ATからの流れではなく、以前からの諏訪魔の発言に秋山が呼応したものです。全日時代に三冠戴冠の経験がない秋山の挑戦は興味深いところです。
 KENSOは独自の異色路線に磨きがかかっています。ジュニアのリーグ戦もケニー・オメガ、金本なども参加して面白かったと思います。世界ジュニア王者のKAIが決勝で金本を破って優勝したのは大きな実績です。ただ武藤がリングから離れているのが寂しく思います。
 ノアはノーマーシーとアンチノーマーシーの抗争が激化し、選手会興行に出る出ないというやり取りがありました。会社から給料貰っているなら出ろという杉浦の主張はもっともだと思いますが、結局、潮崎が杉浦対KENTAをGHC次期挑戦者決定戦にするとして、KENTAが参戦を承諾するという決着。KENTAは理不尽であってもボイコットしなければ逆に筋が通らないところでしょう。やはり何がやりたいのか今一つ分かりません。
 23日の後楽園大会で、潮崎対高山のGHCヘビー級選手権が開催されました。後楽園でのGHC戦は、かつて新日でも後楽園でIWGP戦が行われたときと同様、賛否両論だと思いますが、ノアの現状を考えればやむなしというところでしょう。潮崎が防衛しましたが、高山のコンディションを見ると妥当な結果という気がします。ノーマーシ対アンチとは離れたところで行われたGHCジュニア選手権では、外敵の中嶋が王座を奪取しました。意外でしたが、実力的には文句なしです。