Vol.41 ドーム決戦待ったなし!


 新日と全日のドーム大会が迫っています。やはり今のプロレス界の話題はこの2つが中心となっていると言っていいでしょう。
 新日の方は、いよいよもう直前という感じですので、全容が見えて来ました。目玉は何といっても、蝶野対大仁田の電流爆破デスマッチです。結局、新日本は大仁田の商品価値を認めたということです。ドーム興行の最大の売りとして大仁田を起用したわけです。それなのに第0試合とか、新日本の試合とは別枠とか、言い訳がましいことを言う新日本の態度は、新日ファンの私からみても気に入りません。堂々とメインイベントでやるべきです。他のレスラーから批判があるかもしれませんが、批判する前に蝶野対大仁田を超える試合をすることを考えるべきです。
 まあ、その辺のところをファンがどう思っているかは、4月10日の午後5時、試合開始の時刻に、ドームの客席がどういう状況になっているかで分かります。通常の新日本の試合だけに興味がある人は遅れてくればいいわけですし、実際に、通常の興行では、遅れて来る人も多数いるわけですから。試合開始の時点でスタンドが埋まっていれば、みんなこの試合を観たいということです。私は通常の興行とは違って、開始時刻には満員の状態になると思っていますが、実際にはどうなのか、興味があります。
 新日本の態度を批判しましたが、実は大仁田の態度も気に入りません。最初は長州を指名して、それがだめなら健介と不透明決着の試合をして、今度は一転して蝶野を標的にし、結局は大仁田も新日のリングで、電流爆破をやりたいのに、何だかんだと条件を出して、別のリングを用意してみたり、テレ朝のアナウンサーを新日の代表にしたてて満足してみたり。真鍋アナウンサーが試合を観たいと言ったことが、ドームで電流爆破をやる正当な理由になるというのは、かなり無茶な論理だと思います。
 とはいえ、大仁田の一連の行動は面白いです。ワールドプロレスリングで映像としてフォローしてくれるのは嬉しいし、身を乗り出して見てしまいます。道理が通っていようがいまいが、面白いものは面白いのです。実際、視聴率も大仁田が出ている部分は1%は上がるということです。この辺はさすが大仁田という感じです。「敵ながらあっぱれじゃ」です。
 対する蝶野も大仁田に負けていません。おそらくパフォーマンスで大仁田と対抗できるのは、今、蝶野くらいのものでしょう。大仁田の乱入を無抵抗で受けたところや、その後のコメント、マイクアピール、どれも面白いし、大仁田とは違って、理にかなっています。さすが蝶野です。邪道の土俵に立つことを、善とするか、悪とするか、意見の別れるところだと思いますが、私は勇気ある行動だと思います。
 蝶野が負けるということは、まったく考えていません。不透明決着も考えていません。試合の興味はただ一点、蝶野が被爆するか、しないかです。どうせやるなら、有刺鉄線に突っ込んだ上で、すっきりと勝って欲しいと、私は思っています。
 さて、本当のメインエベントにも触れておきましょう。武藤対フライのIWGP戦です。この試合は、いい試合になるか、凡戦になるか、五分五分だと思います。フライというのはかなり異色で、アクの強いレスラーです。(格闘家というよりレスラーでしょう)高田にドラゴンスクリューから足4の字で勝利したり、ムタとして小川に完勝したり、武藤の天才振りは、充分に証明済みですが、その武藤にとっても難しい相手だと思います。逆にうまくはまれば、武藤が唱える「プロレスの復権」をアピールする絶好の試合になるでしょう。
 最後に、気になるのは橋本です。とりあえずドームには出場しないようですが、どういう形で復帰してくいれるのか。本当は新日のフロントが何と言おうと、小川にリベンジしなければ始まらないと思うのですが、とにかく、期待しています。
 次に全日ですが、こちらはまだ1ケ月前で、カードの発表はありません。ベイダー対三沢の三冠戦が噂されていますが、私もメインはこれしかないと思います。
 ドームの前に、大一番であるチャンピオン・カーニバルが残っています。その中でドームへの流れが見えてくるでしょう。馬場さんのお別れ会という一大行事も控えています。ドームのコンセプトは「ジャイアント馬場引退記念興行」というタイトル通り、馬場さんの追悼です。細かい部分はともかく、ドームのコンセプトは既にはっきりしており、それに向かって、いい形で動いています。成功は間違いなしでしょう。
 全日の場合は、むしろドーム以降が注目されます。馬場さんのいない全日本がどうなっていくのか。しっかり見ていきたいと思います。