VOL.84 文庫本で読む格闘技 PART3
言わずと知れたターザンの本です。一人の記者に過ぎないのに、行き過ぎの独断とあまりに影響力を持ち、プロレスに関わりすぎたことが鼻についてしまい、新日からの取材拒否がもとで週プロを退社してからターザンの文章にはご無沙汰していましたが、ターザンが編集長だったころの週プロが面白く、今の週プロが面白くないのは確かな事実です。久しぶりに読んでみることにしました。相変わらず「自分は何様のつもりだ」という感はありますが、概ね彼の意見には同調できます。
直木賞受賞の推理作家が描く女子プロレスを舞台にした小説「ファイヤーボール・ブルース」の続編です。「ファイヤーボール」は主人公の女子レスラー、火渡抄子のニックネーム。火渡を取り巻く様々な出来事を火渡の付き人で若手レスラーの近田ひさ子の視点で語ります。前作同様、女子プロレスの世界がうまく描かれていますし、前作より数段面白かったと思います。
格闘技の本というわけではありませんが、格闘技ファンとして強さということを考える上で、史上最強と噂される宮本武蔵というのは必ず出会う文豪です。その武蔵の数々の伝説に迫る一冊です。
タイトル通り、プロレス、K−1、PRIDEについて、元週プロ編集長ターザン山本が語ります。2001年末の猪木祭り、ミスター高橋の暴露本、リングスの解散、武藤の新日離脱など、新しい話題が満載されています。相変わらず、思い上がりは鼻につきますが、言っていることはよく分かります。
格闘技の本ではありませんが、高田延彦の奥さんでタレントの向井亜紀さんの本ということで紹介してみました。妊娠の検診で子宮ガンであることが発覚してから子宮摘出の手術に踏み切るまでの16週間の思いをつづった本です。テレビ化もされました。高田も特別寄稿しています。
プロレス暴露本の「流血の魔術 最強の演技−すべてのプロレスはショーである」が話題となり、文庫化された1998年に書かれた本です。暴露本の類は大嫌いなので「流血」は買いませんでした。たまたま知り合いから借りて読みましたが、何を言ってやがるという感じでした。この本も暴露本であれば買う気はありませんでしたが、さっと見たところ、そんな感じではなかったので、買って読みました。レフェリー、マッチメイカーそして外人係りとしてレスラーに間近で接した著者ならではの数々のエピソードが紹介され、とても面白い内容でした。
昭和47年にスポーチニッポン新聞社から刊行された単行本「ケンカ空手 世界に勝つ」の文庫化。大山倍達12冊目の著書です。「世界ケンカ旅行」の続編にあたるもので若き大山倍達の世界の強豪格闘家との闘いを描いています。
平成7年にベースボールマガジン社から刊行された著書の文庫化。大山倍達の夫人である智弥子さんが、インタビュー形式で大山倍達のプライベートなエピソードの数々を語っています。娘のグレース恵喜さん、喜久子さんのインタビュー、前田日明と智弥子夫人の対談も収められています。
ベストセラー「私、プロレスの味方です」の著者が、リアルタイムで見た力道山を描く本格的評伝。プロレスの原点を知ることができます。読みごたえ十分です。