Vol.28 高田vsヒクソン再戦


 高田とヒクソンの再戦が決まりました。この再戦には正直言って、反対です。高田は「あのときの自分が本当の自分であったのか確かめる」などと言っていますが、プロレスラーの強さを信じてドームに行き、あんな不甲斐ない試合を見せられた私としては、「本当の自分でなかったなら金返せ」という気持ちです。もちろんお金の問題ではありませんが・・・。
 それに、今回、高田が勝ったとしても1勝1敗になるだけで、高田良くやった。ヒクソンも強かった。で終わってしまいます。ここまでプロレスの権威を落としておいて、そんな形でめでたしめでたしで終わってしまうのは納得がいきません。
 以前のプロレスには両者リングアウトとか、反則負けとか、大一番となると、ほとんどが不透明決着になっていました。最近ではそれがなくなった変わりに、1勝1敗でめでたしめでたしというケースが目立ちます。長州対天龍、武藤対高田、高田対天龍、橋本対小川、みんなそうです。
 これはある程度仕方のないことだとは思います。興行的にも1度よりも2度やる方がいいに決まっているし、負けた方はもう1度という気持ちになるのは当然です。そして2度目の対戦では、1度負けている者は後がないという思いで臨みますし、勝っている方は、負けてもいいとは思わないでしょうが、2度続けて勝ったら、相手の格闘家としての生命を絶ってしまうことになるとしたら、それだけの覚悟を決めるのは容易ではな いでしょう。精神的には、1度勝っている者が圧倒的に不利なのです。
 普段のプロレスの試合であれば、試合の上での勝ち負けなど、たいした問題ではないこともあります。しかし、本当の大一番では、やはりしっかりと決着をつけて欲しいと思います。
 特に、ヒクソンは絶対に倒さなければならない相手であると私は思っています。そのヒクソンに、プロレスとは違う、バリトゥードという彼らの戦い方で挑んだことは立派ですが、挑んだ以上、負けは絶対に許されません。簡単にギブアップして、もう1度なんて、論外です。
 今度の再戦は、わざわざ会場まで行く気がしません。余程暇だったら、まあ見てやってもいいかなくらいの気持ちです。高田を応援する気持ちはまったくありません。負けちまえくらいに思っています。やっぱり前田とやって欲しかったなあ。本当はそれ以上に、橋本とか、三沢とかがやって欲しいのですが・・・。
 この件に関しては、プロレスファンとしてどうしても納得がいかないので辛口になってしまいましたが、この辺で終わりにして、最近のプロレスの話題にもいくつか触れておきます。
 全日は、ドームに向けて他団体の選手をリングに上げてテストをするという試みをしています。実は、この態度は何だか偉そうで、私は好きではないのですが・・・。インディーの選手は、全日マットだからといって、余所行きのスタイルにせず、あくまでも自分達の日頃のファイトを貫いて欲しいと思います。
 新日では、西村に注目しています。IWGPチャンプの健介、中西、小島、天山ら、そしてどちらかというと橋本も、最近の新日はパワーが強さの明かしであるかのような風潮になっていますが、私は西村の主張に賛成です。まだまだ行動が伴っていませんが今後に期待しています。
 女子では、アルシオンが旗揚げしました。スタイルとしては、U系のファイトにルチャの動きを少し入れたという感じでしょうか、大向はレガースを付けてのキック、府川はムーンサルトを初公開しました。でも、全体的には従来の女子プロレスの面白さが失われてしまったようで、あまり良くなかったという気がします。