Vol.218 2013年のプロレス界


 12月8日、スターダム新木場大会を観戦しました。2013年最後の新木場。プロレスファンの聖地は後楽園なので、キャパの小さい会場で最初は抵抗があったのですが、今やすっかりホームリング感覚です。
 この日は彩羽匠とコグマとの新人王戦が注目でした。彩羽は体格も良く、剣道での実績もあるアスリートで、長与千種に憧れてレスラーになったという今時は珍しくなってしまったボーイッシュな風貌の選手で、デビュー前から期待を集め、両国で里村戦でデビューしたゴールデンルーキーです。対するコグマは小柄ながらプロテストで圧倒的な強さを見せ、即デビューが決まった15歳の逸材です。とはいえデビューしてまだ1カ月、彩羽の一期後輩ということで、分が悪いのは明らかでしたし、ドロキで会うと本当に純朴な子なので、応援していましたが、結果はやはり彩羽の勝利でした。それでも充分に健闘したと思いますし、本当にゴールデンルーキー以上の逸材なのじゃないかと思わせるものがありました。
 メインの夏樹&夕陽対イオ&米山のハイスピードタッグ戦も本当に素晴らしかったですし、 世IV虎、フィーメル、麻優の3WAY戦も、七海里+ナナミホ対対等タッグ+モンスター軍の6人タッグも面白かったです。スターダム新木場大会に外れなしです。
 12月はタッグリーグの季節です。新日はワールドリーグ戦で、アンダーソン&ギャローズがテンコジに勝利して優勝しました。そして1.4ドームの全カードが決まり、突き進んで行くという感じです。今年の新日は、東スポプロレス大賞2年連続MVPのオカダを始め、中邑、棚橋らを中心に、内藤のG1優勝もあり、バレットクラブら外人勢も充実して、飛躍を遂げた1年でした。観戦した大会はどれも面白かったですし、盛況で、盛り上がっていました。ドームにも期待大です。2014年は更なる飛躍が期待できそうです。
 全日は最強タッグで、諏訪魔&ドーリングが潮崎&宮原に勝利して優勝しました。武藤が去り、秋山らが復帰して、全日は以前の王道全日本に回帰した感じですが、新オーナーの出しゃばりがあったり、曙が三冠王者というのも納得がいかず、あまり魅力が感じられません。諏訪魔、潮崎らが頑張って盛り上げていってくれればと思います。
 武藤W−1も来年は両国に進出しますし、独自のカラーも出しているので、KAI、真田らを中心に頑張って欲しいと思います。
 ノアでは田上の引退試合がありました。これで四天王は皆リングから去ってしまいました。寂しい限りです。KENTAが頑張ってはいますが、やはりあの体格でヘビー級王者というのはどうなのかと思ってしまいます。
 29日はスターダム後楽園大会を観戦しました。本当に2013年はゆずポンとスターダムに明け暮れた1年でした。この日のメインはイオ対中島の二冠選手権で、他も豪華なカードが並びました。その甲斐あってか、ほぼ満員の大盛況で何よりでした。
 メインの時間切れ引き分けは仕方のないところでしょうか。全体的に噛み合ず、逆にそれで緊張感はありましたが、名勝負とはなりませんでした。それもこういうシチュエーションでは仕方ないところでしょうか。
 セミの奈苗&里村対世IV虎&花月もあまり戦ったり組んだりのない他団体との絡みでしたが、現在の女子プロレス界の両横綱が組めば、やはりさすがといった内容でした。仙女とはこれまでにも接点があったというのもあったと思います。夏樹と米山のハイスピード選手権は意外にも短期決着となりましたが、試合時間もハイスピードでいいんじゃないでしょうか。中身は充分に濃かったです。
 たわしーずが6人タッグ選手権を奪取したのも良かったです。5★STAR GPからあぶれた3人が連日3WAY戦を行い、タッグを結成。これまで一度も勝ったことはなかったのですが、その独特のキャラが注目を集め、遂に初勝利でベルトを巻きました。応援したくなるユニットです。
 惡斗、宝ちゃんもまだまだのところはありますが、着実に力をつけた1年でした。来年1月の後楽園で、白いベルトを賭けて、生え抜きで同期の2人が初対決というのは非常に楽しみです。
 それでもやはり大晦日は猪木です。藤田対石井は現状で最高のカードでしょう。それでも世間に届くほどのインパクトはありませんでした。格闘技ブームが去って久しく、青木、北岡といった総合の有名選手が初参戦し、格闘技色の濃い大会となりました。膠着状態を懸念していましたが、どれも短期決着で良かったです。以前、年越しのつもりで観に行ったら0時前に終わってしまったということもありましたが、15時開始で18時半に終了で、夜は家でゆっくりできるのでよいと思います。
 メインには期待はしていませんでしたが、唯一判定決着となりました。石井がチャンピオンでは今後のIGFには期待できませんね。まあ猪木劇場が観れればいいのですが。
 日本人選手も相変わらずダメでした。鈴木と岡本は第1試合で、サップ&アレク大塚と対戦し、両者リングアウトでした。延長の声も上がらず、早く帰れという感じでした。澤田はMMAルールでミノワマンと対戦し、ノーガードで、打たれても打たれてもガンガンぶつかって行き、試合は凄く良かったのですが、確かに止めるのが早かったとは思いますが、試合後にグダグダと因縁をつけて台無しでした。ミノワマンに一喝された通り、見苦しかったです。鈴川はセミで小川とタッグを組み、バンナ&セフォーと対戦しましたが、まったくいいところなしでした。小川も相変わらずで、試合そっちのけで場外のアーツとやり合っていました。シングルでや雰囲気もあったのですが、もう実現しないのでしょうか。したところでいい試合になるとは思えませんが。
 青木が継続してIGFに参戦するような発言をしていたのは意外でした。おそらく相手が弱過ぎたのでしょうが、スカッと秒殺勝利で良かったです。北岡は逆に相手が強かったようでスカッとKO負けで、これも良かったです。