Vol.245 スターダムとシードリングとAgZ


 3月6日スターダム新木場大会を観戦しました。絶対に幸せな気持ちで帰れる安定、安心のスターダムです。この日のメインはイオの9周年記念試合でした。慣れない松本浩代とのタッグで、対するバイパー&ケイトリンダイヤモンドの大型パワーに苦しめられていましたが、相変わらずのエースぶりで、最後はきっちり勝利でしっかりと大会を締めました。
 他の外人選手が帰国し、代わってアクトレスガールズから共同プロジェクトstArtのメンバーであるサオリンとなつぽいが参戦しました。AgZでも応援している2人なので素直に嬉しいです。どんな展開になっていくのかまだまったく分からないstArtですが、期待が膨らみます。
 サオリンはセミでほーちゃんとのチャレンジマッチでした。まさかこんなに早く三人娘との対戦が実現するとは思っていませんでしたし、正直大丈夫かと思っていましたが、素晴らしい試合でした。もちろんほーちゃんの力が大きいのですが、サオリンの気持ちも充分に伝わりました。あきらめずに立ち向かって行く姿勢は感動的でした。
 なつぽいは第1試合で、あずみ軍団5WAY戦に出場しました。先日の後楽園に続いて2戦目でまだ認知度が低く、イメージカラーの「黄色」呼ばわりされていましたが、得意の側転では会場を沸かせていました。充分に持ち味を発揮していたと思います。他にも麻優がスターライトキッドと組んで、桃&叫女と対戦し、桃がハイスピード挑戦を直訴。ヒロは花月とシングルを行い、新しい風景がありました。
 続けて7日はシードリング後楽園大会を観戦しました。奈七永はスターダムの時も観ていましたし、全女の若手時代から観ていました。スターダムを退団したのは意外でしたが、新しく始めたシードリングも一度観てみたいと思っていたし、平日の女子プロが観たいという友人がいたので行くことにしたら、世志琥の復帰戦が決まりました。
 あの試合は、世志琥がプロレスを辞めなければいけないようなことは何もしていないと思っています。相手にケガをさせたことは悪いです。プロレスは魅せるものですが、闘いなので、いざとなったらやるかやられるかです。凄惨といわれるような殴り合いという形でしか対応できなかったことは技術的にも精神的にも、チャンピオンとして未熟でした。
 チャンピオンになるには早過ぎたと思います。生え抜きとして、将来を担う存在として担ぎ上げられた感がありました。そもそもあの試合を組んだことも、タイトルマッチとしての仕切りも団体側の責任が大きかったと思います。騒動となった後の対応も悪かったと思います。無効試合、王座剥奪、無期限出場停止という裁定はおかしかったと思います。
 プロレスが嫌になるのも分かりますし、当時スターダムでしかやりたくないから辞めるという気持ちに偽りはなかったと思います。勝手な想像ですが、奈七永が退団してシードリングを始めたのは、世志琥を戻すためという意味があったのではないかと思います。スターダムの選手も引退セレモニーに乱入して引き止めました。その想いにも偽りはありませんでした。ただ奈七永のアプローチが正解だったのだと思います。スターダムも世志琥、奈七永がいなくなったことで、三人娘を中心として違った形ですが、すごく良い状態になったと思います。シードリングのリングで世志琥が復帰するというのは必然だったと思います。
 なので世志琥の復帰は歓迎しますが、肝心なのはリングの上でどんな闘いを魅せるかです。筋を通していないという意見もありましたが、そんなことは関係ありません。リングの上がすべてです。
 最初は奈七永に攻め込まれてスタミナが切れているように見えて、やはり1年間のブランクは大きいのかと思いましたが、猛攻に耐えて20分、最後はうまくカウンターが決まった感じでしたが、世志琥が勝利しました。その結果はちょっと出来過ぎですが、世志琥のプロレスに対する熱い思いは伝わりました。
 会場も歓迎ムードでしたが、それは世志琥のファンが観に来ているのだから当然です。観客動員も健闘したと思いますが、それでも千人弱です。もっともっとリング上から熱い思いを伝えていく必要があります。試合後、中島安里紗、山下りな、Sareeeが宣戦布告に現れ、面白そうな展開になりました。もっともっと熱い戦いを魅せて欲しいです。
 12日は再びスターダム新木場大会を観戦しました。メインは麻優対桃のハイスピード、セミはイオ対サオリンのチャレンジマッチ第2弾とフレッシュなカードでした。桃もサオリンも頑張りました。麻優もイオもさすがでした。2試合とも素晴らしかったです。ほーちゃんとヒロのカイヒロ海賊団、松本浩代とジャングル叫女Lady.Goも新鮮です。なつぽいも、黄色に続いて真木よう子呼ばわりされていましたが、存在感は示していたと思います。
 21日は3週連続のスターダム後楽園大会でした。新発売されるテーマ曲集CDに各選手が歌う歌も収録されていて、まずはそのお披露目LIVEがありました。ほーちゃんはセーラーの衣装で昭和のアイドルレスラーのよう、そしてサンダーロックは試合コスチュームで、これもらしくて良かったです。たまにはこういうのもいいですね。
 第1試合の6人タッグマッチでは、アクトレスガールズから3人目の仁科鋭美が初参戦しました。サオリンは欠場でしたが、万喜なつぽいが遂に初勝利を挙げました。ヒロがあずみからフォールを取ってのものでしたが、次は自らピンフォールでの勝利に期待します。セミでは3年振りにフィーメルが来日し、バイパーとスーパーヘビー級欧州最強決定戦を行いました。注目でしたが、反則決着は残念でした。メインはサンダーロックとほーちゃん&里村の異色タッグ対決でした。里村の実力は言うまでもなく、ほーちゃんも健闘し、それなりに連携もとれていましたが、やはりタッグチームとしてはサンダーロックが1枚も2枚も上でした。とても華やかで盛り沢山な興行でした。月イチの後楽園で千人近くは入っていますが、もう少し観客動員が伸びてくれればと思います。
 26日はまたもスターダムそして新潟大会に遠征しました。メインがイオとフィーメルの赤いベルト戦という思いがけない好カードでした。そしてまたもイオがフィーメルの巨体をジャーマンで完璧に投げきり王座を防衛しました。地方でも変わらぬ熱戦でした。
 そして27日は新潟からアクトレスガールズ新木場大会に直行です。先月の大会でまなせゆうなが筒然の退団表明。サオリンが対戦を直訴してメインでのMArZ対決が決まりましたが、なぜ退団なのか、何が起きているのか分からぬまま、他の選手の退団もあり、本当に試合として成り立つのかという不安な状態でした。
 結果的にまだまだ未熟なところはありますが、2人とも気持ちを込めてしっかりと闘ってくれました。そして最後は皆笑顔で終われました。ゆうなが何故退団なのか、これからどうするのか、アクトレスガールズがこれからどうなっていくのかは分からないままですが、皆それぞれの道で前に向かって進んで行くということは分かりました。見守っていきたいと思います。
 なつぽいはスターダムにも参戦するようになって本当に頑張っているのですが、この日は相手が賀川照子ということもあって、楽しい試合担当でした。女優としてエンターテイナーとして魅せるというのもアクトレスガールズなので、それはそれで時には良いと思います。
 ただ第1試合の3WAY戦はまだまだプロのレベルに達しているとは正直言えません。それから美しすぎる&かわいすぎる女優のWリングアナが売りではあるのですが、リングアナというのは試合を作る上で重要な役割を持っていると思います。なのにプロレスをまったく理解していない。可愛ければいいってもんじゃないとイラッとする場面が何度かありました。
 そしてセミでは本間多恵がヒザを負傷してしまいました。怪我自体は仕方のないことです。でも立ち上がれない状態になっているのに、対処できる人が誰もいない。幸い相手が大ベテランで、アクテレスガールズにも理解のある堀田祐美子だったため、うまく試合を終わらせましたが、こうした課題も山積みでした。これにて第1章は終了。第2章に期待します。