Vol.11 9月の注目興行について


 9.7パンクラスのNKホール大会は空前の超満員となりました。誰もが船木が王者になるのを期待していたはずです。もちろん私もその一人でした。しかし、船木は負けました。完敗でした。
 プロレスというのは、単にルールの中で勝った負けたというものではなく、もっと広い意味での勝負だと思います。リングの上で自分の力と思いのすべてをぶつけあう。そういう意味では船木の姿は心を打つものがありました。でも、パンクラスはスポーツとしての格闘技にこだわってきたはずです。その3年間の集大成となった一戦でした。船木は絶対の負けてはいけなかったと思います。
 9.11Uインターの神宮球場大会には、全日本の川田が参戦し、高山を撃破しました。全日本の開国という歴史的な瞬間に、大変な盛り上がりとなりました。これだけのボルテージを味わったのは久し振りのことで、プロレスファンとして最高の一瞬です。
 これがUインターと全日の対抗戦につながっていくかというのはまだ分かりません。個人的には全日の対抗戦進出は反対です。全日は独自に非常に完成度の高い世界を作り上げているし、対抗戦にもマンネリはあります。新日のように次々と新たな展開を切り開いていくのならいいのですが、全日にはそういうことは向いていないと思います。対抗戦が始まって、そして一区切りついた後が心配です。でも、三沢対高田なんて、確か に見たいですね。
 9.23新日横浜アリーナ大会では、武藤が初の異種格闘技戦に挑戦しました。はっきり言って凡戦でしたが、これは相手のオタービオがプロレス会場の雰囲気に飲まれたのか、まったく生彩を欠いていたせいです。このところアルティメットに押されっぱなしの感があったので、とにかく武藤が勝ったことで少し気分が晴れました。アルティメットは最初は確かに衝撃的でしたが、慣れてしまえば、見ていても面白くないし、アル ティメットの戦い方を一流のレスラーがある程度マスターすれば、勝てると思うので、あまりこだわってはいませんが、ここまで負けが続くと、やはりスカッとしたいと思います。誰かヒクソンに勝ってくれ。
 そして最後に、心配されたライガーは無事に復帰してくれて、本当に良かったです。