Vol.2 Uについて思うこと


 UWFが好きです。デスマッチも好きです。アメリカン・プロレスもストロングスタイルも、マイクパフォーマンスも好きです。私はプロレスが大好きです。UWFもプロレスの一部として好きです。
 UWFは確かにプロレスの格闘技としての要素、スポーツ性というものを深く追求しています。そういう眼でUWFの試合を見れば十分に面白く、楽しむことができます。だからといって、一部のU系の選手やUWFのファンが思っているような、UWFがプロレスを超えたものではないと思います。むしろUWFが否定している部分、一般の人がショーだとか八百長だとか言っている部分こそが、時にはその通りショーである場合 もあるし(決して嘘であるとか、インチキであるという意味ではありません)、そして時には、スポーツでいう、ルールに基づいた、勝った負けたの真剣勝負など問題にならないほどの真剣勝負でもあるのだと私は思います。
 今回の新日とUインターの対抗戦は、自分のそうした考えが、プロレスファンとして生きてきた十数年が試されるときだと思いました。私はどうしようもないプロレスバカなので、大げさではなく、私にとっては本当に大事件だったのです。
 しかし、プロレスがUWFに負けるという気はまったくしませんでした。ルールに守られた中で戦ってきたUWFとスポーツを超えたところで勝負してきたプロレス。その二つが同じリングに立てば、結果は明かだと思いました。というより、プロレスのリングに上がった時点でUWFの負けだと思います。だから本当の意味でUWFを守っているのは高田でも垣原でもなく、田村だと思います。
 プロレスはつぶし合いではありません。でも、今回だけは本当のつぶし合いを見たかった。プロレスがUWFをつぶしてくれるところが見たかった。でも、新日勢の戦い方は、UWFをプロレスに包み込むというものだったと思います。だから10.9の試合は不満でした。いつまでもダラダラと対抗戦などやらずに、早く終わりにしてくれと思いました。
 しかし、1.4のドームでは、完全にプロレスがUWFを飲み込んだ。あるいは融合したと感じました。武藤が敗れたことは残念でしたが、悔しくはなかったし、1回目のときよりいい試合だったと思います。あの日はアントニオ猪木もものすごい試合をしました。自分がその闘いの中に入れないジェラシーがそうさせた。もしくはあれが猪木なりのUWFとの闘いではないかと思います。
 高田に越中が、健介が、そして橋本が挑んでいくことがとても楽しみになりました。