Vol.43 GW観戦記


 今年のGWは大型連休になりました。プロレスでも注目の興行が目白押しでした。今回はGWの興行を総括します。
 まず4月29日にはJd’の3周年興行を観に行きました。小杉 と土屋の一騎打ちがメインでしたフューチャー・エースとコールされていましたが、確かに小杉は将来の女子プロを背負う人材だなとは思いますがこの日の試合は残念ながら満足のいく内容ではありませんでした。当初はCooga&坂井対ブラディー&ファングのタッグ選手権がメインでしたが、選手入場式の際に小杉の試合がメインに変更となりました。これまで数々の苦汁をなめさせられてきた土屋との因縁清算マッチというシチュエーションで、しかもJd’の3周年記念興行ということで、舞台はそろっていました。でも同時に、これで今日は勝つだろう。でも、きっと一瞬の切返し技だろうという予想があり、結果はまったく予想通りで、まったくインパクトはありませんでした。
 この日は大阪プロレスの旗揚げ戦もありました。その大阪プロレスは5月4日の後楽園大会を観に行きました。雰囲気としては昔のみちプロという感じで、デルフィン軍対東郷軍の戦いが核にあり、キャラクタープロレスの楽しさもありという感じでした。楽しくて、プロレスもしっかりとやっていて、なかなか良かったと思います。地元大阪での興行の雰囲気も一度味わってみたいと思います。
 それからゲストとしてミル・マスカラスが来場したのも、マスカラスファンのちびっ子からプロレスファン歴がスタートしている私としてはすごく嬉しかったです。ただリング上から挨拶しただけでしたが、まったく変わらず、華麗で格好良かったです。8月のCMLLジャパン・ツアーに参戦が決まったそうなので、もちろん観に行こうと思います。
 5月2日には全日の東京ドーム、馬場さんの引退記念興行を観に行きました。全日らしい、馬場さんらしい、暖かい興行でした。三沢がベイダーに勝つだろうということは、それもエルボーで勝つだろうということは予想できましたが、その通りになって、めでたしめでたしという感じでした。馬場さんがランニング・ネックブリーカーでNWA王座を取ったときを思い出しました。まさに馬場ワールドでした。
 ドームだからといって、特に派手な演出もなく、いつも通りの全日でした。それが全日らしさであり、全日の魅力ですが、そうするとドームは広過ぎるという感じがしました。全日はやはり武道館が似合います。
 5月4日にはアルシオンの後楽園大会がありました。観には行かなかったのですが、伝え聞いたところによると、退団することになった長谷川との師弟愛で、大向がトーナメントを優勝し、吉田対府川が名勝負になって、素晴らしい興行だったということで、観に行かなかったことを後悔しています。
 5月5日には京子対貴子の因縁マッチを観に行きました。この試合にはかなり期待していました。ひさびさに試合前からワクワクしました。すごく仲が良く、一緒に頑張って来た2人が袂を分かち、真剣にいがみ合うようになってしまって、それでも試合をするというのはプロレスならではでしょう。京子の「レスラーは試合で対話できる」という言葉が印象的です。
 貴子がスタンガンを持ち出したときは、ブーイングと拍手が半ばしていました。凶器の使用に関しては賛否両論あるでしょうが、貴子の何としてでも勝ちたいという意気込みが伝わってきましたし、ビジュアル的にも実に格好良かったので、私の意見としてはOKです。
 試合も喧嘩ではなく、ちゃんとプロレスになっていたし、いい試合だったと思います。個人的には貴子が負けてしまったことが悔しいのですが・・・。
 試合後、京子、貴子とも相手を認める発言をしています。第100代のWWWAタッグ王者にもなった名コンビですから、喧嘩別れに終わってしまうのは悲し過ぎます。こうして試合をして、気持ちが通じたことは良かったと思います。ただ、堀田が入って来て、京子を挑発したことによって、その余韻がかき消されてしまったのが残念でした。
 この大会のセミでは日向対田村が組まれました。私は先に挙げた小杉とこの2人が将来の女子プロ界のエース候補だと思っています。あとは全女の脇澤が面白いかもと思っています。里村や中西が注目されていますが、私はレスラーとしては小さ過ぎると思っています。女子といえどもレスラーにはある程度の体格が必要であるという意見なので、全体的に女子レスラーが小型化している傾向にあるのが気にかかるところです。
 もう1試合、注目を集めている試合がありました。石田リングアナの試合です。知り合いのKさんなどは、FMWの横文を途中で抜け出して、この試合に駆けつけたほどです。しかしながら、この試合は大失敗でした。やはりちょっと行き過ぎでした。今はヒールレスラー全盛ですが、彼女たちが悪いことをするのはいいのです。ただそれに対抗出来るベビーフェースがいないというのが問題だと思います。この試合でも、タニーと仲村は前泊の暴挙を指を加えて見ているだけでした。この2人では少し荷が重かったかもしれませんが、実にはがゆかったです。2人がもう少し何とかしてくれれば、少しはましになったのではないでしょうか。
 この日の東京は興行ラッシュでした。後楽園では昼が全女、夜が大阪プロレス、川崎のネオと横文のFMWもありました。
 全女では堀田と素顔の伊藤でWWWA世界戦の前哨戦が行われました。もうZAPの存在意義はないと思うので、伊藤も渡辺もすっきりと素顔に戻った方がいいと思います。
 FMWの横文は冬木とTNRの暴挙で、散々な興行だったようです。最近のFMWには魅力を感じず、観に行っていませんが、ちょっと方向が違うのではないかと思います。
 とりとめもなく、いろいろなことを書いてしまいました。今回は以上で終わりにします。