
Vol.33 前田日明リングス・ラストマッチ
今月は新日と全日の2大メジャー団体が武道館でニアミス興行を行いました。どちらもメインは シング
藤波がIWGPのシングル王者として、天龍がタッグ王者として頑張ってはいるものの、猪木、長州が引退
し、鶴田はセミリタイア状態で、馬場も第一線を退いて久しいという今のプロレス界は、すっかり、武藤、
蝶野、橋本、三沢、川田、小橋といった新しい世代の世界になっています。さらに、彼らより若い世代の台
頭も既に始まっています。プロレス界のことを考えれば、いいことなのでしょう。でも、昭和世代のレスラ
ーたちが消えていくのは、やはり寂しい気がします。
そんな中、前田日明の引退が、いよいよ迫っています。引退試合の相手として、いろいろな名前が噂に上が
っています。ヒクソンとの交渉が決裂し、ロシアのアマレス世界王者であるカレリンとの交渉も難航してい
るようです。以前は、リングスを離れて1試合と言っていたのに、最近では数試合とも発言しています。相
手も高田、天龍、小川、橋本ら、噂としては多くのレスラーが上がっていますが、対戦相手、日時、会場と
も未定のままです。
とりあえず、7月20日には、横浜アリーナで、リングスでの最後の試合が行われました。相手は山本宣
久で、いい試合でしたが、時間切れの判定で、前田の勝利という結末には不満が残りました。どちらが勝っ
たとかいえないような内容でした。判定なんて必要ないと思います。おまけに、前田自身が、今日は山本の
勝ちだ、などと審議委員の裁定をくつがえすような発言をしたのも、前田が押し進めてきたことと矛盾する
ように思います。
セレモニーもあまりパッとせず、演出がまずかったような気がします。猪木、高田、小鉄らが一堂に会し
たというのは、それなりにすごいことだと思いますが。
リングスを生で観るのは久し振りでしたが、高阪対タリエル、田村対坂田、山健対ハンなど、素晴らしい
試合が多かったと思います。前田がやってきたことが、形になりつつあるという印象を受けました。
本当の引退試合は、まだ未確定ですが、いい形で送り出してあげたいと思います。