Vol.32 2大メジャー武道館決戦


 今月は新日と全日の2大メジャー団体が武道館でニアミス興行を行いました。どちらもメインは シング ルのヘビー級選手権であるということ。武藤、三沢のエース級が負傷欠場したという共通点がありまし た。どちらも大盛況で、さすがメジャーという興行でした。今回はこの2大興行を振り 返ります。
 まずは新日です。「超実力派宣言7」と銘打たれた大会は「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニ ア」の シリーズと隣接していたものの別枠という位置付けでした。シリーズはジュニアのリーグ戦に加え、IW GPタッグ王座決定トーナメント、そして藤波対橋本の前哨戦が展開されました。新 日のジュニアは本当 に素晴らしいです。その中に入って、インディーの選手たちも頑張りました。 中でも獅龍ことカズ・ハヤ シは目を見張るものがありました。
 ジュニアのリーグ戦はシリーズ内で終わったため、武道館ではイリミネーションマッチが行われ ました が、これがまた素晴らしかった。まさに豪華な総集編という感じで、改めて新日ジュニアの レベルの高さ を満喫しました。
 IWGPタッグ王座決定戦は予想通り、蝶天タッグ対天越同盟の顔会わせになりました。天龍の 参戦に 武藤の欠場が重なり、nWoはこのところ停滞気味でしたが、それでも蝶野人気は衰えずと いう感じで、 館内の声援は圧倒的にnWo支持でした。蝶野のうまさも目立ちましたが、この試合 は、やはり天山の頑 張りに尽きるでしょう。いい試合でした。
 メインは藤波対橋本のIWGPヘビー級選手権でした。昭和世代最後の砦となった藤波には何と かもう ひと踏ん張りして欲しいところです。しかし、橋本の意気込みも半端ではなく、簡単に勝て る相手ではあ りません。試合は、果たして橋本の猛攻に藤波が追い込まれるという展開になりまし た。しかし最後は藤 波が意地で何とか踏み留まったという感じでした。橋本も以前のような甘さは まったくありませんでし た。橋本が王座を奪回するのは時間の問題でしょう。もう少しだけ藤波の 王者姿を見させて下さいという 思いです。
 その他に、ドン・フライ対藤原喜明戦があり、小川がセコンドに付くとの噂もありましたが、結局は姿 を現さず、そして猪木も登場せずに、ちょっと肩すかしを食った感じでしたが、翌日の新聞 で、リングの 裏で坂口社長と小川の乱闘騒ぎがあったことを知りました。この問題は、本当にもめ ているのか、プロレ ス流の騒動なのか、さっぱり分かりません。UFOの動向には注目しているの ですが、まったくその展開 が読めません。引退しても猪木は相変わらずです。
 さて、新日から1週間をおいて、同じ金曜日の夜に全日の興行が行われました。新日は武藤の欠場など まったく感じさせない豪華な編成でしたが、全日は三沢不在が大きく感じられました。セミが秋山・本田 対オブライト・高山、田上の相手がボビー・ダンカンJrというのは少し寂しい気が します。ウイリアム スがWWF入りしてしまうのも本当に残念です。
 シリーズは「スーパーパワーシリーズ」で、その最終戦でした。シリーズを通じて、川田対小橋の前哨 戦が行われたものの、やはり全日は新日のような連続ドラマではなく、1試合1試合の完全 燃焼型です。 メインの川田対小橋の三冠戦は壮絶な試合でした。ただ、ようやく三沢に勝った川田がしばらくは王座を 守っていくものと思っていたので、あれっという感じでした。
 いずれにせよ新日、全日の2団体はしばらくの間は安泰という感じです。しかし、現状に満足せず、競 い合って、さらなる発展を目指して欲しいと思います。