Vol.210 スターダム両国シンデレラ、ゆずポン引退試合


 4月は、新日の両国大会でオカダが棚橋を破り、IWGP王座を奪回。全日はチャンピオン・カーニバル、ノアはグローバルタッグリーグ戦といった大きな試合もあったのですが、ゆずポンの引退まで1カ月ということでスターダムに専念しました。
 14日は新木場で昼夜興行。昼はゆずポンのラスト新木場で、スターダム全選手と各1分のラストマッチでした。プロレスを始めたときの練習場であり、一番多く試合をした新木場1stRINGということで思い入れも強かったのでしょう。入場してきた時点で涙でした。
 対戦する選手の登場順は発表されず、その場で分かるというものでしたが、1番目が最後に白いベルトを巡って因縁というか絆が生まれた惡斗だったので、涙が止まらず、お互いに泣きながらエルボー合戦、蹴り合いという1分間で、最後には抱擁だったので、見ている方もグッときてしまいました。
 2人目はあまり馴染みのない米山香織でだいぶ持ち直し、新人の吉乃すみれと横尾由衣、そして須佐えりと岩谷麻優には4連続で1分以内に勝利してみせました。9人目、大親友のワッキーには泣いた振りからキス攻撃をされ、高橋奈苗との対戦では、いきなりSTFに捕えて、奈苗の「終わりたくない」という叫びも空しくがそのまま1分経過で、笑いを誘いました。
 12人目はゆずポンがデビュー戦の相手を務め、タッグパートナーでもあり、引退が決まって対戦を直訴するなど強い思い入れを持った夕陽との対戦でした。頭突きを浴びて鼻血を流すアクシデントもあり、さすがにヘトヘトの状態になりました。それでも15人目のサプライズ登場の朱里までを戦い抜きました。
 しかし、ここでは終わらず、引退試合での対戦を強く望んでいたものの叶わなかった高橋奈苗が再び登場しました。今度は1分間思い切り闘いましたが、ゆずポンのキックで奈苗が眼下底骨折を負ってしまいました。このときにはそこまでの大怪我とは思いもせず、夜の部でパッション・セブンが米山だったので どうしたのだろうと思ったのですが、後でサムライTVで見ると、奈苗が四つ這い状態ときにゆずポンが顔面を思い切り蹴り上げていて、これはかなり危険な攻撃でした。ただ、このときのゆずポンは極限状態だっただろうし、デビュー戦からずっと激しい戦いをしてきた2人であれば、こうなってしまうだろうとも思えます。ただ奈苗はまったくめげることなく、両国大会にも出場するという怪物振りを発揮したので、かえって良かったのかもしれないとさえ思えるほどでした。
 そして夕陽も再戦を直訴して、遂に17人目で力尽きました。これはもう仕方のないことです。試合後には引退試合の相手ということでこの日は登場したかった世IV虎が挑発に現れ、ゆずポンも両国に向けて闘志を見せてくれました。
 私も最初は新木場には抵抗があったのですが、近くで観戦できるし、試合後の売店で触れ合うことができますし、何度も通って馴染みの場所になっていましたから、思い入れのある会場のラストマッチだったわけですが、充分に堪能できました。
 そして夜はスターダム全選手が一夜限りのマスクウーマンに変身し、ラストマッチとなるゆずポンマスクがマスカラスとコラボするという夢のような興行でした。水道橋デポマートの先行発売でVIP席を購入して、特典のゆずポンマスク応援マスクもGETしました。
 私のプロレスファン歴は子供の頃のマスカラスから始まっているので、最近の仮面貴族FIESTAはずっと行っていますし、もうスカイハイが流れただけでグッと来てしまうのですが、この日はゆずポンマスクとのタッグということで、本当に忘れられない1日となりました。
 女子プロレスで久し振りの両国大会、超ビッグマッチということで、ゆずポンの引退試合の他も様々なカードが組まれました。3月の後楽園でベルトがモンスター軍に流出してしまうという非常事態となりましたが、スターダムの未来を担う選手たちが奪回に挑むということになりました。イオが大阪でトーナメントを制して赤いベルトに挑戦。タッグに挑戦を表明した宝翔天女は木村にこき下ろされ、新木場では翔月が髪を切られました。ゆずポン引退ロードを追いかけて、それらも見ているので両国大会に対する思い入れは相当なものになってしまいました。
 イベントもいろいろ開催され、15日には風香のドロキジャック。もう何度か参加しているのでだいぶ馴染んできました。21日にはゆずポンFINALイベント。引退直前に間近でゆずポンと会えることができて本当に良かったです。23日には柴雷イオイベント。こちらも何度か参加していますが、両国で赤いベルトに挑む本人と話すことができるは凄いことですね。
 そしていよいよあと2日となった27日には、まず昼に表参道アリストトリストで風香&フィーメルのサイン会。蝶野のショップということで興味はあったのですが、初めて行き、スタジアムジャケットを購入しました。良い機会になりました。フィーメルはとにかくでかいです。女子ではレスラーといえども自分より背の高い人はまずいないんですが。試合会場とはまったく違ってすごく感じが良かったです。サインも貰って貴重な体験でした。
 そして夜はレセプション・パーティーに参加しました。まったくどんな感じになるのか分かりませんでしたが、選手たちと間近に接することができて、これが本当に素晴らしくて、スターダムLOVE全開になってしまいました。
 そして遂に迎えた29日。全席を解放していたこともあり、かなり空席が目立ちましたが、5500人ということで、久し振りの女子の両国大会としては、まあ健闘した方かなと思います。
 いつものKちゃんパンドと風香GMのダンスパフォーマンスに、選手入場式では全員がティアラを付けて入場し、ゆずポンも笑顔で登場しました。オープニングムービーは、ゆずポンが「時をかける少女」の原田知世になって、様々な場所で他の選手と競演するという映画と同じ演出で、この映画がまさに青春の私の世代にとっては、かなりグッとくるスタートでした。第1試合では横尾と吉乃の新人コンビがアイスリボンとの対抗戦に勝利し、第2試合ではワッキーが豊田真奈美に勝利するという大番狂わせで、選手が一丸となっているのが感じられ、出だしは本当にいい感じでした。
 ゆずポンが巻いていた白いベルトの新王者決定戦は、これまでのいきさつから何としても惡斗に獲って欲しかったのですが、ダーク・エンジェルに敗れてしましました。そして木村&ヘイリー対宝翔天女のタッグ戦も、宝翔が勝には勝ちましたが、内容がまだまだでした。眼下底骨折をものともせず出場した高橋奈苗は、6人タッグでしたが、さすがの試合をしてくれましたが、赤いベルトはイオが奪回したものの、こちらも内容は満足のいくものではなく、この辺りをもっとしっかり闘ってくれれば、もっといい興行になったと思うのですが、まあ精一杯頑張ってはいたのでしょう。
 そしてゆずポン引退試合は、世IV虎に敗れてしまいましたが、それも仕方のないところです。内容もこれまでのゆずポンの試合と比べれば、そこまでのものではありませんでしたが、これも仕方のないところでしょう。今出せるものは出し切ったと思います。
 引退セレモニーはとても暖かくて良かったです。白いベルトも結局ゆずポンに寄贈されて、新ベルトが作成されることが発表され、本当に良かったと思います。10カウントの後、場内が暗転し、早着替えでシンデレラの衣装で最後のグラビアポーズはゆずポンならではのラストでした。
 ゆずポンが悔いはないと言っているので、悲しさはありませんでした。発表する1年前から引退を決めていたということですし、ゴールを決めていたからこれだけのことが出来たのだろうと納得もできました。本当にいい時期にいい形で引退できたと思います。もうこんなレスラーは現れないでしょう。グラレスラーは伝説になりました。
 最後のツーショット撮影会をやってくれたのも、一言ですが言葉が交わせて嬉しかったです。本当にプロレスをこんなに一生懸命にやってくれてありがとうという気持ちです。これから何をやるにせよ応援してしまうんだろうなあ。