Vol.194 プロレス界は元気ですか?


 12月2日はIGFの「INOKI BOMーBA−YE」両国大会を観戦しました。遂に実現したバンナ対ジョシュの大一番がメインでしたが、客入りは悪かったです。バンナは今やK−1というよりもGENOMEファイターとして認められていますし、ジョシュは前回のドタキャンで大きくイメージダウンしているので、ちょっとタイミングが遅かったかなと思います。バンナもグラウンドに慣れてはきましたが、序盤はジョシュがテイクダウンも取り、グラウンドで圧倒し、何度もロープに逃げられたものの、そうち極められるだろうという展開でしたが、一瞬の打撃で逆転し、バンナがKO勝ちで王座を防衛しました。何となくそんな結末も予想されましたし、プロレス対K−1という構図は薄れ、IGFの試合という思いだったので、まあこんなもんかという感じでした。
 猪木は先日来日したブータン国王のコスプレで登場しました。美人の女王が話題になりましたが、猪木に似ているという評判もあったので、ヒットな企画だったと思います。プロレスファンで猪木とも親交があるという野田総理から直筆メッセージが届いたということも紹介されましたが、他にこれといったパフォーマンスはありませんでした。休憩時間もなく、試合時間も短いので、とてもテンポの良い興行でした。
 日本人によるトーナメントの開催で各団体に参加を呼びかけていましたが、結局賛同者は現れず、セミは鈴川と鈴木の再戦となりました。前回は感情むき出しで、とてもプロのレベルに達していない試合をしてしまいましたが、今回はまともな攻防になりました。ただ野次も飛んでいたように「つまらない」試合となってしまいました。鈴木が関節を極めましたが、鈴川はギブアップせず、レフェリーストップとなり結末もスッキリしませんでした。試合後の鈴木のマイクアピールにもまったく共感できませんでした。とにかく数ヶ月に1試合では場数が足りないのだと思います。海外での修行もいいですが、もっともっと試合数を増やしてあげたいところです。
 そういう意味では4日に震災復興イベントとして行われた「闘魂祭りinいわき」はいい機会だったと思うのですが、メインで鈴木&澤田対鈴川&モンターニャ・シウバという危なげな顔合わせでノーコンテストとなってしまいました。ただこういう形でもいいので、どんどん試合数を増やして、地方巡業もやっていかないと成長しないと思います。
 4日は新日、全日もビッグマッチがありました。新日は愛知県体育館で、棚橋対永田のIWGPヘビー級V10戦が開催されました。記録保持者の永田を破り、最多タイの防衛を記録しました。この1年間の棚橋の安定感は大したものです。バーナードに勝利した鈴木みのると新記録をかけてドームで対戦となりましたが、本当にATの第2弾に王者として出場出来そうな勢いです。
 唐突な感じで勃発した中邑と内藤の抗争でしたが、ここは中邑の勝利に終わりました。内藤も飛躍の1年ではありましたが、やはり中邑はこんなところでつまづいているようでは困ります。何とか棚橋をストップしてエースの座に返り咲いて欲しいところです。
 全日は横文で最強タッッグの優勝戦がありました。飛び抜けたチームがなく大混戦となりました。大森&征矢学のゲットワイルドがブレイクの予感も後半に大失速。KENSO&カズのチームビチッともまったく得点が伸びず、諏訪魔も征矢匠とのタッグでは苦しかったようです。1位の船木&河野と2位の真田&KAIは、結果的にバランスの良いチームだったのでしょう。優勝決定戦で真田&KAIの新世代コンビが優勝したのは、いい結果だったでしょう。
 14日は小島の20周年記念興行を観戦しました。スタン・ハンセン、川田利明、アニマル浜口など多彩なゲストが登場し、最後にはサプライズで武藤が登場、内藤が負傷欠場になってしまったのは残念でしたが、ハッピームードで良かったです。
 年末には上田馬之助さんの訃報もありました。往年の名レスラーがどんどんいなくなって寂しい限りです。
 大晦日恒例の格闘技も地上波放送はなしで寂しいです。猪木を担ぎ出したりして、ヒョードル対石井というカードは実現させましたが、もうかつてのような話題性はありません。
 プロレスも格闘技も相変わらず低調な1年でした。今年こそは盛り上がって欲しいと思います。