Vol.196 三冠戦、IWGP戦、IGFチャンピオンシップ


 2月3日の全日後楽園大会は豪華版でした。超満員札止めも納得です。メインは秋山対大森の三冠ヘビー級選手権でした。秋山が三冠を獲ったことで生まれた新展開です。同期の大森が全日に再入団し、王座挑戦。結果は見えていましたが、予想通り2度目の防衛に成功し、次期挑戦者に武藤を指名。リング上で握手しました。
 世界ジュニア選手権は、ケニー・オメガがカズ・ハヤシを下し、3度目の防衛に成功しました。こちらも近藤とKAIが挑戦を表明し、近藤が指名されました。
 王座が他団体に流出したままの全日ですが、これで3.20両国で、秋山対武藤の三冠戦、オメガ対近藤の世界ジュニア戦が決定しました。世界タッグに向けてもゲットワイルドとチームビチッとが挑戦権を賭けて争っています。非常に楽しみです。
 14日は大阪でIWGP戦がありました。V11の棚橋に挑戦するのは1.4ドームで凱旋帰国したオカダでした。試合ではインパクトを残せず、挑戦表明にはブーイングも起きました。その後、前哨戦では結果を残し続けてきました。確かにオカダは身長があり、ルックスも良く、若くて、将来が期待されます。それでも海外で大きな実績を残したわけではなく、必殺技のレインメーカーもショートレンジのラリアートではフィニッシュとして説得力がなく、会社がスター候補として売り出そうとする選手には、ファンの目は厳しくなるということもありますが、まだまだだと思っていました。
 ところが結果はオカダの勝利でIWGP王座を奪取しました。試合はサムライTVや週プロでチラッと見ただけなので何ともいえませんが、この勢いが本物なのかどうかはこれからの闘いで明らかになると思います。そうすんなり行かない方が本人のためにもいいと思いますが。
 大阪府立が札止めになったのは、オカダという新しい力の台頭は大きかったと思いますが、他にもいいカードが並びました。
 セミでは内藤が中邑に勝利しました。そんな気もしていたのですが、中邑にもそろそろエースに返り咲いてもらいたいと思っていたので、個人的には残念でしたが、オカダと内藤がIWGPを争うという新しい展開が生まれたことは良いことなのだろうと思います。
 IWGPタッグ戦は、テンコジがバットインテンションズを下し、初防衛に成功しました。これは予想通りでした。ドームの再戦でしたが、これでこの対決は一区切りでしょう。高山&アーチャーが挑戦に名乗りを上げましたが、テンコジにはもう一時代築いてもらいたいと思います。
 IWGPインタコンチはそもそもIWGPの趣旨からして必要ないタイトルだと思いますが、後藤が田中に勝利して王座を奪取しました。これも予想通りの結果でした。他団体の選手に後藤は負けが続き、伸び悩みましたが、ドームでの杉浦に続いて、この勝利で少しは借りが返せたかと思います。ただこんな中途半端なベルトで立ち止まっている場合ではないと思います。
 IWGPジュニアタッグは、アポロ55がロメロ&リチャーズに敗れ、王座交代しました。これは予想外でしたが、この4人の闘いはまだまだ続きそうです。
 17日はGENOME18TDCホール大会で、IGFチャンピオンシップがあり、観戦しました。バンナ対アーツというK−1対決でしたが、IGFのリングで行われるというのは興味深かったです。
 3分15R、グローブの着用は自由というルールで、2Rまでは両者がグローブを着けての打撃戦でしたが、3Rにバンナがグローブを外し、グラウンド技術の差を見せ、逆十字固めで勝利しました。札止めの盛況でした。マイク・ベルナルド選手が急死という報が入ったばかりで、この対戦というのは何か因縁めいたものを感じます。
 八百長問題で大相撲を廃業した元霧の若が将軍岡本としてデビューしました。相手のサップが相変わらずのダメダメ振りでしたが、期待のできる試合内容で勝利しました。黒のロングタイツで、力道山にそっくりな風貌でした。ぶちかまし、突っ張りで押し、サップの巨体も投げ飛ばしました。本来、相撲取りは強いと思います。鈴木はタカ・クノウに勝ったものの内容はパッとしませんでした。鈴川は澤田とのタッグでしたが、伸び悩んでいます。彼ら日本人がもっと頑張れば、もっと面白くなるのですが。