Vol.46 今年の夏はG1だけじゃない


 夏と言えばG1というのがすっかり定着しましたが、今年のプロレス会の夏はG1意外にも様々なイベントがありました。
 一昔前、夏の風物詩と言えばG1ではなく、マスカラスでした。夏には決まって来日した仮面貴族に、私も子供の頃に夢中になっていました。そのミル・マスカラスがCMLLジャパンの招きでやって来ました。残念ながら後楽園ホールでの試合はG1の両国初日と重なってしまったので行けませんでしたが、前日に行われたサイン&撮影会に行って来ました。おなじみのマスクにジャケット姿でしたが、間近で見たマスカラスは本当に格好良かったです。来年には引退を決めているという噂もあります。もう一度試合を見ることが出来るかどうかも分かりません。今回、間近でマスカラスに接する機会があったことは本当に良かったと思います。
 同じくG1の優勝戦と重なってしまったので行けませんでしたが、北斗晶が復帰しました。母親になったことでそのままフェード・アウトしてしまうのかと思っていましたが、北斗はリングに戻って来ました。吉田や矢樹など、結婚してもリングに上がっている選手もいますが、子連れレスラーなんて前代未聞です。女子プロも時代が変わったものです。北斗はまだまだ本調子には遠いようですが、こうなったらラスト・ストーリーをしっかり見せて欲しいものです。
 またも同じくG1と重なったので行けませんでしたが、全女のジャパンGPは豊田真奈美が優勝しました。伊藤、中西との巴戦を制して、堀田にも勝利するという1日4戦のタフネスぶりでした。以前から豊田のスタメナには驚かされましたが、このところこのところ元気がないようで気になっていました。健在を証明してくれたのは嬉しい限りです。もう一度赤いベルトを巻いて欲しいと思います。しかしながら、中西が優勝戦線に絡み、一度は豊田に勝利するなど、全女でも世代交代の波が高まっていることも事実です。中西、脇澤、高橋、納見らがトップに立つ日も遠くはないのかも知れません。正直言って、彼女たちで大丈夫なの?という気持ちが今のところは強いのですが・・・。
 8月22日は空前の興行合戦となりました。特に女子は、まずアルシオンがトーナメントZIONを行い、大向がトーナメントARSに続いて連続優勝しました。アルシオンは関節技とルチャの合体という独自のスタイルを目指し、正直言って最初は何か方向性が違うのではないかという気がしましたし、見ていてつまらなかったのですが、このところだいぶアルシオン・スタイルが定着してきていました。しかし、最近、ラスカチョの登場により、アルシオン・スタイルがあやふやになってしまった気がします。
 そしてLLPWは後楽園で7周年興行を行い、ハーレー斉藤が神取に勝利して新王者となりました。GAEAは北斗の復帰第2戦、Jd’は飛鳥対京子のWWWA&TWFダブル・タイトルマッチ、全女は神奈川大会と、首都圏で5団体、長野のJWPも合わせれば6団体同日興行となりました。女子はさすがにちょっと分裂し過ぎだなという気がします。
 この日は有明の大仁田厚興行、全日の後楽園、みちのくの覆面ワールドリーグ戦など何とも贅沢な1日となりました。
 そして夏の終わりを飾ったのは新日神宮大会です。直前になって高田ドタキャンのゴタゴタがありました。新日は理由も言わず一方的にキャンセルされたと発表し、高田は交渉役の永島企画部長を名指しで批判し、交渉の途中で信用出来なくなったので交渉決裂したと語りました。
 高田サイドも新日参戦を発表しているし、試合に向けてのコメントも出しているのですから、キャンセルではないというのは無理があると思います。かと言って新日にまったく落ち度がなかったというわけでもないのでしょう。大仁田参戦のときもそうでしたが、永島企画部長という裏方の人間が表に出てくるのはあまり好きではありません。彼は一度、会場で見かけたことがあり、なんだか偉そうな態度だったので個人的にあまりいい印象は持っていません。私は新日ファンですが、近年の新日の姿勢は、ちょっと鼻につくところがあって、あまり好きではありません。まあ、私たちにはマスコミを通じての情報しかないので、真相は分かりません。
 私にとっては高田は既に終わった人間ですから、そもそもこのカードには特に注目もしていませんでした。でも、このカードが見たかったという人もいるようですし、プロレス界にとってはマイナスイメージのトラブルですから、今後、このような不祥事が起きないようにしてもらいたいものです。
 さて試合の方ですが、ムタ対ニタ、蝶野対橋本、ともにひどい内容でした。興行として最低でした。ムタ対ニタに好試合を期待するのが無理というのは分かっていました。それにしても予想以上にひどい試合でしたが・・・。だからこそ蝶野対橋本でピシッとしたものを見せて欲しかったのですが、それがあんな状態ではストロングスタイルが聞いてあきれます。そして極めつけは、全試合終了後に観客が物を投げた時のケロちゃんの威圧的な態度です。確かにいつもの大仁田に対する、他人の迷惑を考えず自分たちが楽しむためにやる物投げは排除すべきですが、この時の物投げは新日に対する不満の現れでした。それに対して新日が文句の言えるような試合内容ではありませんでした。はっきり言って暴動を起こされても文句を言えない内容でした。10年前なら実際に暴動が起きていたかもしれません。ファンももう暴動を起こすほどの思い入れは持っていないのでしょう。
 大仁田についてとやかく言うのは筋違いです。その大仁田を売り物にビッグマッチを乱発しているのは新日本なのですから。今年2回のドーム、神宮とすべて興行として最低です。ドームは武藤が締めて、何とか格好は着いていましたが、神宮では武藤がニタになってしまったので誰も締める人がいませんでした。いつから新日本はそんなに選手層が薄くなってしまったのでしょう。
 私は長らく新日ファンでしたが、もう我慢も限界です。10.11のドームはもう行く方向で動いてしまっているので、とりあえず行きますが、また裏切られるのは馬鹿らしいので何も期待しないことにします。そして内容次第ではもう見に行かないかもしれません。