緊急増刊号 馬場さん安らかに


 ジャイアント馬場さんが1月31日午後4時4分、肝不全のため亡くなりました。このニュースが流れたのは翌2月1日の午後7時くらいでした。テレビを見ていた友人が携帯に連絡をくれて知りました。早々に仕事を切り上げて帰宅し、インターネット、テレビのニュースをチェックしました。ニュースステーションでもトップニュースで扱われました。
 馬場さんは昨年12月2、3日とカゼのため欠場しましたが、4日には復帰。5日の最強タッグ最終戦にも出場しました。その後、今年1月のシリーズは体調不良のため欠場となり、8日には癒着性腸閉塞のため手術していたことが発表されました。しかし、実は病名は直腸ガンだったそうです。思えば、昨年末の武道館で見た試合が最後の姿となりました。
 私は猪木信者ですが、馬場さんのファンでもあります。馬場さんの偉大さは十分に知っています。馬場さんの遅い動きを馬鹿にするようなことを言う人がいます。それに対して馬場さんは「一人でも、俺を応援してくれる人がいる限り、リングに上がる」と言いました。一時代を築いた人が、なかなか言えることではありません。馬場さんのそんなところをファンは暖かく見守っていました。
 「死ぬまでレスラー」という馬場さんの信念が、こんな形にはなってしまいましたが、貫かれたことは、良かったと思います。馬場さんのような偉大なレスラーは、もう現れないでしょう。でも、三沢、川田、小橋、田上、秋山ら、馬場さんの意志を十分に継いでくれるレスラーが育っています。きっと馬場さんも全日本の将来は心配していないでしょう。馬場さん、安らかに。


Vol.39 1.4新日ドーム大会続編 etc

 先月は新日ドームの増刊号を出すと予告しておきながら、あまりに期待外れの内容だったので、非常に雑なレポートになってしまいました。申し訳ありません。だいぶ頭も冷えてきましたので、改めて新日ドーム大会について書きたいと思います。改めてみたところで、最低の興行であったことに変わりはないのでが・・・。
 まず、健介VS大仁田です。大仁田は邪道の意地で新日に挑み、健介はメジャーのプライドを持って受け止める。そんな闘いを期待していました。大仁田のスタイルがどうとかではなく、実際、引退前の大仁田は好きなレスラーでした。しかし、復帰はどうしても許せないし、さらに引退している長州を引っ張り出すような発言も許せませんでした。私はもともと新日派でもあります。だから、健介が大仁田を叩きつぶしてくれることを信じて疑いませんでした。しかし、結果はご存知の通りです。
 大仁田は自分の生き方を貫いたようなことを言っていましたが、結局、新日の駒の一つにされたに過ぎません。新日も次のドームまでか、もっと引っ張るつもりなのかは知りませんが、大仁田でもうしばらく引っ張ろうと考えただけの話です。それがあの不透明決着に現れただけです。新日は潰すと公言していたインディーの代名詞を利用しているだけです。大仁田はあと何度か使われたらポイされるだけです。メジャーとインディーの意地を賭けた闘いなど、そこには存在しませんでした。興行的なことを考えれば、ドラマ作りも必要なことでしょう。でも、あまりにお粗末過ぎます。もうこの抗争には何も期待しません。早く終わらせて下さい。
 そして、橋本VS小川です。まず、対戦に至るまでの新日とUFOの抗争がよく分かりません。試合がまったく意味不明です。試合後の乱闘も支離滅裂です。何がやりたいのかまったく分かりませんでした。
 結局、この試合は小川がセメントを仕掛けてきたということが後になって分かりましたが、今度は会社の方針とやらで、橋本のリベンジの道が閉ざされてしまいました。橋本は絶対に再戦を挑むべきです。会社の方針なんて関係ありません。サラリーマンじゃないんだから。
 この試合で完全に気分が萎えてしまいました。セミの小島&天山VS天龍&越中、メインの武藤VSノートンのIWGP戦はいい試合だったはずです。でも、もうプロレスを観る気分ではありませんでした。
 武藤、小島、天山がIWGPのベルトを獲ったこと、そして蝶野が「この会社は腐ってる」と吠えていたことが唯一の救いです。nWoジャパンが新日最後の砦になってしまいました。
 暴動が起きても不思議じゃないようなひどい興行でした。それなのに、あの健介VS大仁田戦の後でウエーブなんかやっている観客にもついていけません。ドームのような大きな器で興行を頻発するのはよくないことだと思います。ドームはプロレスをやるには広過ぎます。客席の後ろまで迫力を伝えるのは難しいことだし、プロレスに対する知識や情熱の薄い人も大勢いるので雰囲気もよくありません。年に1度のお祭り感覚でいいと思います。今度の興行も4月のドームがなければ違った結果になっていたかもしれません。こんなことばかりやっていたら、新日本の将来も、プロレスの将来もありません。非常に嫌な世紀末の幕開けでした。
 さて、話しは変わって全日本ですが、馬場さんが欠場し、三沢がシリーズを取り仕切っています。馬場さんが実質上、第一線を退いて久しいですが、やはり馬場さんがいないと寂しさを感じなす。スポーツ選手の引退については、他人がとやかく言う問題ではありません。まだ力のあるうちに引退するのもいいし、ボロボロになるまでやるのもいい。それは本人が決めることです。馬場さんの「死ぬまでレスラー」というのも、それはそれで素晴らしいことです。年齢を考えれば、今回の長期欠場は大変な試練ですが、馬場さんならば、困難を 乗り越えて、きっと戻って来てくれると信じています。是非、もう一度リング上で勇士を見せて下さい。
 全日本のもう一つの大きな出来事といえば、川田が三沢に勝ち、三冠王者となったことです。せっかく頂点に立った川田の戦線離脱は残念ですが、こんな試合をしていたらケガをするのも当たり前というような凄い試合でした。小橋対ベイダーにしても、全日の試合内容の激しさのエスカレートぶりは見ていて心配になるほどです。
 みちのくプロレスでは、デルフィン派が退団し、大変な状態になっています。私は、初期のみちプロの楽しいプロレスが大好きでしたので、確かに今のサスケの言動には首をかしげる部分が多々あります。獅龍の欽ちゃん飛びや、デルフィンのお約束アームブリーカー、ヨネ原人とウイリーの両リンなど、楽しさ満載のみちプロをもう一度観たいです。
 JWPも大変なことになっています。エースの福岡が何と寿引退です。1月の後楽園大会は関西が欠場しているとはいえ、本当に寂しい入りでした。これからどうなってしまうのでしょう?
 年が明けて、まだ1ケ月ですが、早くも様々なことが起こっています。あまり明るい話題がないのが気になりますが、今年もプロレスから目が離せません。